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提案書19(3602頁~3801頁) (133 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000190899_00011.html
出典情報 中央社会保険医療協議会 診療報酬調査専門組織・医療技術評価分科会(令和5年度第1回 11/20)《厚生労働省》
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⑨関連して減点
や削除が可能と
考えられる医療
技術(当該医療
技術を含む)

区分
番号
技術名
具体的な内容





001注5および001-3注2
体外照射呼吸性移動対策加算、定位放射線治療呼吸性移動対策加算
提案が通った場合、削除する。
増(+)

プラスマイナス

⑩予想影響額

予想影響額(円)

2,858,808,000

その根拠

「④普及性の変化」で、以下の通り見直し後の実施回数および患者数を推計した。
通常治療・IMRT:(A/B/C-1/C-2/C-3) = (118,716/0/160,132/0/39,138)回、(5,224/0/5,339/0/1,306人。定位放射線治療:(A/B/C-1/C-2/C-3) =
(3,246/3,349/457/234/1,096)回・人。総数としては、326,368≒326,000回、20,251≒20,000人。
【●令和3年呼吸性移動対策医療費】体外呼吸性移動対策(150点)85,440回:150x85,440x10=128,160,000円。定位放射線治療(動体追尾:
10,000点)780回:780x10,000x10=78,000,000円。定位放射線治療(その他:5,000点)1,620回:1,620x5,000x10=81,000,000円。総額2.9億円
(①)。
【●見直し後の医療費】通常治療・IMRT:実施回数を(A/B/C-1/C-2/C-3) = (118,716/0/160,132/0/39,138)回、診療報酬点数を(A/B/C-1/C-2/C3) = (2,800/2,800/3,800/4,700/6,800)点として、医療費は(A/B/C-1/C-2/C-3) = (3,324,048,000/0/6,085,016,000/0/2,661,384,000)円で、総
額120.7億円(②)。定位放射線治療:実施回数を定位放射線治療:(A/B/C-1/C-2/C-3) = (3,246/3,349/457/234/1,096)回、診療報酬点数を
(A/B/C-1/C-2/C-3) = (28,000/28,000/38,000/47,000/68,000)点として、医療費は(A/B/C-1/C-2/C-3) =
(908,880,000/937,720,000/173,660,000/109,980,000/745,280,000)円で、総額28.8億円(③)。
見直し後の医療費総額は②+③=149.5億円(④)であり、従来からの当該治療実施に関わる医療費の純増減は④-①=146.6億円(⑤)の増額と
なる。
今回の見直しにより、対象患者数は20,000–5,250=14,750人増加するが、標的移動対策の導入により局所制御率の向上と副作用の低減が可能であ
り、10%の再発率の低下と、10%の有害事象の低減が可能と想定し、救済治療に要する費用500万円/人、副作用の治療に要する費用300万円/人とす
ると、減少分の医療費は、(500万円×10%×14,750人)+(300万円×10%×14,750人)=118億円(⑥)と予想される。
上記⑤と⑥の差額(⑤-⑥)が見直し後の医療費増減額となり、146.6億円-118億円= 28.6億となる。つまり約28.6億円の医療費増額が予想さ
れる。

備考



⑪算定要件の見直し等によって、新たに使用される医薬
品、医療機器又は体外診断薬

放射線治療装置用シンクロナイザ,遠隔照射式治療用放射性核種システム向け輪郭探知機、線形加速器システム

⑫その他



⑬当該申請団体以外の関係学会、代表的研究者等



1)名称

Real-Time Image Guided Ablative Prostate Cancer Radiation Therapy: Results From the TROG 15.01 SPARK Trial.

2)著者

Keall P, Nguyen D T, O Brien R, et al.

3)雑誌名、年、月、号、ページ

International Journal of Radiation Oncology* Biology* Physics. 2020 July;107(3):530-538.

4)概要

前立腺癌定位放射線治療において、リアルタイムIGRTが患者転帰および泌尿器・消化管毒性に与える影響を、多施設共同前向き試験にて評価し
た。48症例、235回の治療で前立腺の位置をリアルタイムに監視した結果、1回の治療中に位置補正を必要としたのは42/48症例(88%)、121/235
回(51%)であった。リアルタイムIGRTを用いた場合、前立腺に対する臨床目標線量(CTV D98%)が治療計画よりも5%減少した症例は無く、平均
1.0%であった。一方で、リアルタイムIGRTを使用しない場合の線量分布をシミュレーションしたところ、13/235回(5.5%)の治療で前立腺CTV
D98%が治療計画よりも5%以上減少し、最大で20.3%であった。患者転帰は、ベースラインと比較して12カ月間の患者報告転帰に変化はなく、グ
レード3の泌尿器・消化管毒性は認められなかった。

1)名称

Dosimetric effect of intrafraction motion and different localization strategies in prostate SBRT.

2)著者

Vanhanen A, P Poulsen, Kapanen M, et al.

