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参考資料5 全国がん登録 届出マニュアル2025<公開> (28 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_60625.html
出典情報 厚生科学審議会 がん登録部会(第32回 8/4)《厚生労働省》
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第 2 章:届出項目について

進展度について
歴史
進展度とは、がんが原発巣からどこまで拡がっているかを分類する最も基本的ながんの病期の分類
方 法 で す 。 こ の 分 類 方 法 は 、 カ リ フ ォ ル ニ ア 州 腫 瘍 登 録 室 と 米 国 国 立 が ん 研 究 所 の The
Surveillance, Epidemiology, and End Results (SEER) 計画によって作成された「がんの進展
度」に基づいて、大阪府がん登録が改変したものを源とします。2004 年以降、厚生労働省第 3 次対
がん総合戦略研究事業においてわが国の地域がん登録の標準化と精度向上の取り組みが本格的に
開始されて以来、進展度はわが国の地域がん登録において用いる標準的ながんの病期の分類方法と
位置付けられ、がん登録関連研究班によって管理・保守されてきました。がん登録等の推進に関す
る法律第 6 条第 1 項第 5 号で定める進行度として、進展度を用います。
進展度は、5 つの主な区分からなります。
上皮内
限局
領域リンパ節転移
隣接臓器浸潤
遠隔転移
進展度区分の定義
本定義は、SEER Summary Staging Manual 2000 を参考に、進展度の各区分の決定のために必要
な基本的な考え方を説明するものです。
標準的な院内がん登録を行う病院等においては、UICC TNM 悪性腫瘍の分類との対応を用いて進展
度に変換することも可能です。
上皮内


組織の基底膜下にがん細胞が入り込んでいない状態と定義します。



基底膜構造をもつ、上皮組織層(epithelial layer)に発生したがん、すなわち「癌腫」
のみに適用されます。骨や筋肉の組織には基底膜がないため、上皮内肉腫という診断はあ
りえないので、進展度「上皮内」は適用されません。「癌腫」に関する病理診断報告書に
記載された以下の用語は、上皮内と同等の意味です。
前浸潤(pre-invasive)、非侵襲性(non-invasive)、非浸潤(non-infiltrating)、上皮
内(intra-epithelial)、ステージ 0(Stage 0)、導管内(intraductal)、嚢胞内
(intracystic)、間質浸潤なし(no stromal invasion)、基底膜下への浸潤なし(no
penetration below the basement membrane)
例外
大腸癌(結腸癌、直腸癌)の場合は基底膜を越えていても粘膜筋板より内側(粘膜内)に
とどまっているものを上皮内とします。

限局


がんが発生元の器官に限定して存在する状態と定義します。



がんが発生元の器官内に広く浸潤又は器官内に転移しても、隣接する他の器官との境界を
越える拡がりが見られなければ、「発生元の器官に限定している」とします。

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