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提案書12(2200頁~2401頁) (157 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000190899_00011.html
出典情報 中央社会保険医療協議会 診療報酬調査専門組織・医療技術評価分科会(令和5年度第1回 11/20)《厚生労働省》
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医療技術評価提案書(保険既収載技術用)
整理番号

352201

※事務処理用

提案される医療技術名
申請団体名

在宅経肛門的自己洗腸指導管理料(C119:800点)の適用拡大
日本大腸肛門病学会
18消化器外科

主たる診療科(1つ)

提案される医療
技術が関係する
診療科

20小児外科

関連する診療科(2つまで)

24泌尿器科

提案される医療技術又は提案される医療技術に類似した
医療技術の提案実績の有無



過去に提案した年度
(複数回提案した場合は、直近の年
度)
「実績あり」の
場合、右欄も記
載する

提案当時の医療技術名

令和4年度

在宅経肛門的自己洗腸指導管理料(C119:800点)の改正による「適用拡大」



追加のエビデンスの有無
診療報酬区分
診療報酬番号

再評価区分(複数選択可)


119
1-A

算定要件の見直し(適応)

1-B

算定要件の見直し(施設基準)

該当する場合、リストから○を選択

1-C

算定要件の見直し(回数制限)

該当する場合、リストから○を選択

2-A

点数の見直し(増点)

該当する場合、リストから○を選択

2-B

点数の見直し(減点)

該当する場合、リストから○を選択



項目設定の見直し

該当する場合、リストから○を選択



保険収載の廃止

該当する場合、リストから○を選択



新規特定保険医療材料等に係る点数

該当する場合、リストから○を選択



その他(1~5のいずれも該当しない)

該当する場合、リストから○を選択

「6
提案される医療技術の概要(200字以内)
文字数: 161

再評価が必要な理由



その他」を選んだ場合、右欄に記載

既収載技術であるC119在宅経肛門的自己洗腸指導管理料の保険適用の対象を、現行の「脊髄障害を原因とする難治性排便障害を有する患者」に加
え、「直腸肛門手術を原因とする難治性排便障害を有する患者」への保険適用拡大を要望する。但し、直腸手術後の患者では、コーンカテーテル
を使用した場合にのみ保険点数を算定可とすることを提案する。
現行の適用「3月以上の保存的治療によっても十分な改善を得られない、脊髄障害を原因とする排便障害を有する患者(直腸手術後の患者を除
く。)」に対して、臨床現場からの声を受けた5学会による共同提案であり、再評価が必要な理由は以下の通りである。
① 経肛門的自己洗腸は、直腸肛門手術後の難治性排便障害にも有効であり、便失禁診療ガイドラインにも治療の選択肢として記載されている
(※参考文献1)。有効な治療法の一つとして以下の患者に提供するために、保険適用を希望する。
・小児領域である鎖肛・ヒルシュスプルング病・総排泄腔遺残の直腸肛門手術後難治性排便障害
・直腸癌手術後の排便障害であるLARS(低位前方切除後症候群)
② 現行の適用である「(直腸手術後の患者を除く。)」の削除を希望
2017年に実施されたバルーンタイプカテーテルを用いた医師主導型臨床研究において、直腸手術後の患者で大腸穿孔を生じたため、薬事認証上は
適応であるものの、 2018年の保険収載時には「直腸手術後の患者を除く」の条件が付された。その直腸手術後の患者にも安全性の高いコーンタ
イプカテーテルが 2020年に薬事認証され、2021年2月から臨床で使用可能となった。
コーンタイプカテーテルを用いた自己洗腸では、海外でも本邦でも、大腸穿孔例は1例も報告されていない。
したがって、「脊髄障害または直腸肛門手術を原因とする難治性排便障害を有する患者(但し直腸手術後の患者では、コーンカテーテルを使用し
た場合にのみ保険点数を算定可とする)。」への保険適用拡大を要望する。

【評価項目】

①再評価すべき具体的な内容
(根拠や有効性等について記載)

【適用できる対象患者の拡大】
現行の適用では「脊髄障害を原因とする」ものであり、「直腸手術後の患者を除く」とされているが、これらの条件を再評価し、「脊髄障害また
は直腸肛門手術を原因とする難治性排便障害を有する患者(但し直腸手術後の患者では、コーンカテーテルを使用した場合にのみ保険点数を算定
可とする)」への対象拡大を希望している。
経肛門的自己洗腸療法(以下、本療法)を実施している施設では、現行の保険適用である脊髄障害による排便障害患者だけでなく、様々な難治性
排便障害を診ている。特に二分脊椎を多く診察している小児領域においては、先天性疾患の直腸肛門手術後の排便障害患児への使用希望の声があ
がっている。しかしながら、保険適用外のために、本療法の提供が困難となっている。英国の国立医療技術評価機構が2018年に発刊した本療法の
ガイダンスは2022年に改訂され、全員ではないものの、本療法が合う方には、QOLの向上、臨床効果だけでなく、医療経済的な改善も示唆されて
いる。特に小児の場合には、臨床研究の実施に限界があるものの、社会生活への参加や自立の促進に役立っていると言及している(※参考文献
2)。
また、直腸癌においても、外科的に癌を切除できたものの、直腸手術後の排便障害(頻便、便失禁)にて、著しく生活の質が下がっているLARS患
者が多数存在し、本療法の使用を望んでいる。薬事的には認証範囲であったにも拘わらず、直腸手術後の患者が保険適用から除かれた背景には、
重篤な有害事象である大腸穿孔を懸念したと推察される。そこで、LARS患者を対象にした、大腸穿孔を起こすリスクが極めて少ないコーンタイプ
のカテーテルが薬事認証され、2021年2月から使用可能となった。コーンカテーテルはバルーンを有さず、またカテーテルの先端が肛門管上縁を
わずかに超える程度に設計されているため、カテーテル先端による直腸損傷を生じる危険性が低いと考えられる。2023年3月現在で、現在の適応
である脊髄障害の患者でバルーンカテーテルがうまくいかなかった15例の患者に実施している。今のところ、コーンカテーテルを使用したことに
よる有害事象の報告はない。直腸手術後の患者に対しては、2023年2月から自治医科大学で観察研究を開始し、安全性を確認していく。海外でも
2020年からコーンカテーテルを使用しており、直腸手術後の患者を対象に使用されているが、大腸穿孔の報告はない。よって、この製品をもっ
て、直腸手術後の排便障害に関して適用拡大を希望する。

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