3)雑誌名、年、月、号、ページ

Physica Medica. 2020 July;75:58-68

4)概要

前立腺癌に対するIMRT技術を用いた定位放射線照射において(22名,308回の治療)、照射直前にCBCTによるIGRTを実施した後、照射中に前立腺
位置変動が許容値を超えた場合に自動で治療ビーム遮断、自動位置合わせを実施するプロトコル(文献中Strategy A)と、照射直前のIGRT後は位
置監視なしで治療を続行するプロトコル(文献中Strategy C)で、標的(前立腺)および重要臓器(膀胱,直腸)の治療計画に対する線量誤差を
評価した。Strategy Aの治療中の3次元的位置誤差は最大2.2mmであったのに対し、Strategy Cでは最大7.4mmを記録した。治療計画に対する標的
線量の減少は,Strategy Cでは最大でStrategy Aの5.4倍にも上った。一方で重要臓器線量は,Strategy AとCともに治療計画よりも増加したが、
Strategy Cでは最大でStrategy Aの3.9倍にも上った。

1)名称

A Systematic Review of Organ Motion and Image-guided Strategies in External Beam Radiotherapy for Cervical Cancer.

⑭参考文献1

⑭参考文献2

2)著者

Jadon R, Pembroke C A, Hanna C L, et al.

3)雑誌名、年、月、号、ページ

Clinical Oncology. 2014 April;26(4):185-196

4)概要

【追加エビデンス】Medline、Embase、Cochrane Library、Web of Science、Cinahl、Pubmedを使用して系統的な文献検索を行った。子宮新生
物、IGRT、臓器運動、ターゲットボリューム(標的)の用語に基づいて、合計448件の研究が特定され、スクリーニングの結果、39件の関連研究
が抽出された。これらの研究は、子宮頸がん放射線治療の標的内では、子宮の運動が頸部より大きいことを示している。子宮の動きは膀胱の充満
に、頸部の動きは直腸の充満に主に影響される。臓器の動きのパターンは患者によって異なり、標的の移動がほとんどない症例(5mm)とかなり
大きい症例(40mm)と幅を持っている。集団ベースの臨床標的体積(CTV)-計画標的体積(PTV)マージンは大きくなり(子宮周辺では最大4cm)、
PTV内に不必要なリスク臓器が含まれることになり、IMRTの利点が減少する。これらの研究は、子宮頸がん放射線治療の標的内では、子宮の運動
が頸部より大きな骨盤臓器の動きは患者ごとに異なるため、リスク臓器の温存を高めながら標的を確実にカバーするための戦略として適応的IGRT
(治療中の実時間継続的標的位置監視)が推奨されている。

1)名称

Intrafraction motion quantification and planning target volume margin determination of head-and-neck tumors using cine magnetic
resonance imaging.

⑭参考文献3

2)著者

Bruijnen T, Stemkens B, Terhaard C H, et al.

3)雑誌名、年、月、号、ページ

Radiotherapy and Oncology. 2019 January;130:82-88

4)概要

【追加エビデンス】頭頸部癌患者84症例(上咽頭腫瘍x12症例/中咽頭腫瘍x34症例/喉頭腫瘍x29症例)について、シネMRIを撮影し、腫瘍の位置
変化をリアルタイム解析した。腫瘍の動きの平均値は、頭側2.3(範囲0.3-1.2)mm、尾側2.4(範囲0.3-12.0)mm、腹側1.8(範囲0.2-5.2)mm、
背側1.7(範囲0.3-4.1)mmであった。患者群について算出されたPTVマージンは上咽頭腫瘍:2.8mm(等方性)、中咽頭腫瘍:3.2mm(等方性)、喉
頭腫瘍:4.3mm(頭尾)、3.2mm(背腹)であった。平均的な腫瘍の動きはPTVマージンを設定することで照射位置精度を確保可能であると考えら
れるが、患者によっては突発的に10mmを超える位置誤差を観察することもあるため注意が必要である。

1)名称

全国放射線治療施設の2019年定期構造調査報告(第1報)

2)著者

JASTROデータベース委員会

3)雑誌名、年、月、号、ページ

全国放射線治療施設の2019年定期構造調査報告(第1報), 2022 11;1-15

4)概要

2020年9月に2019年に放射線治療装置があると想定された全国843施設に対して2019年1月1日~12月31日までの放射線治療の診療実態についての構
造調査の正式の依頼がデータベース委員長名にてJASTRO HP やJASTROgram を通じてなされた。2009年調査よりWebを通じてのオンライン登録を基
本としたが、対応できない施設には調査票が郵送された。2022年2月末までに735施設から回答が得られた(87.2%)。本調査から推定される2019
年の放射線治療新規患者数は237,000人、実(新規+再来)患者数は283,000人であった。国立がん研究センターがん情報サービス「がん統計」の
全国がん登録による罹患データより、2019年の全国がん罹患数は999,075人とされており)、算出される全がんに対する放射線治療適応率は23.7%
(237,000/999,075)であった。

⑭参考文献4

⑭参考文献5

※⑬については、1.の「主たる申請団体」および「上記以外の申請団体」以外に、提案される医療技術に関する研究、会合、論文発表等を実施している学会等の関連団体や研
究者等の名称を記載すること。

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