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令和6年度 医療用医薬品の販売情報提供活動調査事業報告書 (53 ページ)

公開元URL https://www.jshp.or.jp/content/2025/0725-1.html
出典情報 令和6年度販売情報提供活動調査事業報告書について(7/25付 事務連絡)《厚生労働省》
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3.まとめ
ここでは、平成 28 年度~令和 6 年度事業を実施した結果を踏まえ、今後の販売情報提供
活動調査事業のあり方、製薬企業による適正な販売情報提供活動を確保するための環境整
備の課題等を整理する。

(1)本事業の主な結果
本事業を実施した結果、次の点を指摘する。
第一に、新型コロナウイルス感染症が 5 類感染症に移行し、製薬企業の MR 等による対
面での販売情報提供活動が増加している。一方で、コロナ禍で普及したオンラインでの面
談・製品説明などの販売情報提供活動も依然として積極的に行われており、販売情報提供
活動の一形態として定着したとみられる。
第二に、不適切なデータの抜粋やグラフの加工等、説明用資材・記事体広告等に関する
疑義報告は減少したものの、「エビデンスのない説明を行った」
「有効性のみを強調した
(安全性を軽視した情報提供活動も含む)
」「他社の製品を誹謗・中傷する表現を用いた」
等、製薬企業担当者の説明・表現において不適切性が疑われる報告は依然として多い。一
昨年度より指摘していることだが、こうした不適切事例は、特に競合が激しい医薬品分野
において多く報告されている。医療従事者からの求めに応じて他社製品との比較情報の提
供を行うこと自体については問題ない6ものの、他社製品の誹謗中傷を行うことや直接的に
比較したエビデンスのないまま自社製品の優位性を言及することは不適切な情報提供とな
る。原則に基づき、医薬品が適切に使用されるよう、有効性だけではなく安全性も含めて
誠実な情報提供が望まれる。
第三に、第二の点とも関連するが、MR の資質や、製薬企業による MR 教育不足に起因
すると思われる不適切事例が散見された。
「医療用医薬品の販売情報提供活動に関するガ
イドライン」が平成 30 年 9 月 25 日に発出されてから 5 年以上の年月が経過しているが、
明らかに不適切な販売情報提供活動を行っている事例があり、本事業の事例検討会でも
MR の知識やコンプライアンス意識等の欠如、製薬企業の教育不足等が指摘された。
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「医療用医薬品の販売情報提供活動に関するガイドラインに関する Q&A について(その 4)

(令和 6
年 2 月 21 日付け厚生労働省医薬局監視指導・麻薬対策課事務連絡)では、医師又は薬剤師からの求めに
応じて、他社製品に関する情報や自社製品と他社製品との比較情報を提供する行為自体は、当該規定には
抵触しない。ただし、情報提供に当たっては、以下の条件を全て満たすこととなっている。
・情報提供する内容は、要求内容に沿ったものに限定するとともに、情報提供先は要求者に限定するこ
と。また、提供情報を要求内容に沿ったものとするため、当該医師又は薬剤師に対し、求められている
具体的な情報を確認すること。
・医療関係者・患者等から情報提供を求められていないにもかかわらず、求められたかのように装わない
こと。
・提供する情報は、虚偽・誇大な内容であってはならず、科学的・客観的根拠に基づき正確なものでなけ
ればならないこと。また、他社製品にとって不利となる情報のみを恣意的に選択しないこと。
・直接比較することが科学的に適切ではない場合はその旨及びその理由等も提供するなど、正確な理解を
促すために必要な情報を提供すること。
なお、情報提供に当たっては、販売情報提供活動の一環である以上、本ガイドラインや医薬品等適正広
告基準の遵守が前提となる。

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