よむ、つかう、まなぶ。

MC plus(エムシープラス)は、診療報酬・介護報酬改定関連のニュース、

資料、研修などをパッケージした総合メディアです。


歴史の転換点における財政運営 (121 ページ)

公開元URL https://www.mof.go.jp/about_mof/councils/fiscal_system_council/sub-of_fiscal_system/report/zaiseia20220525/zaiseia20220525.html
出典情報 財政制度等審議会 歴史の転換点における財政運営(5/25)《財務省》
低解像度画像をダウンロード

資料テキストはコンピュータによる自動処理で生成されており、完全に資料と一致しない場合があります。
テキストをコピーしてご利用いただく際は資料と付け合わせてご確認ください。

の運用面、さらには、イージス・アショアの洋上化について、同盟国を含
む諸外国と仕様が異なるため、運用に伴う知見が十分蓄積されるのか、と
いった指摘もある。また、近年の紛争における陸上戦闘126では、戦車や装
甲車に対し、比較的安価な携帯型対戦車ミサイルが有効に対抗している。
さらに、サイバーをはじめとする新領域や無人機の活用に伴い、戦闘様相
のほか、装備品をめぐるコスト負担の在り方が大きく変化しているとも
言われている。こうした中で、我が国の防衛態勢は、現状の部隊配置を前
提とした際に、差し迫る脅威に対して有効に対処できるのか、あるいは装
備面では我が国が相手国装備に比べ非対称的なほど大きいコストを強い
られ、結果的に防衛上不利な状況を招きかねないのではないかといった
指摘も踏まえた上で、防衛装備の必要性に関して改めて国民に説明を尽
くす必要がある。〔資料Ⅱ-7-7参照〕
さらに、新たに整備が進む防衛態勢に関しても、限られた資源の下でい
かに優れた防衛態勢を実現していくのか、彼我のコスト負担のバランス
はどうあるべきか、といった視点で検討することが重要である。特に「次
期戦闘機」やいわゆる「敵基地攻撃能力」については、長期間にわたって
多額の開発・運用コストが生じかねないため、より一層国民に対する説明
責任が求められる。例えば、今後議論が具体化していく見込みである「敵
基地攻撃能力」についても、過去のイージス艦の導入の議論127を踏まえる
と、目的を明確にしつつ、実戦をよく意識して費用と性能のバランスを図
ることが重要である。また、こうした議論をオープンにしながら進めるこ
とで、国民の理解形成に尽力すべきである。〔資料Ⅱ-7-8参照〕
② 研究開発
激変する安全保障環境の中で、防衛関係費の研究開発への配分に係る
検証・見直しも必要である。防衛関係の研究開発費は、これまで英・独等

126

ロシアによるウクライナ侵略、アゼルバイジャンとアルメニアとの軍事衝突等。
イージス艦(昭和 62 年(1987 年)導入)の導入は、「防空体制研究会」を発足し、「対空能
力の向上」という明確な目的を設定した上で検討を実施。新たな装備品の導入ありきという姿
勢ではなく、既存装備品の活用含めた複数の選択肢において経費効率を研究し、最終的には最
も効率的な組合せ(護衛艦1隻・イージス艦1隻)を選択している。
-109-

127