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提案書12(2200頁~2401頁) (51 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000190899_00011.html
出典情報 中央社会保険医療協議会 診療報酬調査専門組織・医療技術評価分科会(令和5年度第1回 11/20)《厚生労働省》
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K047-3超音波骨折治療法のK081 1人工骨頭挿入術(肩)への適応拡大

【上腕骨近位端骨折(4part)の手術治療の現状】
4partは,上腕骨の近位が4骨片(①骨頭,②大結節,③小結節,④骨幹部)に分かれた状態(図1)。
→骨癒合に必要な血流が絶たれ、骨癒合を得にくい。

治療原則:K081 1人工骨頭挿入術(②大結節,③小結節,④骨幹部の糸やワイヤによる骨接合を追加)(図2).
問題点:腱板が付着する骨片を牽引する力(→)により、骨片間が離開し骨癒合を得にくく、
②大結節と④骨幹部の間の癒合不良は、骨吸収に至り、腱板の機能破綻を生じ、肩関節の挙上制限が問題

(約20~50%)(図3)。
→人工骨頭挿入術の成績は不安定で、肩関節の挙上制限が問題となりやすい(図4)。
→近年、65歳以上ではリバース型人工肩関節置換術(ガイドラインあり,実施可能医は限定)により良好な
治療成績が得られ、人工骨頭挿入術術後の不具合例に対する再手術としても行われている(図5)。
→リバース型は65歳未満は適応外で、実施可能医のいない施設では、成績の不安定な人工骨頭挿入術が
行われている。




図1

図2

対策:各骨片間に超音波骨折治療(LIPUS)を
術後早期より行い、速やかな骨癒合を図る(図6)

【K047-3超音波骨折治療(4,620点)の注,通
知】
大結節-骨幹部間の
注:骨折観血的手術等が行われた後に本区分が行われた場合に限り
骨癒合不良
算定する。
通知:超音波骨折治療法は、四肢(手足を含む。)の観血的手術、
骨切り術又は偽関節手術を実施した後に、骨折治癒期間を短縮する目的で、
当該骨折から3週間以内に超音波骨折治療法を開始した場合に算定する。

大結節の骨吸収で
腱板機能の破綻

図3

右肩挙上制限
図4

リバース型人工関節

図5

問題点:四肢(手足を含む。)の観血的手術は、過去を含めた注、通知の記載から、K046骨折観血的手術と解釈。
→人工骨頭挿入術(肩)への適応があるとは認識できない(故に過去に適応した報告はない)

【超音波骨折治療により期待される効果】



超音波骨折治療法は、骨癒合までの期間を短縮し、骨癒合を高確率(約90%)で期待できる。
超音波骨折治療の人工骨頭挿入術(肩)への適応追加が明記され、
本治療が術後早期より施行されれば、各骨片間の早期骨癒合により腱板の機能障害が回避され、
2250
肩関節機能の回復、医療費の削減(再手術の回避を含む)、早期社会復帰が期待される。

LIPUS

図6