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介護保険最新情報Vol.1436(「介護保険施設等における事故予防及び事故発生時の対応に関するガイドラインについて(周知)」 (36 ページ)
出典
| 公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/content/001591418.pdf |
| 出典情報 | 「介護保険施設等における事故予防及び事故発生時の対応に関する ガイドライン」について(周知)(11/7付 事務連絡)《厚生労働省》 |
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2.転落:ケーススタディ
ベッド周囲の環境以外にも目を向け転落の再発防止策を立案した実践事例
施設名
介護老人保健施設B
規模
60床
事例概要
・薬の変更は思わぬ副作用やせん妄などの意識障害をもたらし、転落につながる可能性
がある。
・ベッドの高さなど、ベッド環境が転落発生時の損害の大きさに影響することもある。
Point
✓ 原因分析では、薬の追加や変更など、ベッド環境以外の要因についても検討する。
✓ 再発防止策の検討にあたっては、薬の追加・変更などの変化にも着目して対策を打っ
ているか、転落が起きてしまったとしても重大事故にならないような工夫をしているか。
事故状況:巡回時にベッド付近に仰向けで倒れている利用者を発見
発生時刻
•
•
•
夜間
発生場所
居室
利用者の状態
上腕骨ひび
夜間の定期巡回で職員が居室を訪室すると、ベッドの横にうつ伏せで倒れているBさ
ん(要介護2、80代男性)を発見した。
バイタルが正常であることを確認し、本人に聞き取りを行うと「トイレに行こうとベッドから
降りようとしたが、落ちたことは覚えていない」と話した。
全身状態を確認すると、右上腕に内出血があり、痛みがあったため、整形外科を受
診すると右上腕骨にひびが入っていた。
原因分析:薬の変更による副作用やせん妄による意識障害によって発生
薬の変更が意識障害をもたらした可能性
• 利用者は軽度の左片麻痺があるが日常生活はほぼ自立しており、普段は夜間にト
イレに行く際にナースコールを鳴らしてもらっていたが、事故発生時はコールがなかった。
• 事故発生日には降圧剤の変更があり、本人が転落時のことを覚えていないことから、
起き上がり時に起立性低血圧などの副作用や、せん妄が生じて転落した可能性があ
る。
高さ調整不可のベッドの利用
• また、日常生活が自立していることから高さ調節のできない施設内の古いベッドを利
用しており、転落時の衝撃が大きかったと考えられる。
再発防止策:薬の追加や変更後数日の巡回数増加をルール化
薬の追加・変更があった利用者に対する巡回の強化
• 薬の追加や変更があった利用者は、これまでになかった副作用やせん妄などが発生す
る可能性があるため、薬の追加や変更後3日間は夜間の定期巡回の回数を4回か
ら6回とするようにルール化した。
高さ調整ができるベッドの導入とベッドで過ごす際の低床のルール化
• 転落してしまったとしても大きなけがとならないように、全床高さを調整できるベッドに入
れ替え、利用者がベッド上で過ごす場合は低床状態とすることをルール化した。
(※対象者によっては、低床化することで身体拘束に該当する可能性があるため
留意が必要)
Ⅳ.原因分析・再発/未然防止策の検討
33
ベッド周囲の環境以外にも目を向け転落の再発防止策を立案した実践事例
施設名
介護老人保健施設B
規模
60床
事例概要
・薬の変更は思わぬ副作用やせん妄などの意識障害をもたらし、転落につながる可能性
がある。
・ベッドの高さなど、ベッド環境が転落発生時の損害の大きさに影響することもある。
Point
✓ 原因分析では、薬の追加や変更など、ベッド環境以外の要因についても検討する。
✓ 再発防止策の検討にあたっては、薬の追加・変更などの変化にも着目して対策を打っ
ているか、転落が起きてしまったとしても重大事故にならないような工夫をしているか。
事故状況:巡回時にベッド付近に仰向けで倒れている利用者を発見
発生時刻
•
•
•
夜間
発生場所
居室
利用者の状態
上腕骨ひび
夜間の定期巡回で職員が居室を訪室すると、ベッドの横にうつ伏せで倒れているBさ
ん(要介護2、80代男性)を発見した。
バイタルが正常であることを確認し、本人に聞き取りを行うと「トイレに行こうとベッドから
降りようとしたが、落ちたことは覚えていない」と話した。
全身状態を確認すると、右上腕に内出血があり、痛みがあったため、整形外科を受
診すると右上腕骨にひびが入っていた。
原因分析:薬の変更による副作用やせん妄による意識障害によって発生
薬の変更が意識障害をもたらした可能性
• 利用者は軽度の左片麻痺があるが日常生活はほぼ自立しており、普段は夜間にト
イレに行く際にナースコールを鳴らしてもらっていたが、事故発生時はコールがなかった。
• 事故発生日には降圧剤の変更があり、本人が転落時のことを覚えていないことから、
起き上がり時に起立性低血圧などの副作用や、せん妄が生じて転落した可能性があ
る。
高さ調整不可のベッドの利用
• また、日常生活が自立していることから高さ調節のできない施設内の古いベッドを利
用しており、転落時の衝撃が大きかったと考えられる。
再発防止策:薬の追加や変更後数日の巡回数増加をルール化
薬の追加・変更があった利用者に対する巡回の強化
• 薬の追加や変更があった利用者は、これまでになかった副作用やせん妄などが発生す
る可能性があるため、薬の追加や変更後3日間は夜間の定期巡回の回数を4回か
ら6回とするようにルール化した。
高さ調整ができるベッドの導入とベッドで過ごす際の低床のルール化
• 転落してしまったとしても大きなけがとならないように、全床高さを調整できるベッドに入
れ替え、利用者がベッド上で過ごす場合は低床状態とすることをルール化した。
(※対象者によっては、低床化することで身体拘束に該当する可能性があるため
留意が必要)
Ⅳ.原因分析・再発/未然防止策の検討
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