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介護保険最新情報Vol.1436(「介護保険施設等における事故予防及び事故発生時の対応に関するガイドラインについて(周知)」 (42 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/content/001591418.pdf
出典情報 「介護保険施設等における事故予防及び事故発生時の対応に関する ガイドライン」について(周知)(11/7付 事務連絡)《厚生労働省》
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5.誤薬・与薬漏れ:ケーススタディ
食事後の配薬ミスの再発防止を講じた実践事例
施設名

特別養護老人ホームE

規模

90床

事例概要

・食事の下膳などの業務を並行して行ったことにより配薬ミスがおこり、誤薬が発生。
・誤薬・与薬漏れはヒューマンエラーで発生するため、「ながら業務」とならないような仕組み
作り・体制整備を実施。

Point

✓ 原因分析では、ミスが発生した原因が業務手順や環境面によるものであったか確認。
✓ 再発防止策の実施にあたっては、ルールやマニュアル作りにより、ヒューマンエラーの発生
リスクがなるべく抑えられるような環境整備・工夫が重要。

事故状況:朝食後に異なる薬を利用者に配薬、誤薬が発生
発生時刻





朝食

発生場所

食堂

利用者の状態

経過観察

利用者のEさん(要介護4、90代男性)は、医師の指示により持病の薬を毎食後
に服薬することとなっていた。
朝食後に利用者ごとに服薬する薬を配薬するところ、看護職員が誤った薬を渡してし
まった。
看護職員が配薬袋に印字された名前と利用者の顔を確認してから服薬してもらうよ
うにしているが、当該職員が他の利用者の対応をしている間に、利用者が誤った薬を
飲んでしまった。

原因分析:配薬を食事の下膳と並行して行っており、配薬ミスが発生
他の業務を並行して行っていたことによりミスの発生リスクが高い状況であった
• 配薬と食事の下膳を同じ職員が並行して行っており、ヒューマンエラーが発生しやすい
状況であった。
• 服薬を確認する看護職員は他の利用者対応を優先しており、配薬済みの薬から目
を離していた。
服薬業務の専任職員が決められていなかった
• 職員が夜勤と日勤で入れ替わるタイミングで、服薬業務の担当者が決められておらず、
引継ぎもきちんとされていなかった。
再発防止策:服薬業務中は他の業務を行わないことをチーム内で徹底

ルールの徹底とマニュアル作成で発生リスクの低減
• 食事の下膳や利用者対応などと並行して服薬業務を行うとミスが起こりやすいため、
服薬業務は専任で担当する看護職員を決めておき、服薬業務中は他の業務を行
わないというルールを作った。
• 配薬と服薬確認を別の職員が行っていたが、配薬済みの薬から目を離す時間を作ら
ないよう、配薬と服薬確認を同時に行うよう手順を変更し、マニュアルとして徹底した。
Ⅳ.原因分析・再発/未然防止策の検討

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