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提案書17(3200頁~3401頁) (117 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000190899_00011.html
出典情報 中央社会保険医療協議会 診療報酬調査専門組織・医療技術評価分科会(令和5年度第1回 11/20)《厚生労働省》
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【評価項目】

①再評価すべき具体的な内容
(根拠や有効性等について記載)

認知症は、後天的に生じた脳の変性により持続性に認知機能の低下が生じ、日常生活機能の低下をきたす病態を起こす疾患群である。認知症発症
により自発的な清潔行動が障害されることから、口腔衛生状態は悪化し、健常者より齲歯が多く、また歯周病も多い。(認知症疾患診療ガイドラ
イン、認知症歯科診療ガイドライン、Edahiro 2021)認知症発症により歯科治療が途絶えてしまうこと、認知症重度化により介入の意味を理解で
きずに拒否を示すことで治療が出来なくなること、その結果放置せざるを得ない、あるいは緊急的に全身麻酔下で治療せざるを得ないケースが報
告されている(Jockusch2020)。認知症は歯科治療ニーズに対してオッズ比2.63倍の関与があることが示されている(morishita2016)。日本老
年歯科医学会は「認知症患者の歯科的対応及び歯科治療のあり方:学会の立場表明2015.6.22版」において、これらの様に悪化する前に予防的に
口腔衛生管理を継続的に認知症患者に提供することを推奨している。歯科医師の認知症対応力向上研修の受講者は令和3年度までで18,600名いる
が、診療実態に即した評価はなされていなかった。本技術の対象疾患に認知症を追加することにより、認知症医療に関連した医科歯科連携に基づ
き、認知症患者に対する継続的な歯科疾患管理が評価されることで、認知症患者の口腔管理が促進される。

②現在の診療報酬上の取扱い
・対象とする患者
・医療技術の内容
・点数や算定の留意事項

現在の診療報酬上は「糖尿病の患者、骨吸収抑制薬投与中の患者、感染性心内膜炎のハイリスク患者、関節リウマチの患者、血液凝固阻止剤投与
中の患者又はHIV感染症の患者」が対象となっている。認知症は含まれていない。医療技術の内容は、当該医療に関連した医科歯科連携に基づ
き、対象疾患患者に対する継続的な歯科疾患管理を行うことである。算定の留意事項は、現在の診療報酬上の扱いに準じる。


診療報酬区分(再掲)
診療報酬番号(再掲)

B000-4

医療技術名

総合医療管理加算(歯科疾患管理料)
治癒率、死亡率やQOLの改善等の長期予 認知症医療に関連した専門医療機関との文書による医科歯科連携を行ったうえで継続的な口腔管理を行うことは認知症患者のQOL改善に効果があ
る。
後等のアウトカム

③再評価の根
拠・有効性
ガイドライン等での位置づけ

④普及性の変化
※下記のように推定した根拠

認知症疾患診療ガイドライン2017(日本神経学会監修,医学書院,2017)
ガイドライン等での記載あり(右欄に詳細を記載す
認知症の人への歯科治療ガイドライン(日本老年歯科医学会監修,医歯薬出版株式会社,
る。)
2019)

令和2年の人口推計における65歳以上の者(3600万人)と、東京都における認知症の日常生活自立度Ⅱ以上のものを根拠に年齢階級別に全国の該
当者を算出すると、65歳以上の認知症日常生活自立度Ⅱ以上の者は373万人程度と推計される。令和2年介護保険事業状況報告から68%程度が在宅
療養中であり、自宅に居住している認知症患者の歯科受診頻度を参考文献を基に考慮すると、年間最低一回歯科受診する可能性のある在宅療養中
の認知症患者は100,000人程度と推計される。糖尿病は認知症の最大のリスクファクターであること、認知症患者の30%程度は脳血管障害後遺症
であり抗凝固療法使用中である可能性があることを考慮して現行の対象疾患で重複する者を半数程度と見込み、3か月に一回受診する可能性およ
び歯科疾患管理料算定対象のうち総合医療管理加算の算定率(0.5%)を考慮しても750件/年の増加と見込める。

見直し前の症例数(人)

65歳以上の総合医療管理加算の算定数は年間約231,468件(19,289件×12月)と推計される(令和3年社会医療診療行為別統計 診療行為の状況
歯科診療より令和3年5月の65歳以上の総合医療管理加算の算定件数が19,289件である事から、年間231,468件と推定される)

見直し後の症例数(人)

(65歳以上において)(65歳以上において)見直し後0.3%ほど総合医療管理加算の算定件数が増加すると考えられ、232,218件程度と予想される

見直し前の回数(回)

(65歳以上において)月一回の算定であるので231,468回/年

見直し後の回数(回)

(65歳以上において)月一回の算定であるので232,218回/年程度

年間対象者数の
変化

年間実施回数の
変化等

⑤医療技術の成熟度
・学会等における位置づけ
・難易度(専門性等)

・施設基準
(技術の専門性
等を踏まえ、必
要と考えられる
要件を、項目毎
に記載するこ
と)

認知症施策推進大綱に記されるように、全国で歯科医師の認知症対応力向上研修が行われている。日本歯科医師会においても認知症対応が可能な
歯科医師の育成・教育を推進しており、研修終了した歯科医師が増加しつつある。これまでも研修未受講歯科医師であっても認知症患者の歯科受
診対応は実際に行われていることから、専門性を鑑みても難易度は中等度である。

施設の要件
(標榜科、手術件数、検査や手術の体
制等)

標榜科は歯科、口腔外科

人的配置の要件
(医師、看護師等の職種や人数、専門
性や経験年数等)

要件なし

その他
(遵守すべきガイドライン等その他の
要件)

認知症の人への歯科治療ガイドライン(日本老年歯科医学会監修,医歯薬出版株式会社,2019)

⑥安全性
・副作用等のリスクの内容と頻度

副作用のリスクはない

⑦倫理性・社会的妥当性
(問題点があれば必ず記載)

認知症患者の歯科疾患管理における適切な合理的配慮は倫理的に妥当である。積極的に医科歯科連携を行って認知症患者の歯科疾患管理を推進す
ることは、社会的に望まれていることであり社会的妥当性が高い。

⑧点数等見直し
の場合

見直し前

特になし

見直し後

なし

その根拠

なし

区分
⑨関連して減点
や削除が可能と
考えられる医療
技術(当該医療
技術を含む)

なし

区分をリストから選択

番号
技術名

なし
なし

具体的な内容

特になし

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