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提案書17(3200頁~3401頁) (53 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000190899_00011.html
出典情報 中央社会保険医療協議会 診療報酬調査専門組織・医療技術評価分科会(令和5年度第1回 11/20)《厚生労働省》
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医療技術評価提案書(保険既収載技術用)
整理番号

441205

※事務処理用

提案される医療技術名
申請団体名

ブリッジの支台装置としての第二小臼歯レジン前装冠
公益社団法人日本補綴歯科学会
37歯科・歯科口腔外科

主たる診療科(1つ)

提案される医療
技術が関係する
診療科

00なし

関連する診療科(2つまで)

00なし

提案される医療技術又は提案される医療技術に類似した
医療技術の提案実績の有無
過去に提案した年度
(複数回提案した場合は、直近の年
「実績あり」の 度)
場合、右欄も記 提案当時の医療技術名
レジン前装金属ポンティックの小臼歯部への適用
載する
診療報酬区分

再評価区分(複数選択可)

提案される医療技術の概要(200字以内)

平成28年度



追加のエビデンスの有無

診療報酬番号




11
1-A

算定要件の見直し(適応)

1-B

算定要件の見直し(施設基準)

該当する場合、リストから○を選択



1-C

算定要件の見直し(回数制限)

該当する場合、リストから○を選択

2-A

点数の見直し(増点)

該当する場合、リストから○を選択

2-B

点数の見直し(減点)

該当する場合、リストから○を選択



項目設定の見直し

該当する場合、リストから○を選択



保険収載の廃止

該当する場合、リストから○を選択



新規特定保険医療材料等に係る点数

該当する場合、リストから○を選択



その他(1~5のいずれも該当しない)

該当する場合、リストから○を選択

「6

その他」を選んだ場合、右欄に記載

現在、金属をベースに製作する歯冠のレジン前装は,前歯部,ブリッジの支台歯となる第一小臼歯,および欠損部のポンティックとなる第二小臼
歯と第一大臼歯が対象とされている。しかし、ブリッジの支台装置となる第二小臼歯も審美的な需要が高い部位であり,患者のQOLの向上のため
に、レジン前装金属冠をブリッジの支台装置として,第二小臼歯へ適用拡大することを提案する。

文字数: 175

再評価が必要な理由

第二小臼歯は第一小臼歯と同様に患者の審美的要求の高い部位であり、現在も単冠ではCAD/CAM冠を用いて審美的な医療技術が適用されている。
しかしながら、ブリッジの支台歯装置としては第一小臼歯のレジン前装冠は認められているものの、第二小臼歯については全部金属冠の使用しか
認められておらず、第一大臼歯がポンティックとして前装された場合,違和感のある構成となり,患者の満足度やQOLの向上が十分に図れている
とはいえない。現在、審美性のあるブリッジによる治療では,高強度レジンブリッジも保険適用であるものの、強度的な問題から適応症例が限ら
れ,歯科用金属アレルギー患者を除いて第一大臼歯欠損のブリッジでしか使用できない.このため,より適応症例が多いレジン前装金属冠の保険
適用拡大が望まれ、ブリッジの支台装置としての第二小臼歯のレジン前装冠を提案する。本件は,現在の金属材料価格の高騰に対して、製作に必
要な金属量を減らす一助となり、経済的な負担の軽減にもつながる。

【評価項目】

①再評価すべき具体的な内容
(根拠や有効性等について記載)

平成29年度から令和3年度の社会医療診療行為別統計の6月審査分よれば、小臼歯における全部金属冠は大幅に減少傾向であり(H29:294,652回
→R3:185,942回/金属歯冠修復 全部金属冠 金銀パラジウム合金 小臼歯・前歯 材料,の項で確認)、CAD/CAM冠は増加傾向(H29:118,806
回→R3:164,063回/CAD/CAM冠用 材料ⅠとⅡの項を合算)である。さらに小臼歯のレジン前装金属ポンティックも増加傾向
(H29:22,060→R3:53,044/レジン前装金属ポンティック 金銀パラジウム合金 小臼歯 材料,の項で確認)であり,これは、小臼歯部が機能
時に露出することが多いため,審美的要求度が高いことを示している。
単冠の場合はCAD/CAM冠が適用できることから,現状で第二小臼歯に対して審美性に配慮できないケースはブリッジの支台装置となった場合のみ

