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最終評価報告書 第3章(Ⅱ5~Ⅳ) (235 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_28410.html
出典情報 健康日本21(第二次)最終評価報告書を公表します(10/11)《厚生労働省》
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2.全体の評価と今後の課題
健康⽇本 21(第⼆次)では、5つの基本的な⽅向にそって、53 項⽬の具体的な⽬標を設定
し、⽬標達成に向けて、ポピュレーションアプローチ、ハイリスクアプローチの両⽅の観点から、健康づくり
に関する取組を推進してきた。健康⽇本 21(第⼆次)では⽣活習慣等の改善とともに、健康格差
の縮⼩や社会環境の整備が基本的な⽅針に位置づけられ、具体的な⽬標としても設定されたことが
特徴であった。
最終評価では全 53 項⽬中、⽬標に達した項⽬は8項⽬、改善傾向にある項⽬は 20 項⽬であ
った。なかでも基本的な⽅向1の「健康寿命の延伸・健康格差の縮⼩」に関する⽬標は、⽣活習慣
の改善や社会環境の整備等、その他の基本的な⽅向2〜5に基づく⽬標の達成によって実現され
る最終⽬標と位置づけているが、健康寿命の延伸に関しては男⼥ともに⽬標を達成しており、国⺠の
健康増進の総合的な推進を図る本計画は全体として前進しているものと考えられる。⼀⽅、健康寿
命の都道府県格差(最⻑県と最短県の差)は⼥性では拡⼤しており、指標の設定について検討す
るとともに、引き続き課題として対策を検討していく必要がある。
その他、個別の⽬標項⽬においては、過半数の項⽬においてベースラインからの改善は⾒られたが、
⽬標年度までに⽬標到達が危ぶまれるものや、変化がないもの、悪化したものも⾒られ、⽬標項⽬の
全てが順調に改善しているわけではない。D評価となった⽬標項⽬は「メタボリックシンドロームの該当
者及び予備群の減少」「適正体重の⼦どもの増加」「睡眠による休養を⼗分とれていない者の割合の
減少」「⽣活習慣病のリスクを⾼める量を飲酒している者の割合の減少」の4つであり、⽬標項⽬の
下の項⽬・指標レベルでの評価も含め、肥満に係る項⽬や個⼈の⽣活習慣に係る項⽬に悪化を認
めた。
基本的な⽅向ごとにみると、栄養・⾷⽣活、⾝体活動・運動、休養、飲酒等の健康増進の基本
要素となる⽣活習慣に関する⽬標や、脂質異常症、糖尿病等の⽣活習慣病、特にそれらの発症・
重症化予防に関する⽬標において改善が認められない項⽬(C評価⼜はD評価)が多い傾向が
⾒られた。これらの⽬標は健康⽇本 21 から継続して掲げられている項⽬も多く、⻑期的な課題となっ
ていると考えられること、また、その他全体の⽬標の進捗にも影響を及ぼすことから、特に注視する必要
があると考える。
⼀⽅で、健康⽇本 21(第⼆次)においては社会環境の整備に関する⽬標がより明確に定めら
れている。これは、「個⼈の健康は、家庭、学校、地域、職場等の社会環境の影響を受けることから、
社会全体として、個⼈の健康を⽀え、守る環境づくりに努めていくことが重要である」という考えに基づ
いている。個⼈の⽣活習慣や⾏動が結果の反映に⼤きく影響する⽬標については、個⼈が⾃ら気が
ついて⾏動に移すことが可能である健康課題だけでなく、個⼈のみでは気がつきにくい課題や、周囲の
環境による要素が⼤きく、仮に気がついたとしても、個⼈の⼒だけでは取り組むことが困難な課題も含
まれていることが想定される。個々の⽣活様式や社会経済状況が多様化している現代において、性
別や世代、居住地域や、健康づくりへの関⼼の有無等にかかわらず、⼀⼈⼀⼈が⾃らの健康課題に
取り組むことが可能な社会の構築を図ることが、個⼈の⽣活習慣や⾏動に関わる⽬標の進捗や健康
格差や縮⼩にもつながると考え、今後この領域の適切な指標を検討していくとともに、対策を進めてい
く必要がある。

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第3章 Ⅳ