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2 先進医療Bに係る新規技術の科学的評価等について(別紙2)[3.7MB] (17 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000205617_00111.html
出典情報 先進医療会議(第149回 12/4)《厚生労働省》
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先進医療審査の事前照会事項に対する回答4

先進医療技術名:切除可能膵癌に対する術前ゲムシタビン+S-1 療法/術後 S-1 療法と周術期ナノリポ
ソーム型イリノテカン+オキサリプラチン+S-1 併用療法
2025 年 8 月 25 日
所属・氏名:国立がん研究センター東病院 肝胆膵内科 池田 公史

1. 第 2 相部分では、症例を 2 群にランダム割付しているものの、主要仮説は「試験治療(術前
NASOX 療法+手術+術後 NASOX 療法)の治療完遂割合が 30%以下ではない」とされており、試
験治療群のみを対象に評価するデザインとなっている。第 2 相部分において偶然に治療完遂が困難
な症例が登録される可能性があることを踏まえ、群間比較を主要評価とせず、試験治療群単独で評
価することの妥当性についてご説明ください。
【回答】
貴重なご指摘ありがとうございます。A 群の治療完遂割合を評価項目に加えなくて良いと考えた理由、
および、治療完遂割合を A 群との相対比較ではなく B 群のみで判断するという解析方法についてのプロ
トコールで定めている取り扱い方針の補足説明の 2 つに分けてご説明いたします。
まず、ランダム化パートの第 II 相部分にて A 群の治療完遂割合を評価項目に加えていない理由は以下
の 2 点です。
1 点目は A 群と同じ「術前 GS 療法+手術+術後 S-1 療法」を実施した場合の治療完遂割合が本邦に
おける第 III 相試験(Prep-02/JSAP-05 試験)で評価されていること、2 点目はその結果を基に現在、国
内では A 群の治療が標準治療として広く用いられていることです。
従って、B 群の治療完遂割合が過去の膵癌周術期治療の報告を基に設定した閾値を下回らなければ、
群間比較をせずとも、第III相部分へ移行するかどうかの意思決定は可能と考えています。
次に、治療完遂割合を A 群との相対比較ではなく B 群のみで判断するという解析方法についてのプロト
コールで定めている取り扱い方針について背景も含めご説明いたします。
まず、ご指摘の点は、プロトコール 12.4.1 節の記載についてのご指摘と理解しております。がん領域の
治療開発では、第Ⅱ相の段階では単群の試験結果に基づき第Ⅲ相への移行可否を判断することが一
般的で、プロトコールで引用している先行研究でも見られるように治療完遂割合も単群で評価可能と認
識しております。
また、第Ⅱ相部分の統計学的検定は、試験治療の有効性の証明になるものではなく、第Ⅲ相への移行
可否を判断するための探索的目的で実施するものです。そのため、治療完遂割合が A 群に優る必要が
あるか否かが興味の対象なのではなく、第Ⅲ相に進める上での臨床的要求水準を満たしているか否か
を評価する目的で現在の設定をしております。
仮に「偶然に治療完遂が困難な症例」が多数登録されたことにより B 群の治療完遂割合が低かった場
合には、試験の適格規準などに事前の想定との違いが生じている可能性があり、A 群との数値上の大
小関係に基づき形式的に判断することは不適切となることが懸念されます。その場合に必要なことは、

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