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地方創生2.0基本構想(令和7年6月13日閣議決定) 本文 (28 ページ)
出典
公開元URL | https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/atarashii_chihousousei/index.html#kihon |
出典情報 | 地方創生2.0基本構想(令和7年6月13日閣議決定)(6/13)《内閣官房》 |
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げ、実践的な課題解決力や主体性を育む「場」であり、重要な人材育成の機会を
提供している。
このように、都市と地方は二項対立的な構造ではなく、むしろ相互に補完し
合い、結び付くことで全体の持続可能性を高めることができる。こうしたつな
がりの基盤として、特定の地域に継続的に多様な形で関わる関係人口を中心と
した人材の結び付きが促進されることで、地域と人々との様々な関係が新たに
生まれていく。二地域居住等の制度や、リモートワークなどの手段を最大限に
活用しながら、都市と地方の間で、また地域の内外で人材をシェアし、人・モ
ノ・技術の交流・結合、分野を越えた連携・協働の流れを創る。その積み重ねが、
都市と地方の継続的な支え合い、共生関係の強化をもたらし、新しい価値の創
造につながっていく。
(6)好事例の普遍化(点から面へ、地域の多様なステークホルダーの連携)
地方創生 1.0 では、それぞれの市町村の現場主導で取組を進めることを目指
した。しかし、各地で産官学金労言士等の地域の多様なステークホルダーを巻
き込み、大きなうねりとして全国に広がるには至らなかった。
地方創生 2.0 では、地方創生 1.0 を通じて各地で生まれた優良な事例や、新
たに創出される好事例を点で終わらせず、面へと広げる「普遍化」を進めてい
く。各地域の多様なステークホルダーが、主体的に考え、選択し、行動する取組
が、地方創生 2.0 の推進には不可欠である。
その際、従来の「縦」の連携、すなわち国・都道府県・市町村という行政機関
の階層的な関係性だけではなく、地域間の「横」のつながりを再認識し、強化し
ていくことが極めて重要である。ここで肝要なのは、先進的な取組の成果を、そ
のまま他地域に模倣・移植するという「コピー」の考え方ではなく、それぞれの
地域の特性や資源、課題に応じて柔軟に取り入れる「ローカライズ」の発想 18で
ある。その際、「民」の力を最大限にいかしていくことが求められる。
好事例の普遍化を進めるためには、まず好事例を知る機会、そしてそれを学
ぶことのできる環境づくりが不可欠である。他地域の取組に触れ、自らの地域
と比較する視点を持つことが、地域の関係者自身の気付きと主体的な思考を促
す。また、単に行政職員や政策担当者だけでなく、地域で活動する住民、企業、
教育機関、NPOなどの多様な主体も当事者として参加することで、より実効
性のある学びと行動へとつながっていく。
主観的な成功体験の共有だけでなく、地域の人口動態や経済指標等といった
客観的なデータを用いながら、施策の成果や課題等を分析することが重要であ
る。その上で、急速に進行する人口減少への対処は待ったなしの課題であるこ
18
例えば、ある町で住民の高齢化や過疎化に対応して、乗合タクシーやオンデマンドバスなどのデマ
ンド型交通を導入し成功した事例があったとしても、それを別の地域でそのまま実行すれば同じ成果
が出るとは限らない。地形や居住分布、住民ニーズ、地域ごとの固有の条件や、地元企業の参画体制
などの地方創生を担う人々、社会的資源が異なるからである。
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提供している。
このように、都市と地方は二項対立的な構造ではなく、むしろ相互に補完し
合い、結び付くことで全体の持続可能性を高めることができる。こうしたつな
がりの基盤として、特定の地域に継続的に多様な形で関わる関係人口を中心と
した人材の結び付きが促進されることで、地域と人々との様々な関係が新たに
生まれていく。二地域居住等の制度や、リモートワークなどの手段を最大限に
活用しながら、都市と地方の間で、また地域の内外で人材をシェアし、人・モ
ノ・技術の交流・結合、分野を越えた連携・協働の流れを創る。その積み重ねが、
都市と地方の継続的な支え合い、共生関係の強化をもたらし、新しい価値の創
造につながっていく。
(6)好事例の普遍化(点から面へ、地域の多様なステークホルダーの連携)
地方創生 1.0 では、それぞれの市町村の現場主導で取組を進めることを目指
した。しかし、各地で産官学金労言士等の地域の多様なステークホルダーを巻
き込み、大きなうねりとして全国に広がるには至らなかった。
地方創生 2.0 では、地方創生 1.0 を通じて各地で生まれた優良な事例や、新
たに創出される好事例を点で終わらせず、面へと広げる「普遍化」を進めてい
く。各地域の多様なステークホルダーが、主体的に考え、選択し、行動する取組
が、地方創生 2.0 の推進には不可欠である。
その際、従来の「縦」の連携、すなわち国・都道府県・市町村という行政機関
の階層的な関係性だけではなく、地域間の「横」のつながりを再認識し、強化し
ていくことが極めて重要である。ここで肝要なのは、先進的な取組の成果を、そ
のまま他地域に模倣・移植するという「コピー」の考え方ではなく、それぞれの
地域の特性や資源、課題に応じて柔軟に取り入れる「ローカライズ」の発想 18で
ある。その際、「民」の力を最大限にいかしていくことが求められる。
好事例の普遍化を進めるためには、まず好事例を知る機会、そしてそれを学
ぶことのできる環境づくりが不可欠である。他地域の取組に触れ、自らの地域
と比較する視点を持つことが、地域の関係者自身の気付きと主体的な思考を促
す。また、単に行政職員や政策担当者だけでなく、地域で活動する住民、企業、
教育機関、NPOなどの多様な主体も当事者として参加することで、より実効
性のある学びと行動へとつながっていく。
主観的な成功体験の共有だけでなく、地域の人口動態や経済指標等といった
客観的なデータを用いながら、施策の成果や課題等を分析することが重要であ
る。その上で、急速に進行する人口減少への対処は待ったなしの課題であるこ
18
例えば、ある町で住民の高齢化や過疎化に対応して、乗合タクシーやオンデマンドバスなどのデマ
ンド型交通を導入し成功した事例があったとしても、それを別の地域でそのまま実行すれば同じ成果
が出るとは限らない。地形や居住分布、住民ニーズ、地域ごとの固有の条件や、地元企業の参画体制
などの地方創生を担う人々、社会的資源が異なるからである。
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