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介護保険最新情報Vol.1436(「介護保険施設等における事故予防及び事故発生時の対応に関するガイドラインについて(周知)」 (34 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/content/001591418.pdf
出典情報 「介護保険施設等における事故予防及び事故発生時の対応に関する ガイドライン」について(周知)(11/7付 事務連絡)《厚生労働省》
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1.転倒:ケーススタディ
利用者の行動パターン分析と環境調整により転倒防止を講じた実践事例
施設名

認知症グループホームA

規模

25床

事例概要

• 職員の稼働がひっ迫する食事準備時に転倒が発生。
• 利用者ごとの行動パターンを把握し、注意して見守るべき利用者を抽出して重点的に
見守りを行うことで再発防止を行った。

Point

• 利用者個々の行動パターンに目を向け、注意すべき利用者を特定した。
• 注意すべき利用者に対して見守りを行うだけでなく、環境調整を行うことでリスクの低減
を行った。

事故状況:食事準備中での転倒
発生時刻





17:40

発生場所

共用部

利用者の状態

転子部のひび

職員が夕食準備を行っている際に、 Aさん(要介護3、認知症高齢者の日常生活
自立度Ⅲbの80代女性)が椅子から立ち上がって移動しようとしたところ、机の脚に
引っかかり転倒した。
左臀部を床に打ち付けたことを確認し、同部位に発赤を認めた。痛みの訴えが強かっ
たことから即時に整形外科を受診すると、左大腿骨転子部のひびと診断され、手術と
なった。

原因分析:稼働ひっ迫により職員が目を離したことによって発生
食事準備時の稼働のひっ迫
• Aさんが日によって椅子から立ち上がってしまう傾向があることは把握していたが、夕食
の準備中に発生しており、職員の稼働がひっ迫していたためAさんの動きを確認してい
る職員がいなかった。
歩き出してしまった際の動線確保が不十分
• Aさんの座っていた位置が机と壁の距離が短く、幅が狭い通路となっていたため、歩き
出してしまった場合に安全を確保しにくい環境になっていた。
再発防止策:行動パターン分析による注意すべき利用者の抽出と環境調整を実施
行動パターンを分析し、より注意すべき利用者を抽出
• これまでの介護記録やヒヤリ・ハットの情報を分析すると、Aさんは夕方にそわそわとして
立ち上がろうとする傾向があることがわかり、利用者の行動パターンを分析して時間帯
ごとに注意すべき利用者を抽出し、その利用者を中心に見守りを行うこととした。
歩き出してしまった際のリスクを低減
• 注意すべき利用者は通路幅が広い位置に座ってもらうようにして、急に歩き出してし
まったとしてもリスクの低い場所を歩けるようにした。
Ⅳ.原因分析・再発/未然防止策の検討

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