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歴史の転換点における財政運営 (50 ページ)

公開元URL https://www.mof.go.jp/about_mof/councils/fiscal_system_council/sub-of_fiscal_system/report/zaiseia20220525/zaiseia20220525.html
出典情報 財政制度等審議会 歴史の転換点における財政運営(5/25)《財務省》
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け医がいないとしている中で、医療機関側では患者の選別を行っている
ことになる。さらに「第6波」における電話・オンライン診療や訪問診療
の実績については地域差が大きく、十分な診療が行われていたか検証の
余地がある。こうした状況を踏まえると世界有数の外来受診回数の多さ
をもって我が国医療保険制度の金看板とされてきたフリーアクセスは、
肝心な時に十分に機能しなかった可能性が高い。
c)かかりつけ医機能が発揮される制度整備45
こうしたコロナ禍の教訓を踏まえると、「いつでも、好きなところで」
という意味で捉えられがちで、受診回数や医療行為の数で評価されがち
であった「量重視」のフリーアクセスを、
「必要な時に必要な医療にアク
セスできる」という「質重視」のものに切り替えていく必要がある。この
ような転換が、国民の上手な医療のかかり方に関する広報、好事例の横展
開などといった通り一遍の方策では到底果たし得ないことは、もはや自
明である。制度的対応が不可欠であり、具体的には、地域の医師、医療機
関等と協力している、休日や夜間も患者に対応できる体制を構築してい
る、在宅医療を推進しているといったかかりつけ医機能の要件を法制上
明確化すべきである。その上で、これらの機能を備えた医療機関をかかり
つけ医として認定するなどの制度を設けること、こうしたかかりつけ医
に対して利用希望の者による事前登録・医療情報登録を促す仕組みを導
入していくことを、段階を踏んで検討していくべきである。
このような取組を伴って初めて、必要な機能を備えたかかりつけ医が、
平時において、高齢化時代における地域包括ケア・在宅医療の担い手とな
る一方、こうしたかかりつけ医が「緩やかなゲートキーパー」機能を発揮
することとなる。感染症有事には、かかりつけ医は、患者情報の事前管理
により、PCR 検査受検相談、発熱外来、オンライン診療、宿泊・自宅療

令和4年(2022 年)5月 17 日にとりまとめられた、全世代型社会保障構築会議「議論の中間
整理」において、「今回のコロナ禍により、かかりつけ医機能などの地域医療の機能が十分作動
せず総合病院に大きな負荷がかかるなどの課題に直面した。かかりつけ医機能が発揮される制度
整備を含め、機能分化と連携を一層重視した医療・介護提供体制等の国民目線での改革を進める
べきである。
」とされた。
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