よむ、つかう、まなぶ。

MC plus(エムシープラス)は、診療報酬・介護報酬改定関連のニュース、

資料、研修などをパッケージした総合メディアです。


地方創生2.0基本構想(令和7年6月13日閣議決定) 本文 (15 ページ)

公開元URL https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/atarashii_chihousousei/index.html#kihon
出典情報 地方創生2.0基本構想(令和7年6月13日閣議決定)(6/13)《内閣官房》
低解像度画像をダウンロード

資料テキストはコンピュータによる自動処理で生成されており、完全に資料と一致しない場合があります。
テキストをコピーしてご利用いただく際は資料と付け合わせてご確認ください。

促進などが中心となり、地方公共団体間での人口の奪い合いにつながったと
の指摘がある。
地域住民の減少に伴う生活サービス利用者の縮小、地域産業を支える働き
手の慢性的な不足といった、現場が直面する現実の変化に目を向ける姿勢が
不十分であったのではないか。すなわち、人口減少の中でも、機能し得る地
域社会や産業構造の再構築と、それを可能にする制度設計に向けた本格的な
議論や取組が後回しにされたのではないか。
生産年齢人口の急激な減少という避け難い現実に直面する中で、それを前
提とした地域の担い手の育成・確保策、労働生産性の抜本的向上に向けた施
策、さらには日常生活に不可欠なサービス基盤の維持・確保といった根幹部
分に対する戦略的な対応が、十分に講じられてこなかったのではないか。
②若者や女性が地域から流出する要因へのリーチの不足
自然増減に関しては、出生率の地域比較が注目されたが、各地の出生数の
大幅な減少に対して、より目を向けるべきだったのではないか。また、社会
増減に関し、地方創生 1.0 で様々な対策が打ち出されたにもかかわらず、人
口流出に歯止めが掛からなかったのは、若者や女性の流出に関する問題の根
源の一つである、地域に魅力的な職場がなかったことやアンコンシャス・バ
イアス等に対し有効にアプローチできなかったことが要因ではないか。
地方から首都圏等に転出した当事者からは、男女共に地域におけるアンコ
ンシャス・バイアスを息苦しく感じたことが転出の理由であったという声が
挙げられている 13。
若者や女性の人生設計において地方での生活の選択が後押しされるよう、
若者や女性の視点から自己実現を達成し、やりがいを感じることができるよ
うな魅力ある職場の創出や、結婚・出産や子育て環境の充実、アンコンシャ
ス・バイアスの変革など、若者や女性にとって魅力的で、働きやすく、暮ら
しやすい地域づくりに向けた取組が十分になされなかったのではないか。
③国と地方の役割の検討の不足、関係機関等の連携の不足
人口が減少する中でも、人々が将来にわたって地域で安心して快適な暮ら
しを営んでいくためには、持続可能な形で行政サービスを受けられることが
必要である。過去 30 年間にわたり取り組んできた地方分権改革等によって、
地方公共団体に様々な権限や財源の移譲がなされ、地方公共団体自らの創意
13

例えば、第1回地域働き方・職場改革等推進会議(2025 年4月 25 日)では、生まれ育った地元を離
れる決断をした若年層の女性たちからの「やりたい仕事がない」

「結婚・出産の圧力が息苦しい」

「地
域で女性役割を求められるのが苦痛」等の意見が紹介された。また、
「若者・女性にも選ばれる地方」
に関する車座(2025 年3月 31 日)においては、男性にとっても「男のくせに」

「一家の大黒柱なの
だから」等の固定的な男性役割の期待による息苦しさの下にあるのではないかという意見や、長い人
生の中では、雇用が流動化する日本社会で自身に様々な環境変化が起こり得る中で、
「男性に稼ぎを依
存することなく、女性が一人でも生計を立てていける仕事が地方にないのではないか」と不安視する
意見もあった。

12