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電波環境協議会による「医療機関において安心・安全に電波を利用するための手引き(改訂版)」(令和3年7月)について (42 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000190382_00010.html
出典情報 薬事・食品衛生審議会 医療機器・再生医療等製品安全対策部会(令和3年度第2回 3/16)《厚生労働省》
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医療機関において安心・安全に電波を利用するための手引き
医療機関では 2.4GHz 帯、5GHz 帯のいずれの規格も導入が進んでいますが、2.4GHz 帯は、
産業科学医療用(ISM)機器向けの周波数帯の一つとして扱われており、同じ周波数帯を電
子レンジ、家庭用コードレス電話、Bluetooth 機器、マイクロ波メス、マイクロ波治療器な
どの様々な機器と共用しているため、電波干渉が多い周波数帯となっています。一方、5GHz
帯は 2.4GHz 帯と比べて、他の機器からの電波干渉の影響を受けにくくなっています。

図 28

2.4GHz 帯を使う機器

実際に無線 LAN AP を設置するに当たって、電波の強さは遠方になるほど弱くなるので、
医療機関のような広い場所では、複数台の無線 LAN AP でカバーすることが一般的です。
複数台の無線 LAN AP を同時に近隣で使う場合には、相互の電波干渉を避けるため、隣接
する AP は異なるチャネルを設定する必要があります 14。具体的には、それぞれが使う無線
チャネルを、規格により同時に利用可能な 2.4GHz 帯の 3 チャネル、5GHz 帯の 20 チャネル
から組み合わせて使うことになります。5GHz 帯の 20 チャネルには、各 4 チャネルを使う
W52/W53、12 チャネルを使う W56 の 3 タイプがあります。
なお、5GHz 帯のうち、W53/W56 の利用においては国や自治体等が運用する気象レーダの電
波を検知した際に使用する無線チャネルの変更や通信の一時停止(停波)が発生することに
注意が必要です。このため、医療機関においては無線チャネル設計の混乱を防ぐため、気象
レーダの影響を受けない W52 の 4 チャネルを使うことが一般的です。W53/W56 を利用する場
合には、事前に一定期間の電波環境の測定(サイトサーベイ)を行い、気象レーダの影響を
受ける頻度等を調査するとよいでしょう。実運用上では気象レーダの影響で無線 LAN AP が
停波した際にも周囲の AP で補完するような無線 LAN 設計を実施しておくことが考えられま
す。なお、屋外で 5GHz 帯を用いる場合には W56 を使うことになります。
また、11n、11ac 及び 11ax の 5GHz 帯では、最大 8 つのチャネルを束ねて通信を高速化す
るチャネルボンディングという技術が採用されています。

14

通常、近くにある無線 LAN AP が同一のチャネルを用いると電波干渉が発生しますが、複数の無線 LAN
AP で同一チャネルを共有できるよう制御することで電波干渉による影響を抑える機能を持ったメーカ
独自の無線 LAN 方式であるシングルチャネル方式を使う場合はこの限りではありません。

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