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提案書12(2200頁~2401頁) (107 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000190899_00011.html
出典情報 中央社会保険医療協議会 診療報酬調査専門組織・医療技術評価分科会(令和5年度第1回 11/20)《厚生労働省》
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医療技術評価提案書(保険未収載技術用)
整理番号

※事務処理用

提案される医療技術名
申請団体名

350101
起立性低血圧予防訓練(脊髄損傷患者)
日本脊髄障害医学会
30整形外科

主たる診療科(1つ)
提案される医療
技術が関係する
診療科

36リハビリテーション科
関連する診療科(2つまで)
24泌尿器科

提案される医療技術又は提案される医療技術に類似した医
療技術の提案実績の有無



過去に提案した年度
(複数回提案した場合は、直近の年度)
「実績あり」の
提案当時の医療技術名
場合、右欄も記
載する

令和4年度
起立性低血圧予防訓練(脊髄損傷患者)



追加のエビデンスの有無

提案される医療技術の概要
(200字以内)

受傷直後から適切な病態把握に基づく積極的な理学的介入(座位・立位訓練や弾力包帯・腹帯の着用)により、脊髄損傷(以
下、脊損)に起因する起立性低血圧の重症化予防ならびに自律神経機能障害の保存的治療の役割を担う。

文字数: 104
対象疾患名

保険収載が必要な理由
(300字以内)

脊髄損傷による起立性低血圧

脊損患者への起立性低血圧予防訓練は未収載である。第5胸髄より高位脊損では起立性低血圧の出現は必至で、脊損による自
律神経機能障害の一臨床症状である。起立性低血圧を含む脊損での心血管系の制御障害が、認知機能障害に影響を与えるとさ
れる(※4)。本邦の脊損発症時平均年齢は70歳で、多くの患者が受傷前より認知機能障害のリスクを有しており、受傷後さ
らに高まることが懸念される。また脊損後の心血管疾患リスクは約3倍、脳卒中リスクは4倍高いことされる(※5)。起立性
低血圧は、薬理学的介入のみならず早期からの適切な理学的介入により重症化を防ぐことが可能である。

文字数: 274
【評価項目】
①提案される医療技術の対象
・疾患、病態、症状、年齢等

脊髄損傷による起立性低血圧(頭部挙上時の血圧低下 >/=20/10mmHg)および安静時低血圧(収縮期90mgHg以下)を呈する患
者:定義はいずれも「脊損後の自律神経機能評価のための国際基準(ISAFSCI)」による:Wecht JM et a. Using the
autonomic standards to assess orthostatic hypotension in persons with SCI: a case series. Spinal Cord Series and
Cases 2017:3:17087
1 脊損に熟知した専門医による病態把握と、医師の指導を受けた看護師による技術提供が必要。

②提案される医療技術の内容
・方法、実施頻度、期間等
(具体的に記載する)

2 技術内容の具体例
受傷直後の可及的早期から、ベッドの背上げや離床、弾性ストッキングや腹帯着用を実施する。
(1)ベッドの背上げ:食事・経管栄養摂取時の処置時、処置開始1-30分前に段階的に背上げ。
所要時間:5-30分、1日回数:3回、人員:看護師1名
(2)車椅子後傾またはベッドに戻す。血圧低下時車椅子を後方に倒し下肢挙上、血圧上昇困難時ベッドに戻す。
所要時間:30分程度 症状回復まで数回血圧測定、改善後30分の安静時間後再度測定。1日回数:3-5回。頭位変換による
異常高血圧を呈した場合速やかに治療する。
人員:医師1名、看護師2-4名
(3)腹帯・弾性ストッキング着用。症状繰り返す場合着脱。所要時間:5分、1日回数:2回、人員:看護師1-2名
3 算定期間

区分
③対象疾患に対
して現在行われ
ている医療技術
(当該医療技術
が検査等であっ
て、複数ある場
合は全て列挙す
ること)

発症から1週間以内に開始したもので、8週間に限り請求できる。


番号
医療技術名

001 3(Ⅲ)
脳血管疾患等リハビリテーション料(Ⅲ)

既存の治療法・検査法等の内容

保険未収載のため該当するものはないが、今回脊髄障害医学会で検討した結果、技術度はC(専門医相当)が妥当であり、医師1
名の関与時間は10分/日、看護師4名の関与時間は150分/日が妥当と結論。

④有効性・効率性
・新規性、効果等について③との比較
・長期予後等のアウトカム

受傷後超急性期から積極的に起坐・離床・起立訓練を実施すると、車椅子生活に支障を来すほどの重症例は稀であるとされる
(芝啓一郎ら、脊椎脊髄損傷アドバンス、南江堂、2006. pp.153-154)。重篤な起立性低血圧を回避することで、早期離床が可
能となり、リハビリテーションの訓練効果が上昇する。また入院期間中に心血管系調整障害への介入を開始することで、入院
期間中ならびに退院後に生じうる、慢性的脳血流障害による認知機能障害発生および動脈硬化由来の合併症発生のリスク低減
につながりうる。(※4、5)

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