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歴史の転換点における財政運営 (53 ページ)

公開元URL https://www.mof.go.jp/about_mof/councils/fiscal_system_council/sub-of_fiscal_system/report/zaiseia20220525/zaiseia20220525.html
出典情報 財政制度等審議会 歴史の転換点における財政運営(5/25)《財務省》
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イ)リフィル処方箋の導入
昨年末の大臣合意では、リフィル処方箋(反復利用できる処方箋)の導
入・活用促進による医療費効率化効果を改定率換算で▲0.10%(医療費
470 億円程度)と見込んだ上で診療報酬改定を行うこととされた47。これ
に基づいて、令和4年度(2022 年度)診療報酬改定において、リフィル
処方箋が導入されることとなったが、通院負担の軽減、利便性の向上とい
った患者のメリットが大きいのみならず、効率的で質の高い医療提供体
制の整備にとっても画期的な前進である。
〔資料Ⅱ-1-41 参照〕
ふえん

患者のメリットについて敷衍すれば、我が国外来医療の実態として、世
界有数の受診回数の一方で、長期にわたり処方内容に変更がない処方(長
期 Do 処方48)が多く行われてきた。このため、薬をもらうためだけに医
療機関に出向き受診する、いわゆる「お薬受診」ないしそれに近い実態の
受診の存在が指摘されてきた。
この長期 Do 処方に代表される、診療密度が薄く頻繁な外来受診こそ
が、待合室の混雑、待ち時間の長さ、その割に短い診療時間といった国民
が日頃体験する我が国外来医療の実態につながっており、頻回の受診に
あいま

よる身体的・経済的負担と相俟って、患者の通院負担を重いものとし、利
便性も損なわせてきた。
これに対し、リフィル処方箋の導入により、患者は、医療機関に行かず
とも、医師及び薬剤師の適切な連携のもと、一定期間内に処方箋を反復利
用できるようになる。患者の通院負担が軽減され、利便性が向上する効果
は明らかであり、もとより国民の導入への期待は高いものがあった。感染
防止の観点から不要不急の通院を避けたい事情が患者側に生じているコ
ロナ禍においては、導入のニーズは更に高まっており、時宜を得た導入と
なった。
リフィル処方箋の導入は、医師に時間的余裕が生まれることで医師の
47

大臣合意において「症状が安定している患者について、医師の処方により、医療機関に行かず
とも、医師及び薬剤師の適切な連携の下、一定期間内に処方箋を反復利用できる、分割調剤と
は異なる実効的な方策を導入することにより、再診の効率化につなげ、その効果について検証
を行う」とされており、適時かつ迅速な検証が必要である。
48 Do 処方の「Do」とは、繰り返しやコピーを意味する「ditto」に由来し、処方箋やカルテに記
入する際に、
「同じ」を意味する略語として使われる記号。
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