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資料1‐2 令和6年度 業務実績概要説明資料 (47 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_59633.html
出典情報 厚生労働省国立研究開発法人等審議会 高度専門医療研究評価部会(第39回 8/5)《厚生労働省》
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評価項目1-5
1. 政策提言・医療の均てん化並びに情報の収集及び発信に関する事項 医療政策の推進等に関する事項





認知症の最大の原因であるアルツハイマー病の脳内でおこ
る炎症状態を検出する血液バイオマーカーの候補を見出す
⚫ 簡易に実施可能な介護状況評価の質問票を開発。


(1)

アルツハイマー病の脳内でおこる炎症状態を検出する血液バイオ
マーカーの候補を見出す

・当センター神経遺伝学研究部の研究グループは、アルツハイマー病モ
デルマウスを用いた研究から、アミロイド斑の蓄積が引き起こす認知
機能の低下や神経細胞死に深く関わると考えられている「脳内の慢性
炎症」を反映して血液中で変化する代謝物を同定し、新たな血液バイ
オマーカーや治療標的としての可能性を見出した。
認知症の最大の原因であるアルツハイマー病は、患者数の急速な増加が
見込まれることから、その予防・治療法の確立は喫緊の課題
・脳内へのアミロイド斑の蓄積が、シナプスの変性、タウ病理の拡大、
そして神経細胞の脱落を引き起こすという一連のメカニズムには、ミ
クログリアやアストロサイトと呼ばれるグリア細胞が、アミロイド斑
を異物として認識して活性化した状態が続く「脳内の慢性炎症」が深
く関わっていると考えられている。

※CD38(cluster of differentiation 38)とは、生体内の主要なNAD⁺消費酵素
として知られるタンパク質のこと。

・本研究から、血液中のニコチンアミド量の低下は、アミロイド斑に対
してアストロサイトが活性化し、脳内炎症が亢進した状態を検出する
新たな血液バイオマーカーになる可能性が示された。

認知症をはじめとした診療情報の積極的な発信。
⚫ 地方自治体との協力を推進し、最新の情報を提供。
⚫ 認知症医療介護推進フォーラム等の開催。
⚫ スペシャルドラマ「忘れっぽいハムレット」の監修。


(2)

家族介護者支援の推進

・当センター老年社会科学研究部の研究グループは、東北大学、国立保
健医療科学院との共同研究において、簡易に実施可能な介護者状況を評
価する質問票を開発した。

・介護者支援の推進は持続可能な日本の介護システムを維持するためにも
重要な社会問題である。
・介護はネガティブな影
響だけでなく、自己肯
定感や自尊心の向上な
どのポジティブな影響
をもたらすことが知ら
れており、介護による
様々な影響を評価し、
必要な場合は適切な支
援に繋げることが求め
られる。
・本研究が作成した質問票は、
介護保険現場や行政施策など
において、要介護高齢者を介
護する家族などの介護状態を
簡易に把握することができ、
介護支援の推進を通じた在宅
介護環境の整備に繋がること
が期待される。
※CRA-J-10(Caregiver Reaction Assessment)は、「日常生活への影響」、
「ケアに関する受け止め」、「家族のサポート」、「健康状態への影響」、
「経済的な影響」の各5要素から代表する2項目を選択した全10項目の質問票

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