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提案書19(3602頁~3801頁) (42 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000190899_00011.html
出典情報 中央社会保険医療協議会 診療報酬調査専門組織・医療技術評価分科会(令和5年度第1回 11/20)《厚生労働省》
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④普及性の変化
※下記のように推定した根拠

年間対象者数の
変化

年間実施回数の
変化等

見直し前の症例数(人)

7,940(人)

見直し後の症例数(人)

13,327(人)

見直し前の回数(回)

3,176(回)

見直し後の回数(回)

5,331(回)

⑤医療技術の成熟度
・学会等における位置づけ
・難易度(専門性等)

・施設基準
(技術の専門性
等を踏まえ、必
要と考えられる
要件を、項目毎
に記載するこ
と)

リンチ症候群診断の第1次スクリーニングの基準の一つであるアムステルダム基準IIから、50歳未満のリンチ症候群関連腫瘍(大腸癌、子宮内膜
癌、腎盂・尿管癌、小腸癌)が主な対象と想定される。そのため、がん情報サービスに公開されている最新がん統計から各癌種の50歳未満の新規
罹患者数から年間対象者数を推定した(データがない小腸癌は含まれないが、罹患数は大腸癌の約1/30とされている)。年間実施回数はMMR IHC
検査に必要な装置の普及率などから、対象者数の40%と仮定して算出した。
なお、令和4年診療報酬改定において、MSI検査が大腸癌以外の固形癌においてリンチ症候群の診断補助の目的で保険適用となっていることから、
見直し後に増加すると想定している子宮内膜癌、腎盂・尿管癌の5,387症例はMSI検査の適用があり、MSI検査とミスマッチ修復タンパク免疫染色
(免疫抗体法)病理組織標本作製の対象者数の総数に大きな変化はないことに留意いただきたい。

体外診断用医薬品として承認されたMMR IHC検査は2022年10月から発売・保険収載されたが、承認前から医療機関が検査費用を負担する形で、リ
ンチ症候群のスクリーニングを目的として実施されている。MMR IHC検査の判定は病理専門医が実施する必要がある。また、リンチ症候群を念頭
に置いた遺伝カウンセリングが必要であり、遺伝カウンセリングが実施可能な施設あるいは遺伝カウンセリング実施可能施設と連携した施設での
実施が望ましい。

施設の要件
(標榜科、手術件数、検査や手術の体 遺伝カウンセリング加算算定施設に従う
制等)
人的配置の要件
(医師、看護師等の職種や人数、専門 遺伝カウンセリング加算算定施設基準に従う
性や経験年数等)
その他
(遵守すべきガイドライン等その他の 特記すべきものは無し
要件)

⑥安全性
・副作用等のリスクの内容と頻度

特に問題なし

⑦倫理性・社会的妥当性
(問題点があれば必ず記載)

リンチ症候群スクリーニングとしてMSI検査またはMMR IHC検査が必要であるにもかかわらず、MMR IHC検査だけを大腸癌に癌腫を限定することの
患者不利益・不公平を是正する。

⑧点数等見直し
の場合

見直し前

該当しない

見直し後

該当しない

その根拠

該当しない

区分
⑨関連して減点
や削除が可能と
考えられる医療
技術(当該医療
技術を含む)

該当なし

その他(右欄に記載。)

番号

該当なし

技術名

該当なし

具体的な内容

該当なし
増(+)

プラスマイナス
⑩予想影響額

予想影響額(円)

4,310,000円

その根拠

見直しにより2,155回のMMR IHC検査が増え、保険点数が2,700点に変わるため、その増額分を試算した(2,155×2,000円)

備考

MSI検査は2,500点が算定されている

⑪算定要件の見直し等によって、新たに使用される医薬
品、医療機器又は体外診断薬

既に使用されている医薬品及び医療機器を用いるため、新たに使用されるものはない

⑫その他

特記すべきことなし

⑬当該申請団体以外の関係学会、代表的研究者等

⑭参考文献1

⑭参考文献2

⑭参考文献3

⑭参考文献4

日本遺伝子診療学会、日本小児血液・がん学会

1)名称

遺伝性大腸癌診療ガイドライン2020年版

2)著者

大腸癌研究会

3)雑誌名、年、月、号、ページ

2020年7月発刊

4)概要

p62-91にリンチ症候群についての疾患概要、診断の流れ、治療とサーベイランス、家系員への対応について概説している。MMR IHC検査/MSI検査
をリンチ症候群のスクリーニングに用いる根拠と診断有用性について解説されている。

1)名称

成人・小児進行固形がんにおける臓器横断的ゲノム診療のガイドライン

2)著者

日本臨床腫瘍学会/日本癌治療学会/日本小児血液・がん学会

3)雑誌名、年、月、号、ページ

2022年2月発刊

4)概要

p9-37にdMMR固形癌の臨床像やその検査方法が記載されている。P14-17にMSI検査法の詳細が解説されており、偽陰性のリスクに関しての言及がな
されている。また、p16-18にMMR IHC検査法の詳細が解説され、利点が挙げられている。

1)名称

Real-world data on microsatellite instability status in various unresectable or metastatic solid tumors

2)著者

Akagi K. et al,

3)雑誌名、年、月、号、ページ

Cancer Sci. 2021, 112(3):1105-1113

4)概要

ミスマッチ修復タンパク(免疫染色)の異常は、子宮体癌、小腸癌、胃癌、十二指腸癌に次いで大腸癌が多いが、神経内分泌腫瘍、前立腺癌、肉
腫など、固形癌全般にわたって異常が検出されている。

1)名称

Microsatellite Instability Is Associated With the Presence of Lynch Syndrome Pan-Cancer

2)著者

Latham A. et al.

3)雑誌名、年、月、号、ページ

J Clin Oncol. 2018, 37:286-295

4)概要

ミスマッチ修復タンパク(免疫染色)の異常は、膀胱/尿管癌、膵臓癌、副腎皮質癌、脳腫瘍などでも検出される。

1)名称

Prevalence and molecular characteristics of DNA mismatch repair deficient endometrial cancer in a Japanese hospital-based
population

2)著者

Azusa Yamamoto, Tatsuro Yamaguchi, Okihide Suzuki,Tetsuya Ito, Noriyasu Chika, Nao Kamae, Jun-ichi Tamaru,Tomonori Nagai, Hiroyuki
Seki, Tomio Arai, Tetsuhiko Tachikawa,Kiwamu Akagi, Hidetaka Eguchi, Yasushi Okazaki, Hideyuki Ishida.

3)雑誌名、年、月、号、ページ

Japanese Journal of Clinical Oncology, 2021, 51(1)60–69

4)概要

MLH1/PMS2消失は散発例の可能性が高く、MSH2/MSH6消失はリンチ症候群の可能性が高いことがMMR IHC検査では推測でき、MSI検査よりも有用性が
高いことが示されている。

⑭参考文献5

第3版

(関係ページ:p9-p37)

※⑬については、1.の「主たる申請団体」および「上記以外の申請団体」以外に、提案される医療技術に関する研究、会合、論文発表等を実施している学会等の関連団体や研
究者等の名称を記載すること。

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