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歴史の転換点における財政運営 (13 ページ)

公開元URL https://www.mof.go.jp/about_mof/councils/fiscal_system_council/sub-of_fiscal_system/report/zaiseia20220525/zaiseia20220525.html
出典情報 財政制度等審議会 歴史の転換点における財政運営(5/25)《財務省》
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Ⅰ.総論
歴史の転換点ともなり得る世界的な環境変化が急速に進行している。
ぜいじゃく

本建議では、我が国が抱える経済・金融・財政の 脆 弱 性を直視し、とるべ
き責任ある経済財政運営の在り方を示すとともに、今後、各分野において
求められる改革について具体的に提言する。
1.歴史の転換点における財政運営
(1)
「正常化」を加速する必要性
新型コロナウイルス感染症(以下「新型コロナ」という。)による戦後
最大の「例外」から脱却し、世界の流れに遅れることなく、経済と財政を
「正常化」1させ、次なる自然災害リスク、感染症リスク、金利の上昇リ
スクに備える。これが昨年 12 月の当審議会の建議で求めたものだった。
〔資料Ⅰ-1-1参照〕
それから5か月という短い間に、米国をはじめとする諸外国における
インフレ率の高まりと利上げへの転換が始まり、さらに、オミクロン株の
世界的な流行、ロシアによるウクライナ侵略などの事態が相次いで起き
た。これらは、我々が指摘したリスクが想定以上に早く顕在化したものと
もいえる。特にロシアによるウクライナ侵略については、改めて世界の厳
しい安全保障環境を認識させ、「冷戦後の世界秩序を脅かすものであり、
歴史の大転機であると言える」2とも指摘されている。不確実性が増大す
る中では、緊迫化した安全保障環境、南海トラフ地震3、首都直下型地震、
新たな感染症や金利の上昇も含め、様々なリスクに対して必要かつ持続

昨年 12 月の当審議会の建議(
「令和4年度予算の編成等に関する建議」(財政制度等審議会
(令和3年(2021 年)12 月 3 日)

)において、経済の「正常化」とは、新型コロナが感染拡
大する前(以下「コロナ前」という。
)の状態に戻るだけでなく、民需主導の持続的な成長軌道
を実現することを含むものを意味し、また、財政の「正常化」とは、単にコロナ前の状態に戻
すだけでなく、プライマリーバランスの黒字化に向けて、財政健全化が着実に進んでいくこと
を意味している。
2 令和4年版外交青書(外務省(令和4年(2022 年)4月)

3 南海トラフ沿いの地域においては、地震調査研究推進本部地震調査委員会の長期評価による
と、マグニチュード8~9クラスの地震が今後 30 年以内に発生する確率は 70~80%(令和4
年(2022 年)1月1日現在)とされており、大規模地震発生の切迫性が指摘されている。
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