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歴史の転換点における財政運営 (59 ページ)

公開元URL https://www.mof.go.jp/about_mof/councils/fiscal_system_council/sub-of_fiscal_system/report/zaiseia20220525/zaiseia20220525.html
出典情報 財政制度等審議会 歴史の転換点における財政運営(5/25)《財務省》
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められる。
まして、コロナ禍では、先に述べたとおり、ワクチンを含む医薬品市場
に対し、
「ワクチン開発・生産体制強化戦略」に沿ったものをはじめ、多
額の予算が計上されていることに留意すべきである。
既存医薬品の薬価下落に伴う薬価改定にかかわらず、薬剤費が増加す
る背景として新規医薬品の保険収載がある。すなわち、新規医薬品につい
ては、年4回、薬事承認が行われたものは事実上全て収載されており、年
度途中の保険収載により生ずる財政影響は勘案されていない。この結果、
らちがい

事前の予算統制の埒外となり、財政の予見可能性が失われている。
〔資料
Ⅱ-1-49 参照〕
b)既存医薬品の保険給付範囲の見直し
このような状況のもと、財政影響を勘案して新規医薬品の保険収載の
可否を判断することが必要であり、新規医薬品を保険収載する場合には、
既存医薬品の薬価や保険給付範囲の見直しを行うことが少なくとも求め
られる。
例えば令和4年度(2022 年度)診療報酬改定においては、医師が医学
的必要性を認めた場合を除き、外来患者に対して、保険給付の範囲内で処
方できる湿布薬の上限枚数を、1処方につき 70 枚までから 63 枚までに
変更している。このような見直しだけでも医療費適正化効果は 70 億円程
度と見込まれており、近年の単価で見ると高額な再生医療等製品1剤分
のピーク時市場規模に匹敵する。
このことは既存医薬品の保険給付範囲を見直すことでイノベーション
に資する医薬品等の登場を促す財政余地が生ずることを示唆している。
医薬品市場の中での分配をイノベーションの推進に振り向けていくよう
な薬剤費のワイズスペンディングの観点から、既存医薬品の保険給付範
囲の見直しを加速化・徹底すべきである。
既存医薬品の保険給付範囲を見直す際の具体的な手法として、OTC 類

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