総-8個別事項について(その5)がん対策・難病対策・透析医療・緩和ケア[6.7MB] (35 ページ)
出典
| 公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_65606.html |
| 出典情報 | 中央社会保険医療協議会 総会(第624回 11/5)《厚生労働省》 |
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○ がん治療においては、病期の進行や治療効果の変化に伴い、診療方針の変更を検討する必要がある。その際には、
患者本人に対して適切な情報提供を行い、診療方針に関する話し合いや意思決定支援を実施することが重要である。
○ 特に、根治を目的とした治療後に転移や再発が判明し、根治が困難な状況となった場合や、終末期においては治療
方針の大きな変更が必要となることが多く、患者本人の精神的支援や意思決定支援を含めた対応が求められる。
がん患者の軌跡
がん患者の軌跡
意思決定のタイミング(例)
診断時
転移・再発
判明時
患者本人が意思決定をしていくための支援内容(例)
• 治療方針の決定
• 手術、放射線療法、薬物療法等の治療選択肢および治療計画、予測される効果、
副作用について説明する
• 治療を行わない場合の経過および経過観察の方法を示す
• 治療や経過が生活に及ぼす影響等、意思決定に必要な情報を提供する
• 根治を目的とした治療から延
命・症状緩和目的の治療への
移行
• 緩和ケアの視点を重視した支
援への移行
• 根治が難しい状況であることを説明し、症状緩和や生活の質の維持、延命を含め
た治療方針を多職種で共有しながら検討する段階であることを説明する
• 延命・緩和目的の手術、放射線療法、薬物療法等の治療選択肢、治療計画、予測
される効果、副作用、予後について情報提供する
• 治療を行わない場合の経過および経過観察の方法を示す
• 治療や経過が生活に及ぼす影響等、意思決定に必要な情報を提供する
• 必要に応じて、研究的治療、臨床試験・治験への参加に関する情報提供を行い、
関係部署との連携が図られることを説明する
終末期
•
• 療養場所の決定
•
•
手術、放射線療法、薬物療法等を行っている場合には、これらの治療を終了し、
症状緩和を最優先としたケア方針に移行することを説明する
患者の意思を確認した上で、予測される経過や生活への影響を踏まえた療養場
所の選択肢を提示し、決定を支援する
予測される経過や生活への影響等、今後の療養に関する意思決定を行うために
必要な情報を提供する
がん患者への意思決定支援の効果
○ 本来的なACPが実現することは、患者の不安・抑うつの改善、QOLの向上を期待でき、家族では満足度の向上
が期待できる1,2)
引用文献
1) Detering KM, et al. BMJ. 2010;340:c1345.;
2) Hoerger M,et al. J Clin Oncol. 2018;36(11):1096-1102.
日本がん看護学会、日本緩和医療学会作成資料