資料2 脳・心臓疾患の労災認定の基準に関する専門検討会報告書 (132 ページ)
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公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_19809.html |
出典情報 | 「脳・心臓疾患の労災認定の基準に関する専門検討会」の報告書を公表します(7/16)《厚生労働省》 |
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調査期間
(発症前)
時間
観察期間
疾病
調査対象
調査方法
調整因子
結果
有意性
著者名
タイトル
書誌情報
1
1週間あたりの労働時間
30-45時間(対照群)、55 時間以上(長時間労働)
2018年7月に
PubMedによる文献 検索
-
労働時間が55時間/週以上では、対照群の30-45時間
長時間労働(週
/週と比較して心血管疾患のリスクが1.12倍(95%CI:
Virtanen
55時間以上)あ
1.03-1.21)で、脳血管疾患のリスクが1.21倍(95%CI:
M, et al
り
1.01-1.45)であった。
Curr Cardiol Rep.
Long Working Hours and Risk of
2018; 20: 123
Cardiovascular Disease
文献31
2
1週間あたりの労働時間
が35時間未満、35-40時
間(対照群)、41-48時 間、49-54時間、55時間
以上
ヨーロッパ、アメリカ、オー
ストラリアの24のコホートか
PubMedとEmbase
らの25の研究。うち、冠動 システマティック
冠動脈性心疾患、
開始から2014年8
脈性心疾患の発症につい レビュー、メタア 脳血管疾患
月20日までの文献
ては22研究598,470人、脳 ナリシス
血管疾患の発症について
は14研究520,925人。
対照群と比較して、長時間労働(週55時間以上)は冠
長時間労働(週
動脈性心疾患(RR 1.13、95%CI: 1.02–1.26)および脳
Kivimäki
55時間以上)あ
血管疾患(RR1.33、95%CI: 1.11–1.61)を発症するリスク
M, et al
り
が高かった。
Long working hours and risk of
coronary heart disease and
Lancet. 2015; 386:
stroke a systematic review and
1739-1746
meta-analysis of published and
文献28
unpublished data for 603 838
individuals
3
「短期労働時間」(前週
の労働時間を≤40、
40.1-45、45.1-50、50.155、55.1-60、>60時
発症前週
2010年11月から
間)、「長期労働時間」
発症前3か月 2011年10月まで
(過去3か月間の週平均
労働時間を≤40、40.144、44.1-48、48.1-52、
>52)
CVD(脳梗塞、脳内
出血、くも膜下出
血、急性心筋梗塞)
の発症
短期的にも、長期的にも、CVDリスクのオッズ比(OR)
は、対照群と比較して、労働時間が長い群で増加した
(短期労働時間の場合、50.1-60時間労働:OR 1.85、
95%CI: 1.22-2.81、60時間以上:OR 4.23、95%CI: 2.816.39、長期労働時間の場合、48.1-52時間労働:OR
1.73、95%CI: 1.03-2.90、52時間以上:OR 3.46、95%CI:
2.38-5.03)。
韓国人労働者における労働時
間と心血管疾患 症例対照研究
(Working hours and
J Occup Health.
