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歴史の転換点における財政運営 (56 ページ)

公開元URL https://www.mof.go.jp/about_mof/councils/fiscal_system_council/sub-of_fiscal_system/report/zaiseia20220525/zaiseia20220525.html
出典情報 財政制度等審議会 歴史の転換点における財政運営(5/25)《財務省》
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なく薬局で薬を受け取れるようになるため、受診のついでに医療機関の
近隣の薬局で薬をもらうことが減る。薬局は医療機関の近隣という立地
でのみ患者から選択される存在から脱却し、患者の服薬状況などを確認
し、必要に応じて受診勧奨を行ったりするなど、薬学的管理・指導を的確
に行える薬剤師の専門性や様々な患者・住民のニーズに対応できる機能
を発揮することを通じて患者に選択してもらう存在として飛躍を遂げる
可能性がある。〔資料Ⅱ-1-44 参照〕
ウ)調剤報酬改定と薬局・薬剤師の在り方
令和4年度(2022 年度)診療報酬改定においては、リフィル処方箋の
導入にとどまらず、調剤報酬について、昨年 12 月の当審議会の建議やこ
れを踏まえた大臣合意を一定程度反映する改定が行われた。具体的には、
大規模グループ薬局やいわゆる同一敷地内薬局の調剤基本料等の見直し
や、後発医薬品調剤体制加算の見直しなどである。
とはいえ、調剤報酬については、薬剤師数の増加により薬剤師一人当た
りの処方箋枚数は減少しているにもかかわらず、新型コロナの影響を受
ける前は、薬剤師一人当たりの技術料が概ね維持・確保されている構図が
続いてきた。調剤技術料に占める調剤基本料、調剤料及び薬学管理料の割
合も過去 10 年間でほとんど変化がなく、対物業務から対人業務への構造
転換を図る姿勢が見えない50。
調剤報酬の在り方について体系的見直しが不可欠であることは明らか
である。薬剤師数の増加については、将来的に薬剤師が過剰になると予想
されており、増加傾向にある薬学部・薬科大学の入学定員数の抑制も含め
教育の質の向上に資する、適正な定員規模の在り方や仕組みなどを早急
に検討し、対応策が実行されなければならない。
〔資料Ⅱ-1-45 参照〕

50

令和4年度(2022 年度)診療報酬改定においては、調剤技術料の一部である調剤料が「薬剤
調製料」と改められ、一方で薬学管理料の一部として「調剤管理料」が新設されたが、「薬剤調
製料」
「調剤管理料」を足し合わせると、従前の調剤料とほぼ同様の点数である。調剤技術料の
割合が形式的に減少し、薬学管理料の割合が形式的に増加することとなるが、これをもって、
薬学管理料・対人業務中心への構造転換に資する体系的見直しが行われたと評価することは困
難である。
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