よむ、つかう、まなぶ。

MC plus(エムシープラス)は、診療報酬・介護報酬改定関連のニュース、

資料、研修などをパッケージした総合メディアです。


資料2 脳・心臓疾患の労災認定の基準に関する専門検討会報告書 (139 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_19809.html
出典情報 「脳・心臓疾患の労災認定の基準に関する専門検討会」の報告書を公表します(7/16)《厚生労働省》
低解像度画像をダウンロード

資料テキストはコンピュータによる自動処理で生成されており、完全に資料と一致しない場合があります。
テキストをコピーしてご利用いただく際は資料と付け合わせてご確認ください。

3 勤務間インターバルが短い勤務と健康障害等に関する文献(疫学調査)(23文献)
時間

6

7

8

勤務間インターバル(就
業終了時刻から開始時
刻までの間隔:DRP)
※15時間-15時間59分
を基準とし、1時間刻み
~10時間未満で分析

勤務間インターバル11
時間未満、12時間未
満、13時間未満、14時
間未満、14時間以上

負荷の
調査期間
(発症前)

観察期間

調査時点(2015
年10月)の過去
10日間(土日及
び休日を含む)
の就業開始・終
了時刻を質問
(最大5つのDRP
を収集)

1か月間

2015年10月~
12月

健康障害等

調査方法

調整因子

結果

分析項目

有意性

著者名

タイトル

Cross-sectional
associations between
平均疲労についてあり(11
daily rest periods during
時間台以下の勤務間イン
weekdays and
ターバル)
Tsuchiya psychological distress,
熟眠障害についてあり(10
M, et al non-restorative sleep,
時間台の勤務間インター
fatigue, and work
バル)
performance among
information technology
workers

書誌情報

心理的苦痛、熟眠障害、
日本のIT関連労働
疲労(ストレス症状)、職
横断研究
者1811人
務遂行能力

モデル1:調整なし
モデル2:年齢、性別、毎
週の勤務時間、通勤時間
モデル3:モデル2に追加し
て雇用状況、勤務スケ
ジュール、運動、喫煙、子
の有無、介護、定量的な
作業負荷、裁量度、監督
者の支援、同僚の支援

睡眠時間、覚醒時の持
ち越し疲労、就寝時のサ
イコロジカル・ディタッチメ
ント(仕事との心理的距 日本のIT企業で働 前向きコホート
離)、精神運動警戒タス く55名
研究
ク(持続的注意反応時間
課題:5分間で測定)、睡
眠覚醒ログ

11時間未満(基準)の勤務間インターバルと比較して、13
時間未満(β=0.48、95%CI: 0.12-0.84、P=0.009)、14時間
未満(β=0.69、95%CI :0.33、1.05、P<0.001)、14時間以上
(β=1.01、95%CI :0.67-1.35、P<0.001)では睡眠時間(h)
が大幅に増加したが、12時間未満(β=0.33、95%CI: 0.08-0.74、P=0.119)では有意差は見られなかった。
持ち越し疲労は、基準と比較してすべての勤務間インター
バルの時間で有意に減少した。
年齢、性別、週、日(曜日)
時間数
12時間未満(β=-10.2、95%CI: -17.1- -3.2、P=0.004)、
13時間未満(β=-8.92、95%CI: -14.9- -2.9、P=0.004)、
14時間未満(β=-13.2、95%CI: -19.3- -7.1、P<0.001)、
14時間以上(β=15.2、95%CI: -20.9- -9.6、P<0.001)
サイコロジカル・ディタッチメントは、基準と比較して(13時
間以上)14時間未満(β=7.1、95%CI: 0.6-13.5、P=0.031)
と14時間以上(β=9.6、95%CI: 3.6-15.6、P=0.002)で有意
に増加したが、他の時間で有意差はなかった。

睡眠時間の増加について
あり(勤務間インターバル
12時間以上)
持ち越し疲労の減少につ
いてあり(勤務間インター Kubo T,
バル11時間以上)
et al
サイコロジカル・ディタッチ
メントの増加についてあり
(勤務間インターバル13時
間以上)

Day-to-day variations in
daily rest periods
between working days
J Occup Health.
and recovery from fatigue
2018; 60 : 394among information
403
technology workers: Onemonth observational
study using a fatigue app

線形混合モデル分析の結果、勤務間インターバルと収縮
期血圧との関連性は有意でなかった(β=-0.582、ns)が、
拡張期血圧(β=-1.290、p<0.01)、疲労感(β=-0.081、
p<0.05)との関連性は有意であった。12、13、14時間を基
年齢、性別、睡眠時間、睡
準として勤務間インターバルが基準より長いグループと短 時間数
眠効率、BMI、喫煙の有無
いグループに分け分析(二元線形混合モデル分散分析)
した結果、14時間勤務間インターバル基準グループに拡
張期血圧の主効果の有意性[F(1,44)=7.053, p<0.05]を認
めた。

拡張期血圧、疲労感につ Ikeda H,
いてあり
et al

Impact of daily rest period
on resting blood pressure
and fatigue: a one-month
observational study of
daytime employees

