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資料2 脳・心臓疾患の労災認定の基準に関する専門検討会報告書 (125 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_19809.html
出典情報 「脳・心臓疾患の労災認定の基準に関する専門検討会」の報告書を公表します(7/16)《厚生労働省》
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1 睡眠時間と脳・心臓疾患の発症等に関する文献(疫学調査) (2)心臓疾患に関するもの(55文献)
調査期間
(発病前)

時間

8

各調査の定義

-

9

短時間(6時間以下)、
適切(7-9時間)、長時
間睡眠(10時間以上)

10

6時間未満、6時間以上
ベースライン
7時間未満、7時間以上
の睡眠時間
8時間未満、8時間以上
(自己申告)
9時間未満、9時間以上

11

6時間未満、6-6.9、77.9及び8時間以上

観察期間

調査対象

糖尿病、高血圧、
5,172,710人の参加者を含
2013年10月、2014 心血管疾患、脳血
む153の研究(死亡36、心
年10月と2016年5 管疾患、冠動脈性
血管疾患24、冠動脈性心

心疾患、肥満、うつ
疾患19の研究)
状態

平均睡眠時間 2010年

ベースライン
の睡眠時間

疾病

23,620人(平均年齢48.853.9歳、女性57.9-65.9%)

心血管疾患、冠動 35-54歳の富山県の軽金
1994年から2007年
脈性心疾患、脳血 属工場の男性労働者のう
までの14年間
管疾患発症
ち2,282人

調整因子

コホート研究

結果
メタ回帰分析により、統計的に有意な死亡率の増加と6
時間未満の睡眠時間との間に線形の関連性が見られ
た。短い睡眠時間は、死亡率の増加と有意に関連して
いた(RR 1.12、95%CI: 1.08-1.16)。また、心血管疾患
(RR1.16、95%CI: 1.10-1.23)、冠動脈性心疾患
(RR1.26、95%CI: 1.15-1.38)とも有意に関連していた。

システマティック
レビュー

米国の14の州のうち、45歳
以上の成人54,269人(対象
慢性疾患(冠動脈 の33.1%が65歳以上、52.8%
性心疾患、脳血管 が女性、非ヒスパニック系 横断研究
疾患、糖尿病)
白人76.5%、非ヒスパニック
系黒人5.7%、ヒスパニック系
10.2%)

慢性疾患(糖尿
2007年まで(平均追
病、心筋梗塞、脳
跡期間は7.8年)
血管疾患)

発症前1週間
2008年1月から
の平均睡眠時
2011年11月の間


調査方法

有意性

著者名

6時間未満あり
(死亡率)
短い睡眠あり Itani O,
(心血管疾患、 et al
冠動脈性心疾
患)

12

1日あたり6時間未満、
6-8時間、8時間超

13

虚血性心疾患によ
6時間未満、6-7時間、8 睡眠時間を申 1970年-1971年か る死亡(ICD-8の
時間以上

ら追跡30年間
410-414、ICD-10
のI20-I25)

14

1993年から1997年の間に
オランダの3つの街
(Doetinchem、Maastricht、
Amsterdam)でランダムにリ
6時間以下、7または8時 通常の睡眠時 10-15年(平均11.9 心血管疾患及び冠 クルートされた23,033人の
コホート研究
間、9時間以上

年)
動脈疾患の発症
うち、情報に欠損がある者
を除いた20~65歳平均
41.4-44.3歳)の20,432人
(男性9,217人、女性11,215
人)

書誌情報

Short sleep duration and health
outcomes: a systematic review,
meta-analysis, and metaregression

Sleep Med.
2017; 32: 246256
文献26

モデル1:未調整
モデル2:性別、年齢、人種及び民族、
教育歴
モデル3:モデル2の因子+肥満
モデル4:モデル2の因子+精神的苦痛

モデル2の解析の結果、6時間以下、10時間以上のい
Sleep duration and chronic
ずれの睡眠時間も、冠動脈性心疾患(OR1.45、95%CI:
diseases among U.S. adults age
1.29-1.63;OR1.92、95%CI: 1.52-2.43)、脳血管疾患
6時間以下、10 Liu Y, et
Sleep. 2013; 36:
45 years and older: evidence
(OR1.34、95%CI: 1.14-1.59;OR2.47、95%CI: 1.89時間以上あり al
1421-1427
from the 2010 Behavioral Risk
3.22)、糖尿病(OR1.34、95%CI: 1.20-1.49;OR1.96、
Factor Surveillance System
95%CI: 1.60-2.39)のリスク増加と有意に関連していた。

