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提案書19(3602頁~3801頁) (7 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000190899_00011.html
出典情報 中央社会保険医療協議会 診療報酬調査専門組織・医療技術評価分科会(令和5年度第1回 11/20)《厚生労働省》
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研究結果

DNAメチル化プロファイル検査を行うことで,12%で統合診断の見直しが発生し,うち71%では悪性度(グレード)の変更を
伴うものであり(参考文献3),また,既知のいずれにも合致しない新しい腫瘍型が提唱された(参考文献4).DNAメチ
ル化分類は統合診断の精度向上に寄与する.

⑤ ④の根拠と
なる研究結果等

2b
ガイドライン等での位置づけ

⑥普及性

ガイドライン等での記載あり(右欄に詳細を記載す
る。)

年間対象患者数(人)

4,094

国内年間実施回数(回)

4,913

WHO Classification of Tumours. 5th ed. In: Brat DJ,
Ellison DW, Figarella-Branger D, et al.editors. Lyon:
IARC; 2021.

※患者数及び実施回数の推定根拠等

本邦の脳腫瘍統計より,2019年に診断された5,849例(男性3,116例、女性2,733例)のうち,既存の病理診断のみで診断可
能な症例や検査が間に合わない場合を除く,7割の患者が検査対象となると推定した.複数回検査を要する患者がそのうち2
割と推定した.

⑦医療技術の成熟度
・学会等における位置づけ
・難易度(専門性等)

日本病理学会が共同編集する脳腫瘍取扱い規約第5版(現在,出版準備中)でもDNAメチル化プロファイル検査が診断基準の
一つであることが明記される.衛生検査所レベルの施設(検査受託会社など)により行われる自家調製検査が既に行われて
いる.検査結果の解釈は,ドイツがんセンターが公開するウェブサイト(http://molecularneuropathology.org/)を用い
て,広く利用が可能である.

・施設基準
(技術の専門性
等を踏まえ、必
要と考えられる
要件を、項目毎
に記載するこ
と)

施設の要件
(標榜科、手術件数、検査や手術の体
制等)

患者から採取された新鮮凍結検体ないしホルマリン固定パラフィン包埋材料が検査に提出されるため,施設内に脳神経外科
が設置されている必要がある.ホルマリン固定パラフィン包埋材料は,がんゲノムプロファイリング検査に準じた管理が求
められるため,同等以上の施設要件となる.手術件数の制約はない.

人的配置の要件
(医師、看護師等の職種や人数、専門
性や経験年数等)

新鮮凍結検体を提出する場合は、脳神経外科医に加えて検体の管理を行うための看護師等のコメディカルスタッフを一人以
上必要とする。ホルマリン固定パラフィン包埋材料は、がんゲノムプロファイリング検査に準じた管理が求められるため、
同等以上の人的配置を要する、

その他
(遵守すべきガイドライン等その他の
要件)

ゲノム診療用病理組織検体取扱い規程(日本病理学会)
がんゲノム検査全般に関する指針(日本病理学会・日本臨床検査医学会共同策定)

⑧安全性
・副作用等のリスクの内容と頻度

特になし

⑨倫理性・社会的妥当性
(問題点があれば必ず記載)

生殖細胞系列のゲノム変異情報は含まないが,個人情報の流出を防ぐための最大限の倫理的配慮を要する.


妥当と思われる診療報酬の区分
⑩希望する診療
報酬上の取扱い

関連して減点
や削除が可能と
考えられる医療
技術(③対象疾
患に対して現在
行われている医
療技術を含む)

点数(1点10円)

10,000

その根拠

自家調整試薬による検査では、試薬代が約70,000円(7,000点)に加え、病理組織標本作製料として2,700点と検体の管理、
データの管理、解析のためのコストを考慮した。

区分

その他(右欄に記載する。)

B、D

番号

B011-5

D009-18

技術名

B011-5

がんゲノムプロファイリング評価提供料

具体的な内容

B011-5 がんゲノムプロファイリング評価提供料 12,000点:
D009-18 がんゲノムプロファイリング検査 44,000点

D009-18

がんゲノムプロファイリング検査

減(-)

プラスマイナス
予想影響額(円)

59,180,000円

その根拠

DNAメチル化プロファイル検査数=年間4,913件/年(参考文献2参照)
DNAメチル化プロファイル検査費用=10,000点×4,913件/年×10円=491,300,000円
メチル化プロファイリング検査によりメチレーションが発見される確率は約20%とされており、削減可能ながんゲノムプロ
ファイル検査=4,913件/年×0.2=983件/年
がんゲノムプロファイリング評価提供料およびがんゲノムプロファイリング検査56,000点の削減=56,000点×983件/年×10
円=550,480,000円/年
よって医療費削減は550,480,000円/年-491,300,000円/年=59,180,000円/年

備考

病理診断のために必要な遺伝子検索やメチル化の検索を行うことで、一部の患者では、ドライバー遺伝子変異などが確認で
き、コンパニオン診断薬等の組み合わせにより、治療初期より適切な治療法が導入できることになり、患者予後に大きく貢
献でき、標準治療終了後に保険収載されているがんゲノムプロファイリング検査を大幅に削減することが可能となる。さら
にその他にも患者に適切な治療法が治療初期より導入できることによる治療費の削減や患者社会復帰などによる医療、経済
上の効果は計り知れない。

予想影響額

⑪提案される医療技術において使用される医薬品、医療機
器又は体外診断薬
該当なし
(主なものを記載する)
⑫提案される医療技術の海外における公的医療保険(医療
保障)への収載状況
※ 該当する場合、国名、制度名、保険適用上の特徴
(例:年齢制限)等

1)収載されている

1)を選択した場合は、下の欄に詳細を記載。

英国において、National Health Serviceが、31種の中枢神経系腫瘍に対して、DNAメチル化プロファイル解析費用を負担し
ている。対象は小児、成人の両者を含み、病理医が診断及び管理のために必要と認めた症例で解析が行われる。

⑬提案される医療技術の先進医療としての取扱い

d. 届出はしていない

⑭その他

該当なし

⑮当該申請団体以外の関係学会、代表的研究者等

日本脳腫瘍学会

理事長

永根基雄

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