である。いままでに第一小臼歯のレジン前装冠では特に大きなトラブル等は報告されておらず、第二小臼歯への適用についても同様に問題はない
と考えられるため、適応範囲について再評価が必要と思われる。これにより,ブリッジ治療における患者の審美的な不利益を解決することができ
ると共に、金属使用量が減らせることから,金銀パラジウム合金の価格高騰による経済的問題への対策の一助にもなる.
以上の事から、ブリッジにおける支台装置として,第二小臼歯部にレジン前装金属冠の適用を拡大することにより、前歯部から小臼歯部までの審
美的要求度が高い部位の被覆冠を用いた治療に対して,審美性を確保できる治療の選択肢が出揃い,患者の満足度とQOLの向上につながるものと
考えられる。

②現在の診療報酬上の取扱い
・対象とする患者
・医療技術の内容
・点数や算定の留意事項

対 象 患 者:第二小臼歯を支台歯とするブリッジを装着する患者
医療技術の内容:ブリッジの支台歯となる第二小臼歯のレジン前装金属冠
点数や算定の留意事項:・第一小臼歯を支台歯とするブリッジの場合と同様の取り扱いである。
・レジン前装金属冠とは、全部鋳造方式で製作された歯冠修復物の唇面又は頬面を硬質レジンで前装したものをいい、前歯又はブリッジの支台歯
となる第一小臼歯に限り認められる。ブリッジの支台歯として第一小臼歯の歯冠形成を行った場合は、1歯につき生活歯は区分番号M001に掲
げる歯冠形成の「1のイ 金属冠」、区分番号M001に掲げる歯冠形成の「注1」及び「注3」の加算点数を、失活歯は区分番号M001に掲
げる歯冠形成の「2のイ 金属冠」、区分番号M001に掲げる歯冠形成の「注1」、「注6」及び「注7」の加算点数を算定する。

診療報酬区分(再掲)



診療報酬番号(再掲)

11

医療技術名

③再評価の根
拠・有効性

レジン前装金属冠
前装に使用されるコンポジットレジンの材料学的発達や金属との接着強さの確立などから,高い信頼性が明らかになっている(J Oral Sci、
2008、3、50、113-6)。歯科治療における審美性への要求が高まっている現状を鑑みると、第二小臼歯部までレジン前装金属冠を適応することに
治癒率、死亡率やQOLの改善等の長期予 より、患者の満足度やQOLが向上する。
レジン前装冠を支台歯に使用したブリッジについては10年で88%、15年で68%の生存率という報告があり、従来型や陶材焼付金属ブリッジなどと比
後等のアウトカム
較してほぼ同等のデータが示されている(補綴装置失敗のリスクファクターに関する文献的レビュー.J Jpn Prosthodont Soc 51: 206-
221,2007.)。第二小臼歯に限定したデータは存在しないが、構造的に同等であることから、同様の予後が推察される。

ガイドライン等での位置づけ

④普及性の変化
※下記のように推定した根拠

日本補綴歯科学会をはじめとして,この分野の関連学会において,レジン前装冠に関する
ガイドライン等での記載なし(右欄にガイドライン等 ガイドラインが存在しない.これは,すでに長期にわたり臨床応用された信頼性の高い技
の改訂の見込み等を記載する。)
術であり,特別な技術を要するものではないため,今後もガイドライン等が発行される可
能性は低いと考えられる.

令和3年度の社会医療診療行為別統計の6月審査分よれば、小臼歯における全部金属冠は185,942回である.前年から同程度の数字に落ち着いたこ
とを見ると,これは第二小臼歯のブリッジの支台装置と,部分床義歯の鉤歯となる連結冠や単冠が含まれた数と推察できる.そこで,仮にこの数
の半分がブリッジの支台装置と仮定し,さらにその半分がレジン前装金属冠に移行すると仮定すれば,185,942回×12ヶ月÷4=557,826回が年間
の実施回数と推定する.複数のブリッジが同一の患者に装着されることはありうるが,ここでは症例数も同数と見做して推定する.

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