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電波環境協議会による「医療機関において安心・安全に電波を利用するための手引き(改訂版)」(令和3年7月)について (113 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000190382_00010.html
出典情報 薬事・食品衛生審議会 医療機器・再生医療等製品安全対策部会(令和3年度第2回 3/16)《厚生労働省》
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医療機関において安心・安全に電波を利用するための手引き
参考4

医療機関の建築物の特殊性

多くの医療機関の外壁は、マンションや事務所ビルなど一般の建物と同じ建築部材が利用
されています。鉄筋コンクリートや金属カーテンウォールなどは、それ単体では電波を遮へ
いする(通しにくい)という特徴を持ちますが、通常の窓は電波を通しやすいため、屋外か
らの電波を医療機関の屋内でも利用することができます。
医療機関の内装壁は、診察室、検査室、病室など一般の建物にも利用される軽量下地+ボ
ード貼り工法が利用される室と、X 線検査室、MRI 検査室などに利用される鉛貼り石膏ボー
ドや電磁シールドなどの特殊な内装壁が利用される室が混在しております。これらは、仕上
げの見た目では区別がつきませんが、電波伝搬(電波の伝わりやすさなどの特性)に対して
は大きな影響を与えます。
診察室、検査室、病室などで利用される軽量下地+ボード貼り工法は、電波を通しやすい
という特徴があります。このため、病室などは鉄製の扉が閉まっていても、廊下に設置され
た構内 PHS や無線 LAN の電波が入りやすい環境にあります。
一方、X 線検査室や MRI 検査室などでは、鉛シールドや電磁シールドが用いられるため電
波を通しにくいという特徴があります。
また、本手引きで紹介した医用テレメータ、無線 LAN、携帯電話などの屋内基地局の検討
に当たっては、建物の建築計画や家具の計画と分離して計画されることも多く、運用を開始
したときにスタッフステーションなどに電波を遮へいする特性をもつ大型の金属製什器や
キャビネットが設置され、屋内の電波伝搬に影響することがあります。
近年の医療機関においては、精密な医用電気機器に対する電波利用機器の使用に起因する
トラブルも発生していることなどから、電波伝搬に関する環境づくりは大変重要です。医療
機関において電波伝搬に関する設計を行う際には、一般的な建物と比べて、何階であるか、
何を目的とした部屋であるか等の特性に応じた十分な検討が必要となります。
これらの情報は医療関係者だけで把握していくことは困難であるため、電波伝搬に関する
計画を行う際には、医用電気機器・医療システム製造販売業者、通信事業者、建築事業者と
情報を共有し、本手引きを参考にしつつ、十分な検討を行い、良好な通信環境を形成するこ
とが重要です。

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