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提案書19(3602頁~3801頁) (80 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000190899_00011.html
出典情報 中央社会保険医療協議会 診療報酬調査専門組織・医療技術評価分科会(令和5年度第1回 11/20)《厚生労働省》
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医療技術評価提案書(保険既収載技術用)
整理番号

721202

※事務処理用

提案される医療技術名
申請団体名

植込型除細動器一次予防

03循環器内科

主たる診療科(1つ)
提案される医療
技術が関係する
診療科

適応基準通知

日本不整脈心電学会

15心臓血管外科
関連する診療科(2つまで)
リストから選択

提案される医療技術又は提案される医療技術に類似した
医療技術の提案実績の有無



過去に提案した年度
(複数回提案した場合は、直近の年
度)
「実績あり」の
場合、右欄も記
載する

提案当時の医療技術名

令和4年度

植込型除細動器一次予防

適応基準通知



追加のエビデンスの有無
診療報酬区分
診療報酬番号

再評価区分(複数選択可)


K599
1-A

算定要件の見直し(適応)

1-B

算定要件の見直し(施設基準)

該当する場合、リストから○を選択

1-C

算定要件の見直し(回数制限)

該当する場合、リストから○を選択

2-A

点数の見直し(増点)

該当する場合、リストから○を選択

2-B

点数の見直し(減点)

該当する場合、リストから○を選択



項目設定の見直し

該当する場合、リストから○を選択



保険収載の廃止

該当する場合、リストから○を選択



新規特定保険医療材料等に係る点数

該当する場合、リストから○を選択



その他(1~5のいずれも該当しない)

該当する場合、リストから○を選択

「6

提案される医療技術の概要(200字以内)



その他」を選んだ場合、右欄に記載

植込み型除細動器(ICD)は心室細動/心室頻拍による心臓突然死を予防する有効な治療法である。1996年に通知された算定要件では、心室細動/
心室頻拍を起こした患者に対して適応される(二次予防)ことに主眼がおかれている。臨床的エビデンスの蓄積により、心室細動/心室頻拍の高
リスク患者が判明しており、発症する前からICD治療を行う(心臓突然死の一次予防)ことを目的とした適応基準の改訂を要望する。

文字数: 195

再評価が必要な理由

1996年の適応基準通知では、一次予防のICD治療を行う際には心臓電気生理学的検査によって血行動態が破綻する心室頻拍/心室細動が繰り返し誘
発されることが求められている。その後、無作為化比較対照臨床試験が行われ、心臓突然死に対する一次予防ICD治療が必要な患者群が同定され
ているが、1996年以降に算定要件の改訂がなされてない。心臓電気生理学的検査は侵襲的な手技であることに加え、心室細動/心室頻拍の高リス
ク患者を同定する手段としての有用性は限定的であることが明らかになってきている。必要のない侵襲的検査が行われることは、患者の不利益な
らびに医療費増加につながる可能性があるため、改訂が望ましいと考える。

【評価項目】

①再評価すべき具体的な内容
(根拠や有効性等について記載)

心室細動/心室頻拍による心臓突然死を予防する治療法として、1996年に植込み型除細動器(ICD)移植術が保険適応として認可されてから27年が
経過している。その算定要件は、1996年4月1日(1996年3月に告示)から運用されており、以下のア~ウの通りである。
ア.血行動態が破綻する心室頻拍又は心室細動の自然発作が1回以上確認されている患者 であって、植込型除細動器移植術以外の治療法の有効性
が心臓電気生理学的検査及び ホルター型心電図検査によって予測できないもの。
イ.血行動態が破綻する心室頻拍又は心室細動の自然発作が1回以上確認されている患者であって、有効薬が見つからないもの又は有効薬があっ
ても認容性が悪いために服用が制限されるもの。
ウ.既に十分な薬物療法や心筋焼灼術等の手術が行われているにもかかわらず、心臓電気生理学的検査によって血行動態が破綻する心室頻拍又は
心室細動が繰り返し誘発される患者。
一方、MADIT-II、SCD-HeFTといった欧米での無作為化比較対照試験により、左室駆出率が高度に低下した症候性心不全患者は、
(1)心室頻拍/心室細動の自然発作がなく(2)心臓電気生理学的検査による心室頻拍/心室細動の誘発がなされていなくても、心臓突然死のリ
スクが高く、ICD移植術が死亡率を減少させることが示されている。このようなエビデンスに基づき、欧州心臓病学会(ESC)では2015年、米国心
臓病学会(ACC)/米国心臓協会(AHA)/米国不整脈学会(HRS)では2017年にガイドラインを改訂し、十分な薬物治療が実施されているにもかか
わらず左室駆出率35%以下かつNYHA 心機能分類IIあるいはIIIの心不全症状を有する患者に対して、一次予防目的のICDの使用がクラス I適応と
して推奨された。2018年の日本循環器学会/日本不整脈心電学会合同「不整脈非薬物治療ガイドライン」では、基礎心疾患を有する患者に対する
突然死の「一次予防」として、以下の①~⑤のすべてを満たす場合、ICDの使用はクラス I適応、①~④のすべてを満たす場合はクラス IIa適応
として推奨している。
① 冠動脈疾患(心筋梗塞発症から40 日以上経過,冠血行再建術後90 日以上経過)あるいは非虚血性心筋症、② 十分な薬物治療、③ NYHA 心機
能分類II 以上の心不全症状、④ 左室駆出率≦ 35%、⑤ 非持続性心室頻拍
日本不整脈心電学会のデータベースの解析では、一次予防目的にICD移植術が施行された左室駆出率35%以下の低心機能症例を対象として、心臓
電気生理学的検査の有無で比較検討したところ、全死亡、心不全死、植込み型除細動器の適切作動ならびに不適切作動、いずれにおいても有意な
差はみられなかった(J Arrhythmia 2021;37:148-156)。さらに、2022年に発表された多施設前向き観察研究(HINODE)では、日本人171名を対
象に欧州のガイドラインに従って一次予防ICD植込み術を行っているが、欧米患者を対象としたMADIT-RIT試験(2012年)と死亡率ならびに適切作
動が同等であった。したがって、突然死の一次予防目的患者選択にあたっては、心臓電気生理学的検査による心室頻拍/心室細動の誘発性は必須
ではなく、欧米の臨床データを外挿できると考えられる(ESC Heart Failure 2022; 9: 1584–1596)。
これらのエビデンスに基づき、ICD移植術の保険適応に心臓突然死の一次予防を目的とした以下の追記を要望する。
【追記事項】
エ.心不全に対する十分な薬物治療にもかかわらず、日常的な身体活動で疲労、動悸、呼吸困難あるいは狭心痛を生じ(NYHA 心機能分類II以上の
心不全症状)、かつ左室駆出率35%以下の患者

②現在の診療報酬上の取扱い
・対象とする患者
・医療技術の内容
・点数や算定の留意事項

・心室頻拍または心室細動による心臓突然死のリスクが高いと判断される左室駆出率35%かつ心不全症状を有する患者が一次予防目的の植込み型
除細動器移植術の対象となる。
・植込み型除細動器本体はペースメーカより数倍大きく、電気ショック放電のための特殊なリード電極を使用する。適切な治療を可能とするため
には、移植術後に本体の設定を的確に行うことが必須である。
・高度な技術と豊富な臨床経験および専門的知識を要するため、所定の研修を受講した常勤医師が2名以上在籍する認定施設で算定が可能とな
る。

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