資料2 脳・心臓疾患の労災認定の基準に関する専門検討会報告書 (60 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_19809.html |
出典情報 | 「脳・心臓疾患の労災認定の基準に関する専門検討会」の報告書を公表します(7/16)《厚生労働省》 |
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考に表4-5に示す。
表4-5 労働時間と労働時間以外の負荷要因を総合的に考慮する例
【事例1】
Aさんは、トラックの運転手として、県内で製造された電気製品等を国内各地に所
在するホームセンターの物流センターに配送する業務に従事していた。Aさんは、こ
れらの業務に従事し、発症前2か月平均で月約 71 時間の時間外労働を行っていた。
夜間運行を基本とし、20 時から 23 時に出勤し、翌朝8時~9時、遅い日では 15 時
頃まで勤務していた。発症前6か月の拘束時間は、発症前1か月から順に、216 時
間、302 時間、278 時間、266 時間、219 時間、291 時間となっていた。
Aさんは、配送先の物流センターで製品の積み込み作業中に倒れた。物流センター
の作業員が倒れていたAさんを発見し、救急車を呼び病院に搬送したが、Aさんは、
心筋梗塞により死亡した。
【事例2】
Bさんは、関東に所在する水産加工工場に勤務し、水産物の仕入れや営業担当業務
に従事していた。Bさんは、これらの業務に従事し、発症前3か月平均で月約 64 時間
の時間外労働を行っていた。
この3か月の全ての勤務は泊付きの出張であり、主に仕入業者との商談や営業のた
め、関西と九州方面の港に出張していた。
発症前3か月の泊付きの出張日数は 64 日、工場から関西や九州方面へ移動を要した
日数は 24 日に及んだ。
Bさんは出張先で、痙攣、めまい、吐き気の症状を訴え、救急車を呼び病院に搬送
され、脳梗塞と診断された。
ここで、労働時間と労働時間以外の負荷要因を総合的に考慮するに当
たっては、労働時間がより長ければ労働時間以外の負荷要因による負荷
がより小さくとも業務と発症との関連性が強い場合があり、また、労働
時間以外の負荷要因による負荷がより大きければ又は多ければ労働時間
がより短くとも業務と発症との関連性が強い場合があることに留意すべ
きであり、認定基準においては、労働時間数だけにとらわれず、総合的
な考慮が適切になされるような表記をすべきである。
加えて、労災保険制度においては、業務に内在する危険を判断するも
のであることから、労働者の一日の生活時間のうち、労働時間・拘束時
間以外の睡眠時間や余暇時間についてその内容を直接評価の対象とする
ことは適切でないが、長時間労働が脳・心臓疾患に影響を及ぼす理由に
ついて前記(48 頁)①の睡眠不足だけでなく、②の睡眠以外の休息等の
制限、③の労働時間の長さそれ自体、④の労働時間以外の負荷要因への
ばく露の程度が考えられることを踏まえ、1か月おおむね 45 時間を超え
る時間外労働時間が長くなるほど業務と発症との関連性が徐々に強まる
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