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歴史の転換点における財政運営 (44 ページ)

公開元URL https://www.mof.go.jp/about_mof/councils/fiscal_system_council/sub-of_fiscal_system/report/zaiseia20220525/zaiseia20220525.html
出典情報 財政制度等審議会 歴史の転換点における財政運営(5/25)《財務省》
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保健指導については、毎年度多額の予算(令和4年度(2022 年度)予算
で 211 億円、地方費も入れた公費ベースでは 370 億円)が投じられてい
ることにも留意が必要である。
もう一つのミクロの施策の柱である「平均在院日数の短縮」について、
当時の厚生労働省の試算では、平成 27 年度(2015 年度)には 1.3 兆円、
令和7年度(2025 年度)には 3.8 兆円の医療費適正化が可能と示されて
いた。平均在院日数の減少は見られたものの、なお先進諸国に比して長く、
また、相対的に総病床数や病床利用率は減少していないため、医療費適正
化効果は限定的と考えられ、実際、入院医療費の対 GDP 比は拡大してい
る。
そして最も注目しなければならないのは、厚生労働省の試算において、
平成 27 年度(2015 年度)で 6.0%、令和7年度(2025 年度)で 6.7%に
とどまると見通されていた医療給付費対 GDP 比は令和元年度(2019 年
度)で 7.28%であり、厚生労働省の令和7年度(2025 年度)における試
算額を既に突破していることである。つまりは、平成 17 年(2005 年)
末以降の医療費適正化の枠組みが、エビデンスに基づかない実効性を欠
くものであったことが明らかになった。マクロ指標による政策目標の設
さてつ

定を含め、15 年来の医療費適正化の蹉跌からの立て直しが求められる。
〔資料Ⅱ-1-31 参照〕
ウ)医療分野で求められる今後の取組等
給付費の水準を抑制するための方策等について、まずは、効率的で質の
高い医療提供体制を構築することが求められる。コロナ禍で露呈した問
題に対応するためにも、地域医療構想の推進やかかりつけ医の制度化に
取り組んでいかなければならない。また、公定価格である診療報酬や薬価
についても、適正化が必要であり、令和4年度(2022 年度)診療報酬改
定・薬価改定における大臣合意事項について引き続き取組を深化させる
べきである。
さらに、都道府県が、地域住民の受益(給付)と負担の双方の結節点を
担う役割を強化し、そのガバナンスを発揮・強化していく必要がある。令
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