資料2 脳・心臓疾患の労災認定の基準に関する専門検討会報告書 (156 ページ)
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公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_19809.html |
出典情報 | 「脳・心臓疾患の労災認定の基準に関する専門検討会」の報告書を公表します(7/16)《厚生労働省》 |
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調査期間
(発症前)
負荷要因
観察期間
疾病
調査対象
50
社会的結びつ
きの欠如
10年間
(ベースラ
10年間フォロー 死亡(致死的冠動脈性
イン時と8
アップ
心疾患)
年後に測
定)
51
精神ストレス
(本文献では、
精神ストレスと
心血管疾患発
症の正の相関
は、報告バイア
スによる人工産
物ではないかと
考察している)
21年間
(ベースラ
21年間フォロー 心血管疾患(CVD)、冠 スコットランドの27の職場に勤務して
イン時と5
アップ
動脈性心疾患(CHD)
いる男性2,623人を対象
年後に測
定)
業務の見通し
の低さ(長期的
な急性MIのリス
クを高める)
14年間
(ベースラ
18年間
イン時に
調査)
53
業務負担
19年間
1986-1999年ま
(ベースラ
でフォローアッ 虚血性心疾患
イン時に
プ
調査)
54
連続短時間睡
短期間:10
眠
日間・回復 心理的ストレッ
期4日間
サー
55
睡眠障害(精神
的・肉体的スト
レスに起因する
と考えられる)
52
-
心筋梗塞(MI)
健康・医療関連産業(歯科医、獣医
師、薬剤師等)に勤務する米国の男
性28,369人(42-77歳)を対象
調査方法
調整因子
結果
コホート研究
年齢、期間、職業、喫煙
歴、アルコール摂取量、
BMI、身体活動量、家事
の有無、就労形態、高
血圧、糖尿病、高コレス
テロール血症、心筋梗
塞の家族歴、エネル
ギー摂取量、全脂肪、
飽和脂肪、葉酸、繊維
量、マルチビタミン及び
ビタミンEのサプリメント
使用
コホート研究
狭心症の罹患率と発生率は、自覚するストレスが増えるとと
もに増加した(OR 2.66、95%CI: 1.61-4.41)。高ストレス群は低
ストレス群と比較し、入院する割合がすべての入院で1.13倍
狭心症及び虚血発症年 (95%CI: 1.01-1.27)、CVD1.20倍(95%CI: 1.00-1.45)、精神疾
齢
患2.34倍(95%CI: 1.41-3.91)であり、これらはすべて有意に高
かった。しかし、高ストレス群では、CHDによる入院の増加は
見られず、全死因死亡、CVDによる死亡、CHDによる死亡に
関しては、低ストレス群の方が高いという逆相関が見られた。
有意性
著者名
社会的な結びつきの弱い男性は、結びつきの強い男性に比
べ死亡の相対危険度が1.19(95%CI: 1.06-1.34)であった。社 社会的な結びつ
会的な結びつきの弱い男性は、致死的冠動脈心疾患のリス きの弱い男性あ Eng PM, et al
クが増加し(相対危険度 1.82、95%CI: 1.02-3.23)、事故死、 り
自殺死、がん、心臓疾患による死亡も増加していた。
タイトル
Social ties and change in social
ties in relation to subsequent Am J Epidem.
total and cause-specifi c
2002; 155: 700–
mortality and coronary heart
709
disease incidence in men
あり(狭心症、
CVDによる入院
割合)
Psychological stress and
なし・逆相関
cardiovascular disease:
BMJ. 2002; 324:
(CHDによる入院 Macleod J, et al empirical demonstration of bias
1247–1251
増加、全死因死
in a prospective observational
亡、CVDによる死
study of Scottish men
亡、CHDによる死
亡)
急性MIと職場の心理的環境の関連を年齢や血圧、糖尿病の
既往等で調整した上で調べると、MIのリスクは仕事の見通し
Lack of predictability at work
(predictability)の低さと関連し(モデル1 HR1.13、95%CI:
and risk of acute myocardial
1.02-1.26)、決定権限(decision autonomy)や技術の裁量
45-54歳の見通し Väänänen A, et
infarction: an 18-year
(skill discretion)とは関連がなかった(HR 1.04 95%CI: 0.93- の低さあり
al
prospective study of industrial
1.15、HR 1.10 95%CI: 0.98-1.23)。45-54歳では、見通しの低
employees
さはMIと有意に関連があり(p=0.02)、決定権限(p=0.53)、技
術の裁量(p<0.10)との有意な関連は認められなかった。
心筋梗塞(MI)の既往のないフィンラ
ンドの民間企業勤務者7,663人(男性
コホート研究
5,947人、ブルーカラー5,173人)を対
象
-
デンマークの労働者(男性659人)を
対象
自己申告に基づく業務負担は、標準的な冠動脈危険因子と
は関係なく、虚血性心疾患と有意な関連を示した。業務負担
Psychological job demands
年齢、社会階級、社会 のうち、より高い要求度がこの結果に関連していた。また、虚 自己申告に基づ
Netterstrøm B, increase the risk of ischaemic
的ネットワーク、冠動脈 血性心疾患の発生率は、雇用主や管理職でも高いことを示 く業務負担あり
et al
heart disease: A 14-year cohort
危険因子
しており、肩書や給与等から算出した客観的職場ストレスを ストレスなし
study of employed Danish men
用いた解析では、ストレスと虚血性心疾患の発症との間には
有意な関連は見られなかった。
コホート研究
脳・心血管疾患
条件(健常男性、朝型-夜型テストで
中間型、非喫煙者、睡眠に悩みを持
たない、睡眠薬の非服用、キーボード 介入研究
入力可能)を満たす日本人男性16人
(平均27.3歳、19-38歳)を対象
大動脈解離(ADD)
日本における大動脈解離(ADD)患者
横断研究
139人(男性107人、女性32人、平均
54.3±8.5歳)を対象
書誌情報
Am J Public
Health. 2008;
98: 2264-2271
Eur J
Cardiovasc
Prev Rehabil.
2006; 13: 414420
-
英文転写問題の課題による心理的ストレスが10日間にわた
る5時間睡眠とその後の回復夜の睡眠構築に与える影響を
心理的ストレスあ
検討し、課題未達成群において、レム睡眠潜時の短縮とレム
り(レム睡眠の発 久保智英ら
睡眠の増加が見られた(p<0.05)。4日間の回復夜を得ても回
現)
復しなかったことから、心理的ストレスがレム睡眠の発現に
影響を及ぼすと推測。
ノルマによる心理的ストレスが 労働科学.
連続睡眠短縮夜とその後の回 2008; 84: 119復夜の睡眠構築に及ぼす影響 128
-
ADD患者139人のうち、70人(50.4%)が睡眠障害であった。
睡眠障害の内訳は睡眠障害が35人(50%)、睡眠不足が31
人(44.3%)、睡眠時無呼吸症候群は43人(61.4%)であっ
た。これらの患者のほとんどが職場ストレスにより不規則な
生活を送っており、66人(94.3%)は日常生活で重度の精神
的ストレスを訴えた。
労働人口における睡眠障害と大
動脈解離
Surgery Today.
(Sleep disorders and aortic
2012; 42: 403dissection in a working
405
population)
146
-
Hata M, et al