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歴史の転換点における財政運営 (37 ページ)

公開元URL https://www.mof.go.jp/about_mof/councils/fiscal_system_council/sub-of_fiscal_system/report/zaiseia20220525/zaiseia20220525.html
出典情報 財政制度等審議会 歴史の転換点における財政運営(5/25)《財務省》
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果、当時をはるかに上回るペースの支給が続いてきたが、足もとでは減少
傾向である。特例措置が始まってから2年以上が経過しており、この間、
一定の縮減を行ったが、地域特例・業況特例の内容(日額上限:15,000 円、
助成率:最大 10 分の 10)は見直されないまま延長されてきた。
〔資料Ⅱ
-1-15 参照〕
この特例措置においては、雇用保険臨時特例法42に基づき、中小企業に
係る助成について、通常時の上限額 8,265 円からの引上げ分の財源を一
般会計からの繰入れで賄う異例の対応を行っている。また、企業による休
業手当の不払いに対応するため、同法に基づき、休業支援金が特例的に設
けられており、その財源についても一般会計からの繰入れが行われてい
る。さらに、雇用調整助成金や休業支援金の対象とならない雇用保険被保
険者以外の方々に対し、緊急雇用安定助成金や休業給付金が特例的に設
けられ、全額一般会計による対応が行われている。
こうした一般会計負担は、令和4年(2022 年)3月 31 日時点で、雇
用保険被保険者を対象とする狭義の雇用調整助成金の特例措置において
約 1.2 兆円(一般会計負担割合は約 24%)、緊急雇用安定助成金や休業支
援金・給付金を含めた広義の雇用調整助成金の特例措置において約 1.8 兆
円(一般会計負担割合は約 31%)に達している。上記に加えて、雇用調
整助成金の支給のため、失業等給付の積立金から雇用安定事業への貸出
が増加し、雇用勘定の財政状況が悪化したことから、令和3年度(2021
年度)補正予算において、雇用保険臨時特例法に基づき、一般会計から労
働保険特別会計(失業等給付)に 1.7 兆円を繰入れており、計 3.6 兆円の
負担に達している。
〔資料Ⅱ-1-16 参照〕
リーマンショック時には失業率は 5.5%(平成 21 年(2009 年)7月)
まで上昇したが、コロナ禍においては 3.1%(令和2年(2020 年)10 月)
までの上昇にとどまった。これら特例措置が失業率の抑制に寄与した点
は評価できよう。しかし、これ以上の継続については、人手不足・成長分
野等への労働移動の阻害、労働者のモチベーションや能力の低下、将来の

42

新型コロナウイルス感染症等の影響に対応するための雇用保険法の臨時特例等に関する法律
(令和 2 年法律第 54 号)
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