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提案書12(2200頁~2401頁) (122 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000190899_00011.html
出典情報 中央社会保険医療協議会 診療報酬調査専門組織・医療技術評価分科会(令和5年度第1回 11/20)《厚生労働省》
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医療技術評価提案書(保険未収載技術用)
整理番号

※事務処理用

提案される医療技術名
申請団体名

351101
腰椎固定術(ロボット支援)
日本脊椎脊髄病学会

主たる診療科(1つ)
提案される医療
技術が関係する
診療科

30整形外科
29脳神経外科

関連する診療科(2つまで)
00なし

提案される医療技術又は提案される医療技術に類似した医
療技術の提案実績の有無



過去に提案した年度
(複数回提案した場合は、直近の年度)

リストから選択

「実績あり」の
提案当時の医療技術名
場合、右欄も記
載する


追加のエビデンスの有無
提案される医療技術の概要
(200字以内)

腰椎固定術が必要な患者に対して、ロボットアームガイド下に椎弓根スクリュー等のインプラントを設置し、腰椎を固定す
る。

文字数: 57
対象疾患名

保険収載が必要な理由
(300字以内)

文字数: 277

腰部脊柱管狭窄症、腰椎すべり症、腰椎椎間板ヘルニア、椎体骨折、脊椎腫瘍、脊椎炎
現在、腰椎に不安定性を有する腰部脊柱管狭窄症などの腰椎疾患の患者に対しては、腰椎固定術が実施されている。これら
の治療は一定の有効性がある一方で、腰椎固定術に使用される椎弓根スクリューの設置の安全性については、神経障害によ
る再手術といった問題も指摘されていた。
椎弓根スクリューを設置するための手術用ロボットナビゲーションユニットが、2020年1月に薬事承認された。海外の文献
において、本治療法はスクリュー設置の正確性が高く、また、合併症が少ないことが報告されている。安全で合併症が少な
い、既存方法に代わる治療法として、保険収載の必要性があると考えられる。

【評価項目】
①提案される医療技術の対象
・疾患、病態、症状、年齢等

以下の要件を満たす腰椎固定術が必要な患者
・腰椎に不安定性を有する。
・インプラントが設置可能である。
主に腰部脊柱管狭窄症、腰椎すべり症、腰椎椎間板ヘルニア、椎体骨折、脊椎腫瘍、脊椎炎といった疾患が対象となる。

②提案される医療技術の内容
・方法、実施頻度、期間等
(具体的に記載する)

ロボットアームガイド下に椎弓根スクリュー等のインプラントを設置し、ロッドで連結することにより腰椎を固定する。通
常、患者1人につき手技は1度であるが、まれにインプラントの転位を認めた場合には複数回実施されることもある。状態が
安定していれば、術後10日程度で退院可能である。

③対象疾患に対
して現在行われ
ている医療技術
(当該医療技術
が検査等であっ
て、複数ある場
合は全て列挙す
ること)

区分



番号
医療技術名

142 2、142 3、142 4
脊椎固定術 後方又は後側方固定、脊椎固定術

既存の治療法・検査法等の内容

全身麻酔下に腰部を切開し、腰椎に椎弓根スクリュー等のインプラントを設置することで腰椎を固定する。椎弓根スク
リューは、X線イメージガイド下もしくはイメージガイドなしにフリーハンドによる方法で設置される。椎弓根の内側には
神経組織が存在し、椎弓根または椎体の外側には内臓・大血管が存在するため、椎弓根スクリューの骨から逸脱は神経損傷
や内臓・大血管損傷などの重篤な合併症を起こす可能性がある。

④有効性・効率性
・新規性、効果等について③との比較
・長期予後等のアウトカム

研究結果
⑤ ④の根拠と
なる研究結果等

後方椎体固定、脊椎固定術

前方後方同時固定

フリーハンドでの従来法と比較して、ロボット支援による方法が椎弓根スクリュー設置の正確性が高く(オッズ比1.68)、
合併症が少ない(オッズ比0.31)。さらに、1-3椎間のロボット支援による腰椎後方固定術を受けている患者は、90日間の
合併症率が増加せず、ロボット支援を受けていない患者と比較して有意に入院期間が短い。ロボット脊椎手術の適用は、再
手術の減少、感染率の減少、入院期間の減少、および手術時間の短縮をもたらし、費用削減につながることが見込まれる。
19論文のメタアナリシスにおいて、フリーハンドでの従来法と比較して、ロボット支援による方法が椎弓根スクリュー設置
の正確性が高く(オッズ比1.68)、合併症が少ない(オッズ比0.31)(※参考文献1 Spine J. 2021;21:181-192)。
傾向スコアマッチングによる比較で、変性疾患に対して 1-3椎間のロボット支援による腰椎後方固定術を受けている患者
は、90日間の合併症率が増加せず、ロボット支援を受けていない患者と比較して有意に入院期間が短い(※参考文献2
Spine (Phila Pa 1976) 2021;47:195-200) 。
ロボット脊椎手術の適用は、再手術の減少、感染率の減少、入院期間の減少、および手術時間の短縮をもたらす可能性があ
り、費用削減につながる(※参考文献3 Neurospine. 2018;15:216-224)。
1a

ガイドライン等での位置づけ

⑥普及性

年間対象患者数(人)
国内年間実施回数(回)

※患者数及び実施回数の推定根拠等

当該技術であるロボット支援による腰椎固定術は、新規技術のた
ガイドライン等での記載なし(右欄にガイドライン等の め日本整形外科学会・日本脊椎脊髄病学会監修の腰部脊柱管狭窄
改訂の見込み等を記載する。)
症ガイドラインにおいては記載がないが、今後の普及に伴い記載
される可能性がある。
47,910
479
厚生労働省の示す第7回NDBオープンデータでは、脊椎固定術(前方椎体固定、後方又は後側方固定、後方椎体固定、前方後
方同時固定)は年間65,096件(2020年度)施行された。日本脊髄脊椎病学会の報告では、脊椎手術における腰椎手術(胸腰
椎、胸腰仙椎、腰仙椎を含む)の割合は73.6%とされている(※参考文献5 J. Spine Res. 4:1367-1379, 2013)。当該技術
はまだ新規であるので、現在行われている腰椎固定術のうち1%程度で当該技術が実施されると考えられる。
以上から
65,096×0.736×0.01=479

2321