ベースライン時 2015年10月~
勤務間インターバル(就
の直近1か月の 12月中の1か月
業終了時刻から開始時
就業日の平均 (第1週、第3
安静時血圧、疲労感
刻までの間隔)(11、
就業開始・終了 週、第4週に測
12、13、14時間基準)
時刻を質問
定)

9

勤務間インターバル11
2008,2012,
時間未満(クイックリター アンケート前3か
2014,2015年に
ン)の回数、日勤、準夜 月間の勤務シフ
疲労、睡眠障害
行ったアンケー
勤、夜勤の回数・連続し ト
ト調査
た夜勤

10

23:00~6:00の夜勤
18:00~23:00の準夜勤
4年及び6年
3:00以前~18:00以内
の朝勤

11

勤務間インターバル(シ
フト勤務間の休息時間)
2014年~2018
が11時間未満はクイック

リターン、11時間以上を
正常とみなした

2008年~2012

2008年~2014


調査対象

休日の疲労、長時間睡


2014年~2018
高血圧
年(平均2.49年)

裁量労働制とフレッ
クスタイム制を採用
観察研究
している日本のIT
企業の54人

モデル2では、平均疲労が、10時間未満(b=3.39 、95%CI:
0.33-6.46)、10時間台(b=3.46、95%CI: 1.13-5.78)、11時
間台(b=2.26、95%CI: 0.57-3.95)の勤務間インターバルで
有意に高かった(b:線形回帰係数)。熟眠障害でも同じパ
時間数
ターンの関連が観察され、10時間台は有意であった
(OR2.54、95%CI: 1.33-4.84)が、10時間未満(OR2.17、
95%CI: 0.94-5.03)、11時間台(OR1.60、95%CI: 0.98-2.61)
では有意ではなかった。

Ind Health.
2017; 55: 173179

J Occup
Environ Med.
2017; 59: 397401

年齢、性別

クイックリターンは、勤務中の疲労(OR1.42、95%CI: 1.191.72)、休日の疲労(OR1.25、95%CI: 1.03-1.49)及び入眠
困難(OR 1.38、95%CI: 1.13-1.64)と関連していた。休日の
疲労について、クイックリターンとの関連は、最も若い年齢
群と最も高齢の年齢群(39歳以下OR 1.49、95%CI: 1.13有無
1.95、40~49歳OR0.90、95%CI: 0.65-1.28、50歳以上OR
(11時間)
1.68、95%CI: 1.10-2.54、交互作用P<0.092)で認められ
た。
※ オッズ比(OR)は、連続ばく露変数(勤務シフトとシフト
強度の割合を記述する変数)が25%上昇するごとの比を指
す。

Association of changes in
work shifts and shift
勤務中の疲労、休日の疲
Härmä M, intensity with change in
労、入眠困難についてあ
et al
fatigue and disturbed

sleep: a within-subject
study

フィンランドの病院 前向きコホート
労働者2,546名
研究

年齢、性別、教育

夜勤を伴う交代勤務は、日中勤務と比較して、4年後に休
日の疲労のリスク増加と関連しており(RR1.35、95%CI:
1.16-1.56、調整モデル)、6年後に休日の疲労の増加
(RR1.38、95%CI: 1.17-1.63)及び長時間睡眠(RR8.04、
95%CI: 2.88-22.5)と関連していた。夜勤を伴わない交代勤
務は、日中勤務と比較して、6年後に長時間睡眠の増加と
関連したが(RR5.87、95%CI: 1.94-17.8、調整モデル)、仕
事中または休日の疲労とは関連しなかった。

(検討した交代勤務スケ
ジュールは、ほとんどが不
規則で、交代勤務の間に Härmä M,
11時間未満の連続した夜 et al
勤とクイックリターンが随
時あり、週勤務時間の変
動があったとされている)

Shift work with and
without night work as a
risk factor for fatigue and J Sleep Res.
changes in sleep length: 2019; 28:
A cohort study with
e12658
linkage to records on
daily working hours

韓国の病院で働い
ていた非高血圧の 後向きコホート
シフト(夜勤)勤務 研究
者1372人

クイックリターンは、高血圧発症に関係したが(HR1.88 、
95%CI: 1.00-3.54)、夜勤の連続は関係しなかった。クイッ
性別、年齢、喫煙の有無、
クリターン群で2~3日連続して夜勤をした場合(HR3.33 、
アルコール飲料の摂取、
有無
95%CI: 1.18-9.39)、及び4日以上連続して夜勤をした場
運動、BMI、労働時間、シ
(11時間)
合(HR3.79 、95%CI: 1.22-11.76)の高血圧発症のハザー
フト勤務年数
ドは基準群(クイックリターンなし、夜勤の連続なし)と比較
して著しく高くなった。

高血圧の発症についてあ Cho YS,

et al

Short rest between shifts J Hypertens.
and risk of hypertension 2020; 38: 211in hospital workers
217

フィンランドの病院
従業員1716~2781
名(質問に2回以上 前向きコホート
回答し、疲労や睡 研究
眠に変化があった
者)

129

Scand J Work
Environ Health.
2018; 44: 394402