年齢、性別、社会経済的要因、睡眠障
害の有無、飲料からのアルコール摂取
量、喫煙状態、身体活動量、雇用状況、
教育レベル、BMI、ウエストヒップ比、
ベースラインでの高血圧有無及び高血
中脂質の既往、カフェイン入り飲料の摂
取量、生活への満足度、健康への満足
度、抗うつ剤の摂取有無

6時間未満の群では、脳血管疾患(HR2.06、95%CI:
1.18-3.59)、慢性疾患全体(糖尿病、心筋梗塞、脳血
管疾患のいずれか)(HR1.31、95%CI: 1.10-1.55)のリス
クが有意に増加した。それ以外の睡眠時間では、有意
な関連は見られなかった。

6時間未満あり
(慢性疾患全
von
体)
Ruesten
それ以外の睡 A, et al
眠時間なし

モデル1:年齢
モデル2:モデル1の因子+仕事の種
類、労働時間、精神的負荷
6時間未満の睡眠は、心血管疾患(HR3.49、95%CI:
前向きコホート モデル3:モデル2の因子+BMI、平均血
Hamazaki
1.30-9.40)及び冠動脈性心疾患(HR4.95、95%CI: 1.31- 6時間未満あり
研究
圧、HbA1c、総コレステロール値、現在
Y, et al
18.73)の発症リスクの増加と関連していた。
の喫煙習慣、飲酒習慣、余暇の身体活
動、及び高血圧、糖尿病及び高コレステ
ロール血症のための服薬状況

台湾において、急性心筋梗
塞または重度の冠状動脈
性心疾患と診断された23歳
急性心筋梗塞また から60歳未満の男性322人
は重度の冠状動脈 (急性心筋梗塞134人、重 症例対照研究
性心疾患の発症
度の冠状動脈性心疾患
188人)と、対照として全国
調査から選ばれた男性644


タイトル

年齢と学歴

年齢、ライフスタイル要因(アルコール摂
コペンハーゲンの男性のう
取、喫煙、余暇の身体活動)、臨床、健
ち、心血管疾患の既往があ 前向きコホート
康関連要因(BMI,、収縮期血圧、拡張期
る男性を除外した5,249人 研究
血圧、糖尿病、高血圧、体力)、社会階
(40〜59歳)
級を段階的に追加

モデル1:年齢及び性別
モデル2:モデル1の因子+喫煙状況、ア
ルコール、コーヒーの摂取
モデル3:モデル2の因子+主観的健康
観、学歴
モデル4:モデル3の因子+総/HDLコレ
ステロール比、収縮期血圧、冠動脈疾
患に対する服薬、及びⅡ型糖尿病

115

Association of sleep duration
with chronic diseases in the
PLos One.
European Prospective
2012; 7: e30972
Investigation into Cancer and
Nutrition (EPIC)-Potsdam study

The effects of sleep duration
on the incidence of
cardiovascular events among
middleaged male workers in
japan

Scand J Work
Environ Health.
2011; 37: 411417

Working hours, sleep duration
睡眠時間が6時間未満の場合、対照群の6-9時間と比 6時間未満あり
and the risk of acute coronary
Cheng Y,
較して、冠状動脈性心疾患のリスクが増加することが (冠状動脈性心
heart disease: a case-control
et al
認められた(OR3.0、95%CI: 2.3-3.9)。
疾患)
study of middle-aged men in
Taiwan

Int J Cardiol.
2014; 171: 419422

6時間未満の睡眠は、虚血性心疾患の死亡リスクの増
加とは関連していた(HR1.46、95%CI: 1.07-2.00)が、総
死亡率とは関連が見られなかった(HR1.06、95%CI:
0.90-1.25)。8時間以上の虚血性心疾患、全死亡のHR
は、それぞれ1.20(95%CI: 0.97-1.49)、0.99(95%CI:
0.84-1.09)であった。

Scand J Work
Environ Health.
2013; 39: 550558

Sleepduration and ischemic
6時間未満あり
heart disease and all-cause
(虚血性心疾
Garde
mortality: prospectivecohort
患)
AH, et al study on effects of
8時間以上なし
tranquilizers/hypnotics and
perceived stress

モデル3では対照群と比較して、短時間睡眠(6時間以
下)は、心血管疾患のリスクが15%高く(HR1.15、95%CI:
Sleep duration and sleep quality
Hoevenaa
1.00-1.32)、冠動脈性心疾患のリスクが23%高かった 6時間以下あり
in relation to 12-year
Sleep. 2011; 34:
r-Blom
(HR1.23、95%CI: 1.04-1.45)。9時間以上では、心血管 9時間以上なし
cardiovascular disease
1487-1492
MP, et al
疾患と冠動脈疾患のいずれとも有意な関連は見られ
incidence: the MORGEN study
なかった。