よむ、つかう、まなぶ。

MC plus(エムシープラス)は、診療報酬・介護報酬改定関連のニュース、

資料、研修などをパッケージした総合メディアです。


地方創生2.0基本構想(令和7年6月13日閣議決定) 本文 (24 ページ)

公開元URL https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/atarashii_chihousousei/index.html#kihon
出典情報 地方創生2.0基本構想(令和7年6月13日閣議決定)(6/13)《内閣官房》
低解像度画像をダウンロード

資料テキストはコンピュータによる自動処理で生成されており、完全に資料と一致しない場合があります。
テキストをコピーしてご利用いただく際は資料と付け合わせてご確認ください。

る。また、地域の将来像を踏まえて必要なインフラを広域的観点から判断し、集
約・再編を進めることが必要となる。さらに、
「どのようなまちにしたいか」と
いうビジョンを官民で共有し、意欲と能力のある「民」の力をいかし、官民共創
のまちづくりを行うことも有効である。
くわえて、シェアリングエコノミーの考え方により、地域内外に埋もれてい
る官民の資源(人材、スキル、拠点等)の可能性を引き出し、地域における課題
解決と付加価値創出へとつなげる観点や、これからの 10 年だけでなく、更にそ
の先の 10 年を見据えて生じる課題等に対し備えておくべき観点も含め、個別の
分野ごとに地域に求めていた機能や設備について、分野横断的な視点での活用
の在り方や多機能化を検討するなど、幅広い視点で検討を行う必要がある。

(2)若者や女性にも選ばれる地域づくり
地方創生 1.0 では、地方における安定的な雇用の創出や、若い世代の結婚・
出産・子育ての希望をかなえること等により、地方への人の流れをつくること
で東京一極集中の是正を目指した。しかし、地域に魅力的な職場がないことや、
アンコンシャス・バイアス等に対して有効にアプローチできなかったことなど
から、若者や女性の地域からの流出が継続した。
地方創生 2.0 では、若者や女性にも選ばれる地域づくりを、地域に関わる政
策の基本的な姿勢・視点として重視する。
若い世代の男女の意識が着実に変わり、男女共に働き、共に子育てをする「共
働き・共育て」の感覚が一般化してきている一方で、地域社会の中には、
「男は
仕事・女は家庭」等の固定的な性別観に関わるアンコンシャス・バイアスが残っ
ていると指摘されている。こうした「若い世代の変化した意識」と、
「職場を含
む地域社会」との間のギャップが、若者や女性の地方からの転出行動につなが
っている面がある。
こうした問題は、男性の家事育児時間の少なさ(女性への家事育児負担の集
中)や、低所得男性の婚姻率の低さ等を通じ、我が国の少子化につながる要因に
もなっている。
地方には、都市部では得難い多様で恵まれた自然環境、ゆとりある生活空間、
そして季節の移ろいを身近に感じられる東京圏にはない「豊かさ」がある。さら
に、東京圏に比べ、食料費や家賃などの基礎支出や通勤・通学時間が相対的に少
ないといった特徴もある 16。
こうした強みがありながら、若年層、取り分け若年女性の地方からの人口流
出に歯止めが掛からない状況を打開するには、地方の強みをいかしつつ、若い
世代の行動や意識の変化を直視し、地方が抱える弱みを克服していくための大

16

例えば、都道府県別に、住民の可処分所得から食費・家賃等の基礎支出を差し引くと、東京都の中間
層の世帯は他地域に比べ経済的に豊かであるとは言えず(全国 25 位)
、さらに、通勤時間を費用換算
して差し引くと全国 40 位となる試算(国土交通省「国土審議会推進部会地域生活圏専門委員会とり
まとめ報告書(案)参考資料」(2025 年5月 28 日)
)もある。

21