cardiovascular disease in
2014; 55: 385-391
Korean workers: A case-control
Study)
4
1週間あたりの労働時間
が35時間未満、35-40時
間、41-48時間、49-54
時間、55時間以上
1.5年で4回
にわたって通 1999年-2013年か
常の労働時間 ら2014年まで追跡
を聞き取り
1999年から2013年までにデ
脳出血及び脳梗塞
ンマークに居住していた、
を含む脳血管疾患
調査開始時に20-64歳の労 コホート研究
の発症(入院また
働者(週35時間以上労働)
は死亡)
149,811人
5
発症前7日間及び発症
3か月前から 8日前の平
均的な勤務時間をそれ
ぞれハザード期、コント
ロール期とした
発症前7日間
(発症前3か月
2009年
から8日前の
平均と比較)
脳血管疾患(脳梗
塞、脳出血及びくも
2009年に労災補償を申請し
膜下出血)、心血管
症例クロスオー 年齢、性別、喫煙習慣、高血
た労働者で、心血管疾患を
疾患(心筋梗塞及
バー研究
圧、糖尿病、脂質異常症
発症した1,042人
び大動脈瘤解離)
の発症
6
7
1週間あたりの労働時間
が35-40時間(対照群)、 国勢調査前4
41-48時間、49-54時
週間
間、55時間以上
労働時間
仕事量の調整不能
発症2~3年
前
2001年から2009年
死亡
までの8.7年間
-
脳卒中
-
メタアナリシス
登録された824の症例のう
ち、特定の2病院に由来す
る711人から、不就業、再
症例対象研究
発、誤診断、労働時間に関
する情報が不足した者を除
外した、348人
2001年の英国国勢調査時
に20-59/64歳(公的な退職
年齢)であった北アイルラン 前向きコホート
ドのフルタイム雇用の
研究
414,949人(男性270,011人、
女性144,938人)
長野市において40-64歳で
脳卒中を発症した住民(138
症例対照研究
人)と発症していない住民
(276人)を対象
教育のレベル、高血圧、糖尿
病、運動、BMI、喫煙及びアル
コール摂取レベル
週55時間以上労働する群は、対照群と比較して、脳血
管疾患の発症リスクに有意な差はなかった(RR 0.89、
性別、年齢、調査実施年、調査 95%CI: 0.69-1.16)。
開始から追跡終了までの期間及 労働時間の1つのカテゴリー増加あたりの推定率比
び社会経済的地位で調整
は、脳出血で1.15(95%CI: 1.02-1.31)で有意であった。
脳血管疾患全体と脳梗塞に関しては有意な差はなかっ
た。
長時間労働あり
長時間労働あり
(脳出血)
Hannerz
なし(脳血管疾
H et, al
患全体、脳梗
塞)
コントロール期と比較して、10時間の労働時間増加と、 長時間労働(週
Shin KS,
脳血管-心血管疾患発症リスクとの間に有意な関連が 当たり10時間の
et al
見られた(OR 1.45、95%CI: 1.22-1.72)。
増加)あり
職業階層を考慮しない男女別の解析の結果、いずれ
の労働時間も、総死亡率との有意な関連は見られな
かった。
職業階層(管理職、中間職、自営業、単純労働職)別の
解析の結果、男性では、55時間/週以上労働の単純労
年齢、配偶者の有無、扶養して
働職のみ総死亡のリスクの増加と関連していた
いる子供の数、介護義務の有
(HR1.31、95%CI: 1.11-1.55)。単純労働職の死因別解
無、職業階層、長期の病気と一
析では、全心血管疾患(HR1.49、95%CI: 1.10-2.00)虚
般的な健康の制限の有無
血性心疾患(HR1.53、95%CI: 1.08-2.17)、脳血管疾患
(HR2.65、95%CI: 1.28-5.50)等による死亡リスクも有意
であった。女性では、いずれの職業階層でも、労働時
間と総死亡、死因別の死亡に有意な関連は見られな
かった。
122
Scand J Public
Long working hours and stroke
Health. 2018; 46:
among employees in the general
368-374
workforce of Denmark
文献30
The effect of longworking hours
on cerebrovascular and
Am J Ind Med.
cardiovascular disease; acase- 2017; 60: 753–761
crossover study
なし
(単純労働職の
O’Reilly
長時間労働(55
D&
時間/週以上)
Rosato M
あり(総死亡、
全心血管疾患、
脳血管疾患)
多重ロジスティック回帰分析では性別と年齢を強制投
入し、その他の因子はステップワイズ法を用いてモデ
ルを作成した。分析したORは以下のとおり。①高血圧
(OR 12.6)、②喫煙(OR 8.8)、③油を使う料理をほぼ毎
日食べる(OR 8.3)、④味付けの濃い料理をほぼ毎日
なし
食べる(OR 5.7)、⑤自分の判断で仕事量や期限を調
整できない(OR 5.3)、⑥卵・卵料理をほぼ毎日食べる
(OR 5.3)、⑦高年齢(OR 3.8)、⑧近親者の脳卒中歴
(OR 3.0)。脳卒中発症群138人において労働時間8時
間以上は40.8%(対照群と有意差なし) 。
-
Jeong I,
et al
Worked to death? A censusbased longitudinal study of the
relationship between the
numbers of hours spent working
and mortality risk
Int J Epidemiol.
2013; 42: 1820–
1830
文献27
働き盛り世代における脳卒中発
巴山玉蓮
厚生の指標. 2005;
症の生活背景要因に関する研
ら
52: 19-25
究