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電波環境協議会による「医療機関において安心・安全に電波を利用するための手引き(改訂版)」(令和3年7月)について (76 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000190382_00010.html
出典情報 薬事・食品衛生審議会 医療機器・再生医療等製品安全対策部会(令和3年度第2回 3/16)《厚生労働省》
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医療機関において安心・安全に電波を利用するための手引き
小電力無線局
小電力無線局とは、総務省で定める一定の条件を満たした無線設備であれば、無線従事者
資格も無線局免許も不要な、近距離間の通信に用いられるものです。
小電力無線局には様々な種類があります。3-1.で紹介した医用テレメータは小電力無
線局の 1 つである「特定小電力無線局」です。微弱無線設備よりも雑音や混信に強く、長い
距離での通信が可能であるため、医療用途でも広く利用されています。
例えば、看護・介護の現場における転倒、転落、徘徊等の事故を防止し、現場の負担を軽
減する目的で医療機関や介護施設で広く導入されている離床センサ(マットセンサなど)に
も特定小電力無線局の送信機や中継器が使用されています。
適法な特定小電力無線局であれば、医用電気機器への影響は小さいと考えられます。ただ
し、医用テレメータと離床センサなど、同一の周波数帯を用いるものどうしについては、相
互に電波干渉を起こす事例がありますので、医用テレメータの無線チャネル設定においてそ
の周波数帯の使用を避けるなど注意が必要です。
表 17

医療機関や在宅医療で用いられている特定小電力無線局の例

システム

主な用途

周波数帯

医用テレメータ用

医用テレメータ(心電図等の生体信号の伝送)

420~440MHz 帯

体内植込型医療用データ伝送用及び

植込み型心臓ペースメーカ等のデータ伝送等

400MHz 帯

ナースコール、患者呼び出し、離床センサ、

420~440MHz 帯

体内植込型医療用遠隔計測用
無線呼出用

特定小電力トランシーバ等

3-3.で紹介した無線 LAN や Bluetooth 機器は、小電力無線局の「小電力データ通信シ
ステムの無線局」に分類されます。Bluetooth 機器は無線 LAN よりも近距離の通信のための
規格です。無線 LAN AP を介して同時に複数の機器が接続される無線 LAN とは異なり、
Bluetooth は 1 対 1 の通信を基本とします。スマートフォンやタブレット、PC と様々な機器
(例:イヤホン、スピーカ、マウス、キーボードなど)を接続しデータの伝送を行うことが
できます。近年では、医療現場においても体温計や血圧計等で測定したバイタルデータや電
子聴診器の聴診音のデータ伝送等にも Bluetooth が使われるようになっています。
Bluetooth は規格のバージョンによって消費電力や伝送速度が異なるほか、送信電力や通
信可能な距離によって、Class 1(最大 100m)、Class 2(最大 10m)、Class 3(最大 1m)に
クラスが分かれています。
一般的に Bluetooth の送信電力は非常に小さく、Bluetooth の電波が直接医用電気機器に影
響を与える可能性は小さいと考えらます。しかし、Bluetooth は無線 LAN と同じ 2.4GHz 帯
を用いるため、電波干渉が起こる可能性がある点に注意が必要です。なお、Bluetooth 機器
は干渉の影響を軽減するために自動的に使用周波数を変更する機能(AFH)を備えています。

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