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介護保険最新情報Vol.1436(「介護保険施設等における事故予防及び事故発生時の対応に関するガイドラインについて(周知)」 (11 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/content/001591418.pdf
出典情報 「介護保険施設等における事故予防及び事故発生時の対応に関する ガイドライン」について(周知)(11/7付 事務連絡)《厚生労働省》
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2.介護現場における事故の特性と対応
Point

事故には、「対策を取り得る事故」と「防ぐことが難しい事故」があります。
適切なリスク評価とアセスメントに基づき両者を仕分けし、前者は起こさな
い、という意識で事故の未然防止と再発防止に取り組みましょう。




対策を取り得る事故と防ぐことが難しい事故
「対策を取り得る事故」と「防ぐことが難しい事故」がある


厚生労働省の調査(※)によると、介護施設等でよく起きる事故は、転倒・転落、誤嚥・窒息、
異食、誤薬・与薬漏れ、医療処置における事故、外出・送迎時の事故などがあげられています。



これらには、対策を取り得る事故と、防ぐことが難しい事故があります。職員のケア行為に伴う事故
と、利用者の活動に伴う事故や加齢に伴う機能低下による事故がある、と言ってもよいかもしれま
せん。利用者の活動に伴う事故や加齢に伴う機能低下による事故は、自宅でも介護施設等でも
起こりうるものであり、防ぐことが難しい場合がほとんどです。



例えば、過去の裁判例でも示されているとおり、介護施設等で発生するすべての転倒や誤嚥等が、
介護施設等の過失による事故であるとは限りません。契約時には、本人および家族に対して「防ぐ
ことが難しい事故」があり、そういった事故が発生しうることを十分に説明し、理解を求めることが非
常に重要です。

「対策を取り得る事故」を徹底的に防ぐ取組を行う


施設に過失のある事故は、やるべきことをきちんとやれば防ぐことができる可能性が高まります。
そのため、職員のケアの提供に伴う事故(過失)なのか、そうではないのかを仕分けする必要があ
ります。



適切なリスク評価とアセスメントに基づいて、「対策を取り得る事故」と「防ぐことが難しい事故」に仕
分けした上で、 「対策を取り得る事故」は起こさない、という視点に立って事故の未然防止と再発
防止に取り組みましょう。また、防ぐことが難しい事故であっても、高齢者のリスク評価とアセスメント
を丁寧に行う必要があることは言うまでもありません。

リスクマネジメントの取組を
通して徹底的に防ぐ

介護施設等で
起きる事故

対策を取り得る事故
やるべきことをやれば防ぐことができる事故。
対策を取り得る事故は起こさない、という視点
に立ち、事故の未然防止と再発防止に取り
組む必要がある。

対策を
取り得る
事故

防ぐことが難しい事故
利用者の活動に伴う事故や加齢に伴う機能低
下による事故。自宅でも介護施設等でも起こり
うるものであり、防ぐことが難しい場合がほとんど。

防ぐことが
難しい事故

(※)平成30年介護報酬改定検証「介護老人福祉施設における安全・衛生管理体制等の在り方についての調査研究事業」

令和3年度介護報酬改定検証「介護保険施設のリスクマネジメントに関する調査研究事業」

Ⅰ.リスクマネジメント強化に向けた考え方

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