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提案書19(3602頁~3801頁) (167 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000190899_00011.html
出典情報 中央社会保険医療協議会 診療報酬調査専門組織・医療技術評価分科会(令和5年度第1回 11/20)《厚生労働省》
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④普及性の変化
※下記のように推定した根拠

年間対象者数の
変化

年間実施回数の
変化等

JASTRO(日本放射線腫瘍学会)データベース委員会による推定実放射線治療患者数が24万人、JASTRO実施の外来放射線照射診療料に関するアン
ケートに基づく外来放射線照射診療料算定患者の割合は約25%と見積もられ、年間対象患者数は6万人、これらの患者が平均5週間の放射線治療を
受けているとして実施回数は30万回と想定された。また、令和3年社会医療診療行為別統計によれば、2021年6月に外来放射線照射診療料(292
点)を算定された件数は28,684件で1年間に換算すると344,208件となることから、JASTROの調査は全国の放射線治療概要を正しく推定できるデー
タとなっている。これらの点より、年間の外来放射線照射診療料の算定対象患者を344,208/5≒6.9万人、年間算定件数を344,208件として以下の
計算を行う。
日本看護協会HPの資料(参考文献4)によると、全認定者356人のうち病院に勤務するがん放射線療法認定看護認定看護師は2021年2月時点で337人
おり、うち65.9%(222人)が外来で業務を行っていることが報告されている。このうち、約8割(178人)が放射線治療外来での勤務と推測される。
がん看護専門看護師は2021年2月時点で939人、うち病院勤務者は785人であり、そのうち22.2%(174人)が外来で業務を行っていることが報告され
ている。このうち、放射線治療外来での勤務者は約5%程度(約10名)と見積もられる。また、これらの認定看護師・専門看護師の大半は比較的大
規模な施設に勤務しており、当該認定看護師・専門看護師が放射線治療外来に勤務している病院のほぼ全て(=178+10=188人(施設))が既に外来
放射線照射診療料の施設基準届出をしていると推測できる。以上より、本改定提案による増点対象となる施設は全国で188施設と推測される。医
療介護情報局のデータ(2023年4月7日検索)では、2023年度の外来放射線照射診療料の施設基準届出病院数は518であることから、全国の外来放
射線照射診療料算定患者の188/518≒36.2934%が加算対象と考えられる。
従って、本提案の増点対象患者は全国の外来放射線照射診療料算定患者の約36%と考えれば、加算対象患者(6.9万人×36%≒2.5万人)、算定回数
(344,208×36%≒12.5万回)と推定される。ただし、増点されたことによって対象患者数は緩やかに増加することが予想される。

見直し前の症例数(人)

24,985

見直し後の症例数(人)

24,985

見直し前の回数(回)

124,925

見直し後の回数(回)

124,925

⑤医療技術の成熟度
・学会等における位置づけ
・難易度(専門性等)

・がん治療領域において、多職種チーム医療による介入により臨床成績が向上することが多くの癌種で報告されている。がん看護専門看護師・が
ん放射線療法看護認定看護師はがん治療および放射線治療の専門的知識・技術を有する看護師として、多職種チーム医療において重要な役割を果
たしている。
・がん放射線療法看護認定看護師になるためには、日本の看護師免許を所有し、日本看護協会が認定している認定看護師教育機関(課程)を修了
(6ヶ月615時間以上)していることが必要である。看護免許取得後、実務経験が通年5年以上、その実務経験5年以上のうち、3年間は認定看護分
野で実務経験をしていることも条件である。条件を満たしていればがん放射線療法看護認定看護師資格の認定審査を受けることができ、5年ごと
に更新(看護実践と自己研鑽の実績について書類審査)が必要になる。

施設の要件
(標榜科、手術件数、検査や手術の体 放射線科もしくは放射線治療科を標榜
制等)
・施設基準
(技術の専門性
等を踏まえ、必
要と考えられる
要件を、項目毎
に記載するこ
と)

放射線治療医(放射線治療の経験を5年以上有するものに限る。)を1名以上配置
人的配置の要件
専従の看護師及び専従の診療放射線技師がそれぞれ1名以上勤務
(医師、看護師等の職種や人数、専門 精度管理を専ら担当する技術者(放射線治療の経験を5年以上有するものに限る。)が1名以上勤務
性や経験年数等)
(現行通り)
がんの集学治療における放射線腫瘍学―医療実態調査研究に基づく放射線治療の品質確保に必要とされる基準構造― 日本PCS作業部会
その他
働省がん研究助成金計画研究班18-4
(遵守すべきガイドライン等その他の 外部放射線治療におけるquality Assuarance(QA)システムガイドライン
要件)
第2日目以降の看護師、診療放射線技師等による患者の観察については、照射毎に記録し、医師に報告すること(現行通り)

厚生労

⑥安全性
・副作用等のリスクの内容と頻度

有資格者の配置に対する加算により、がん看護専門看護師・がん放射線療法看護認定看護師が増加して、放射線治療における安全と安心を保証す
る体制と看護師によるエビデンスに基づいた患者の指導環境が整備され、放射線治療の副作用頻度が低下すると見込まれる。

⑦倫理性・社会的妥当性
(問題点があれば必ず記載)

問題なし

見直し前

297

見直し後

370

その根拠

外来での放射線療法中の患者のケアには看護師は必須であるため、現行の看護師による診療行為についての外来放射線照射診療料(297点)は
残し、更に技術を持っている認定看護師が専任でいる施設については、より高度な診療を提供できるため、その分を加算として算定する。
すなわち、現在の外来放射線照射診療料は7日間に1回297点算定可能で、外来診療料(73点)を毎日算定した場合の約4日分に相当する。がん看
護専門看護師・がん放射線療法看護認定看護師の配置により患者観察と適切な指導が十分に行われるようになった場合、毎日(週5回)診察を行
うのに相当する患者の安全と安心が得られると考えられ、週5回外来診療料を算定するのと同等の増点が適正と考えられる。

⑧点数等見直し
の場合

区分
⑨関連して減点
や削除が可能と
考えられる医療
技術(当該医療
技術を含む)



区分をリストから選択

番号



技術名



具体的な内容


減(-)

プラスマイナス

⑩予想影響額

予想影響額(円)

2,158,804,750

その根拠

現在、外来放射線照射診療料を算定されている患者が年間6.9万人いると推定され、うち2.5万人(124,925回)が今回提案の増点対象と考えられ
る。平均的な放射線治療で5週間(5回)算定されるとすると、本改訂により(3,700円-2,970円)×124,925=0.912億円が上乗せされる。
一方で、専従の看護師が適切に管理することで有害事象およびその予防のためのケアに対して適切な対処ができ、専従看護師が不在の場合に推定
される重篤な有害事象(発生率5%)の発生を2%に低減できると想定する。重篤な有害事象に対して必要となる医療費は300万円と想定する。年間
2.5万人×(5-2=3%)×300万円=22.5億円医療費が削減できる。
従って、22.5億円-0.912億円≒21.6億円の医療費が削減できると想定される。

備考



⑪算定要件の見直し等によって、新たに使用される医薬
品、医療機器又は体外診断薬



⑫その他

有資格者の配置に対する加算により、がん看護専門看護師・がん放射線療法看護認定看護師が増加して、外来放射線治療における安全と安心を保
証する体制が整備されると同時に、放射線治療領域におけるチーム医療体制がますます促進される。

⑬当該申請団体以外の関係学会、代表的研究者等

日本医学放射線学会、日本医学物理学会、日本放射線技術学会、日本診療放射線技師会、日本看護協会

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