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電波環境協議会による「医療機関において安心・安全に電波を利用するための手引き(改訂版)」(令和3年7月)について (83 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000190382_00010.html
出典情報 薬事・食品衛生審議会 医療機器・再生医療等製品安全対策部会(令和3年度第2回 3/16)《厚生労働省》
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医療機関において安心・安全に電波を利用するための手引き
ど、自営 PHS システムを維持・管理していくことが難しくなる可能性があります。また、運
用・保守で必要とされる PHS 用の電波測定ツール(アナライザ製品)については、既に販売
を終了し、中古品・レンタルでしか入手できないものがあります。
自営 PHS を導入している場合は、上記のような点を考慮した上で、新しい無線システムへ
の移行を検討していくことが推奨されます。
最近では、PHS 以外にも新たな自営無線方式が登場しています。次世代の自営無線では高
速・大容量通信が実現されるとともに、端末はスマートフォンの利用が基本となります。
表 21
自営無線
方式

自営無線方式の比較

周波数帯
端末/子機

端末

無線設備

最大出力

自営 PHS

1.9GHz 帯
80mW

PHS 端末

構内 PHS
基地局

無線 LAN
(VoIP)

2.4GHz 帯
5GHz 帯
10mW/MHz
(20MHz システム)
1.9GHz 帯
100mW

IP 電話機
携帯・スマー
トフォン

無線 LAN
AP

4.7GHz 帯
28GHz 帯
200mW

5G 対応スマー ローカル
トフォン
5G 基地局

sXGP

ローカル
5G

メリット/デメリット

sXGP 対応スマ sXGP AP
ートフォン
(親機)
(子機)

1.9GHz 帯を使うため干渉が起きにくい
出力が小さく、医療用として広く普及
今後機器の開発・製造や運用・保守サービ
スが縮小される可能性がある
高速・大容量通信
導入コストが低い
2.4GHz 帯を使う際は、同一周波数帯の電波
との干渉に注意
1.9GHz 帯を使うため干渉が起きにくい
自営 PHS の後継方式のため、既存の PBX 等
を利用可能(内線・ナースコール利用)
通信の信頼性高
専用周波数帯を使うため干渉が起きにくい
高速・大容量通信
通信の信頼性高
運用のために無線免許・無線従事者の設置
が必要
医用電気機器の EMC 規格において試験が必
須となる周波数帯に含まれていないため、
離隔距離の設定に際しては注意が必要
(参考2を参照)

また、携帯電話網を用いた院内通話システムとして、スマートフォンを内線電話として利
用する FMC(Fixed Mobile Convergence)も普及してきています。FMC サービスは事業者の
携帯電話網を用いるため、内線/外線を区別なく使えることが特徴です。
さらに、PBX(構内交換機)をサービスとして提供するクラウド型 PBX も普及してきてお
り、FMC サービスと組み合わせることで、短期間でサービス導入が可能となっています。ま
た、端末は通常のスマートフォンを使用可能であるため、端末の調達も容易です。ただし、
自営無線と FMC/クラウド型 PBX では、災害時の影響度に大きな差異があるため、新しい無
線システムの導入を検討する際には留意してください。

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