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介護保険最新情報Vol.1436(「介護保険施設等における事故予防及び事故発生時の対応に関するガイドラインについて(周知)」 (31 ページ)
出典
| 公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/content/001591418.pdf |
| 出典情報 | 「介護保険施設等における事故予防及び事故発生時の対応に関する ガイドライン」について(周知)(11/7付 事務連絡)《厚生労働省》 |
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コラム
RCA(根本原因分析)を行うための手法
真に必要な再発防止策の検討や重大事故の未然防止には、ヒヤリ・ハット/事故発生後にRCA
(Root-Cause-Analysis:根本原因分析)を行った上で対策をとることが重要です。
RCAによる再発防止策の検討は、医療機関ではポピュラーな分析方法として定着しており、介護
現場においても参考となる手法です。最後にActionを加えて、RCA2とし、実際に改善するまでを加
えて表現する場合もあります。原因分析や再発防止策の検討にあたって活用していきましょう。
RCAを実施するべき事案の検討
RCAは必ずしもすべてのヒヤリ・ハット/事故事案に対して実施する必要はありません。RCAの目的
は、根本原因を分析して再発を防止することにあります。したがって、原因がはっきりしている事案や、
利用者個人の要因によるものや特殊な状況下によるものなど防ぐことが難しい事案よりも、
■繰り返し発生しているような発生頻度の高い事案
■重大事故につながりかねない影響度の高い事案 に対して実施するようにしましょう。
RCAを行うための分析手法
RCAの実施にあたっては様々なフレームワークが存在しますが、ここでは介護現場におけるRCAで
有効だと考えられている「なぜなぜ分析」と「SHELL分析」を紹介します。まずは時系列順に起こっ
た事象を整理しつつ、それらの事象の原因をより掘り下げていくために、これらの手法を活用しましょう。
なぜなぜ分析
なぜなぜ分析とは、発生した事案に対して、「なぜそうなったのか?」という問いを繰り返して、少し
ずつ原因を掘り下げ、根本原因までたどり着くためのフレームワークです。
現場の担当職員の報告に対して施設管理者が「なぜ?」を問いかけるなど、第三者視点での役
割として実施するようにしましょう。「なぜ?」を繰り返すことで職員が自発的に根本原因にたどり着
けることから、職員への教育効果も期待できます。
発生した事象
トイレに向かう
廊下で転倒
ポイント:なぜ?の問いかけを繰り返し行う
なぜ?
歩行介助が
必要だったが
1人で移動
していたから
なぜ?
他の利用者
対応と重なり
職員が気づか
なかったから
なぜ?
入浴介助を
行う時間帯は
フロア職員が
少ないから
なぜ?
SHELL分析
事故発生時には、当事者個人の問題に注目してしまう傾向がありますが、 実際には設備や職
員体制などの当事者以外の要因も影響を与えており、 SHELL分析とは、そうした様々な視点か
ら根本原因を探るフレームワークです。
当事者個人以外の要因を可視化しながら整理できるため、真に必要な再発防止策の検討につ
ながります。施設内での報告書に観点別の分析を取り入れるなど有効に活用しましょう。
発生した事象:利用者に対する服薬漏れが頻繁に発生
要因分析の観点
ポイント:観点ごとに要因を分析
分析内容(例)
Software(ソフトウェア)
服薬に関する手順書が整備されていない
Hardware(ハードウェア)
仕分け袋が目立ちにくい色・大きさのため、紛失の発覚が遅れる
Environment(環境)
照明がついていないことが多く、薬の落下に気付きにくい
Liveware(当事者)
他の業務を並行して行うことが多く、ミスが生じやすい
Liveware(他者)
服薬介助中の職員に対して他の対応を依頼することがある
Ⅲ.事故発生時の対応のポイント
28
RCA(根本原因分析)を行うための手法
真に必要な再発防止策の検討や重大事故の未然防止には、ヒヤリ・ハット/事故発生後にRCA
(Root-Cause-Analysis:根本原因分析)を行った上で対策をとることが重要です。
RCAによる再発防止策の検討は、医療機関ではポピュラーな分析方法として定着しており、介護
現場においても参考となる手法です。最後にActionを加えて、RCA2とし、実際に改善するまでを加
えて表現する場合もあります。原因分析や再発防止策の検討にあたって活用していきましょう。
RCAを実施するべき事案の検討
RCAは必ずしもすべてのヒヤリ・ハット/事故事案に対して実施する必要はありません。RCAの目的
は、根本原因を分析して再発を防止することにあります。したがって、原因がはっきりしている事案や、
利用者個人の要因によるものや特殊な状況下によるものなど防ぐことが難しい事案よりも、
■繰り返し発生しているような発生頻度の高い事案
■重大事故につながりかねない影響度の高い事案 に対して実施するようにしましょう。
RCAを行うための分析手法
RCAの実施にあたっては様々なフレームワークが存在しますが、ここでは介護現場におけるRCAで
有効だと考えられている「なぜなぜ分析」と「SHELL分析」を紹介します。まずは時系列順に起こっ
た事象を整理しつつ、それらの事象の原因をより掘り下げていくために、これらの手法を活用しましょう。
なぜなぜ分析
なぜなぜ分析とは、発生した事案に対して、「なぜそうなったのか?」という問いを繰り返して、少し
ずつ原因を掘り下げ、根本原因までたどり着くためのフレームワークです。
現場の担当職員の報告に対して施設管理者が「なぜ?」を問いかけるなど、第三者視点での役
割として実施するようにしましょう。「なぜ?」を繰り返すことで職員が自発的に根本原因にたどり着
けることから、職員への教育効果も期待できます。
発生した事象
トイレに向かう
廊下で転倒
ポイント:なぜ?の問いかけを繰り返し行う
なぜ?
歩行介助が
必要だったが
1人で移動
していたから
なぜ?
他の利用者
対応と重なり
職員が気づか
なかったから
なぜ?
入浴介助を
行う時間帯は
フロア職員が
少ないから
なぜ?
SHELL分析
事故発生時には、当事者個人の問題に注目してしまう傾向がありますが、 実際には設備や職
員体制などの当事者以外の要因も影響を与えており、 SHELL分析とは、そうした様々な視点か
ら根本原因を探るフレームワークです。
当事者個人以外の要因を可視化しながら整理できるため、真に必要な再発防止策の検討につ
ながります。施設内での報告書に観点別の分析を取り入れるなど有効に活用しましょう。
発生した事象:利用者に対する服薬漏れが頻繁に発生
要因分析の観点
ポイント:観点ごとに要因を分析
分析内容(例)
Software(ソフトウェア)
服薬に関する手順書が整備されていない
Hardware(ハードウェア)
仕分け袋が目立ちにくい色・大きさのため、紛失の発覚が遅れる
Environment(環境)
照明がついていないことが多く、薬の落下に気付きにくい
Liveware(当事者)
他の業務を並行して行うことが多く、ミスが生じやすい
Liveware(他者)
服薬介助中の職員に対して他の対応を依頼することがある
Ⅲ.事故発生時の対応のポイント
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