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地方創生2.0基本構想(令和7年6月13日閣議決定) 本文 (16 ページ)
出典
公開元URL | https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/atarashii_chihousousei/index.html#kihon |
出典情報 | 地方創生2.0基本構想(令和7年6月13日閣議決定)(6/13)《内閣官房》 |
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工夫により地域の特性をいかした取組は一定の成果を見せた。
しかし、急速な人口減少や東京一極集中により、地方公共団体における人
材等の資源の不足や偏在が深刻化している。特に地方では、保健師や技術職
等の専門人材が確保できないといった理由で、福祉やインフラ管理など様々
な行政分野において、法令に基づく事務の実施に課題が生じている市町村も
存在している。
地方創生を進める難しさは、既に進行している少子高齢化等の目の前の課
題への対策を行うと同時に、医療や交通、教育といった生活に必要なサービ
スをどのように維持していくか、道路や橋、上下水道、公共施設といったイ
ンフラをどのように管理していくか、地域の産業や雇用をどのように維持・
発展させるか、といった将来視点での対策を考えなければならないことにあ
る。しかし、市町村では、法令に基づく目の前の事務処理自体に大半のリソ
ースを割かざるを得ない状況であり、地域と向き合い未来のビジョンを議論
し、地方創生の取組を進めることに、十分に注力できていないという指摘が
ある。
地方が直面する課題は、人口減少、高齢化、産業の衰退、担い手不足など
多岐にわたり、相互に絡み合いながら進行しており、このような状況では、
従来の一律的な制度や、特定分野だけによる対応では限界がある。こうした
中で、
「官」のみならず、
「民」の力を十分にいかした取組を進めるべきでは
ないか。国・地方公共団体の相互の役割を再検討することが必要なのではな
いか。国と地方公共団体、省庁間や地方公共団体間、また、各組織の部局間
での情報やデータ、政策などの連携が不足していたのではないか。法令に基
づく事務処理を効率的・効果的に実施できるようにするための情報の可視化
やデータの共有、多様な立場の人々の連携や地域を越えた連携など、柔軟で
開かれたアプローチが欠けていたのではないか。
東京圏へのヒト・モノ・カネの一極集中が進行した結果、地方公共団体が
行う行政サービスに地域差・偏在が生じ、そのことが更なる一極集中を招い
ているとの指摘もある。さらに、財政力の高い地方公共団体が行う子育て世
帯等への様々な負担軽減策について、それ以外の地方公共団体においても同
様の施策を住民から求められることもあり、ナショナルスタンダードの観点
から全国的な支援の在り方の検討を求める意見や、こども・子育て政策の強
化に向けては、全国一律で行う施策と地方がその実情に応じて行うきめ細か
な事業が組み合わさることが効果的との意見もある。
④地域の多様なステークホルダーが一体となった取組の不足
地方創生 1.0 では、それぞれの地域において産官学金労言士等の多様なス
テークホルダーが参画する関係者会議が開かれたものの、その「意見を聴く」
にとどまり「議論」には至らなかった、また、地方公共団体が地方創生に係
る戦略や企画の立案の大部分を外部に委託し、当事者意識を持って主体的に
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しかし、急速な人口減少や東京一極集中により、地方公共団体における人
材等の資源の不足や偏在が深刻化している。特に地方では、保健師や技術職
等の専門人材が確保できないといった理由で、福祉やインフラ管理など様々
な行政分野において、法令に基づく事務の実施に課題が生じている市町村も
存在している。
地方創生を進める難しさは、既に進行している少子高齢化等の目の前の課
題への対策を行うと同時に、医療や交通、教育といった生活に必要なサービ
スをどのように維持していくか、道路や橋、上下水道、公共施設といったイ
ンフラをどのように管理していくか、地域の産業や雇用をどのように維持・
発展させるか、といった将来視点での対策を考えなければならないことにあ
る。しかし、市町村では、法令に基づく目の前の事務処理自体に大半のリソ
ースを割かざるを得ない状況であり、地域と向き合い未来のビジョンを議論
し、地方創生の取組を進めることに、十分に注力できていないという指摘が
ある。
地方が直面する課題は、人口減少、高齢化、産業の衰退、担い手不足など
多岐にわたり、相互に絡み合いながら進行しており、このような状況では、
従来の一律的な制度や、特定分野だけによる対応では限界がある。こうした
中で、
「官」のみならず、
「民」の力を十分にいかした取組を進めるべきでは
ないか。国・地方公共団体の相互の役割を再検討することが必要なのではな
いか。国と地方公共団体、省庁間や地方公共団体間、また、各組織の部局間
での情報やデータ、政策などの連携が不足していたのではないか。法令に基
づく事務処理を効率的・効果的に実施できるようにするための情報の可視化
やデータの共有、多様な立場の人々の連携や地域を越えた連携など、柔軟で
開かれたアプローチが欠けていたのではないか。
東京圏へのヒト・モノ・カネの一極集中が進行した結果、地方公共団体が
行う行政サービスに地域差・偏在が生じ、そのことが更なる一極集中を招い
ているとの指摘もある。さらに、財政力の高い地方公共団体が行う子育て世
帯等への様々な負担軽減策について、それ以外の地方公共団体においても同
様の施策を住民から求められることもあり、ナショナルスタンダードの観点
から全国的な支援の在り方の検討を求める意見や、こども・子育て政策の強
化に向けては、全国一律で行う施策と地方がその実情に応じて行うきめ細か
な事業が組み合わさることが効果的との意見もある。
④地域の多様なステークホルダーが一体となった取組の不足
地方創生 1.0 では、それぞれの地域において産官学金労言士等の多様なス
テークホルダーが参画する関係者会議が開かれたものの、その「意見を聴く」
にとどまり「議論」には至らなかった、また、地方公共団体が地方創生に係
る戦略や企画の立案の大部分を外部に委託し、当事者意識を持って主体的に
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