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2 先進医療Bに係る新規技術の科学的評価等について(別紙2)[3.7MB] (31 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000205617_00111.html
出典情報 先進医療会議(第149回 12/4)《厚生労働省》
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【別添2】
「切除可能膵癌に対する術前ゲムシタビン+S-1 療法/術後 S-1 療法と
周術期ナノリポソーム型イリノテカン+オキサリプラチン+S-1 併
用療法」の期待される適応症、効能及び効果(申請書類より抜粋)
3.期待される適応症、効能及び効果
適応症:切除が可能な膵臓がん
効能・効果:術前あるいは術後補助療法
1. 従来の標準治療と当該技術の有効性
本試験の対象である切除可能膵癌は、Prep-02/JSAP-05 試験の結果により、術前ゲムシタビン+S-1
(GS)療法+手術+術後 S-1 療法が標準治療となった。本試験対象における術前化学療法の有効性を
示した報告は、この報告以外ない。一方で、切除不能膵癌においては、従来の標準治療であったゲム
シタビン(GEM)療法との比較試験の結果を基に GS 療法ではなく、GEM+ナブパクリタキセル(nabPTX)療法と modified FOLFIRINOX(フルオロウラシル(5-FU)+レボホリナート(LV)+イリノテカ
ン+オキサリプラチン)療法が標準治療として広く用いられている。また、近年 NalIRIFOX 療法の
GEM+nab-PTX 療法に対する全生存期間での優越性が示されている。NalIRIFOX(ナノリポソーム型イ
リノテカン+5-FU+LV+オキサリプラチン)療法の 5-FU 持続点滴と LV 点滴を内服抗がん薬である S1 に換えた NASOX 療法は韓国での第 I/II 相試験で高い奏効割合が示されており、周術期化学療法にお
いても、NASOX 療法の全生存期間が現在の標準治療である術前 GS 療法+術後 S-1 療法より有意に長い
ことが期待される。
2. 申請医療機関等における実績
現在、申請医療機関である国立がん研究センター東病院において、切除可能膵癌に対して試験治療
と全く同一の治療レジメンである周術期 NASOX 療法の使用実績はない。そのため、本試験においては
申請医療機関である国立がん研究センター東病院にて計 3 例の安全性を確認した後に施設拡大を行
う。
3. 文献などにおいて示された有効性
本邦で行われた Prep-02/JSAP-05 試験は、切除可能膵癌において、手術先行群の全生存期間に対す
る術前 GS 療法群の優越性を示した。一方で、これまで周術期 NASOX 療法の有効性を示した報告はな
い。切除不能膵癌に対しては、MPACT 試験により GEM+nab-PTX 療法の GEM 療法に対する全生存期間で
の優越性が示され、さらに NAPOLI-3 試験により NalIRIFOX 療法の GEM+nab-PTX 療法に対する全生存
期間での優越性が示されている。一方、GEST 試験では、全生存期間における GS 療法の GEM 療法に対
する優越性は明らかではなかった。NalIRIFOX 療法における 5-FU 持続点滴と LV 点滴を内服抗がん薬
である S-1 に換えた NASOX 療法は切除不能膵癌に対して韓国で実施された第 I/II 相試験で奏効割合
58.5%、PFS 中央値 7.0 か月、OS 中央値 12.6 か月と NalIRIFOX 療法と同様に有望な結果であった。
以上より、周術期 NASOX 療法は術前 GS 療法+術後 S-1 療法よりも優れた予後延長効果を示すことが期
待される。

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