資料2 脳・心臓疾患の労災認定の基準に関する専門検討会報告書 (124 ページ)
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公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_19809.html |
出典情報 | 「脳・心臓疾患の労災認定の基準に関する専門検討会」の報告書を公表します(7/16)《厚生労働省》 |
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調査期間
(発病前)
時間
1
2
観察期間
5時間以下、6-8時間、9
時間以上
過去1年間及
1996年9月から
週あたりの睡眠時間5時 び過去1か月
1998年9月
間以下の日数は、0日、 間の睡眠時間
1日、2日以上
5時間、6時間、7時間、8
通常の平均睡 1997年10月から
時間、9時間、10時間、
眠時間
2001年5月まで
11/12時間
疾病
調査対象
調査方法
調整因子
アテローム性動脈
ドイツ北東沿岸部の一般集
硬化のリスク因子
団を対象とした参加者
横断研究
である頸動脈内膜
2,437人(45-81歳)
中膜厚の肥大
年齢・性別調整モデルのほか
モデル1(生活様式):喫煙状況、アル
コール摂取、身体的活動、シフト勤務
モデル2(社会経済的):家庭の月間収
入、婚姻歴、学歴、職業
モデル3(生化学):BMI、総コレステロー
ル/HDL、糖尿病、心筋梗塞、高血圧
フルモデル:モデル1からモデル3までの
因子すべて
フルモデルによる解析の結果、睡眠時間ごとの推定値
は、睡眠時間5時間0.038(95%CI: 0.002-0.074)、6時間
0.007(95%CI: -0.012-0.027)、7時間0.001(95%CI: 0.015-0.018)、9時間0.022(95%CI: 0.000-0.045)、10時 5時間あり、9時 Wolff B,
間0.043(95%CI: 0.015-0.070)、11/12時間0.065(95%CI: 間以上あり
et al
0.017-0.113)であった。すべてのモデルを用いた解析
の結果、11/12時間では頸動脈内膜中膜厚が有意に
大きいと示された。
Relation of self-reported sleep
Atherosclerosis
duration with carotid intima. 2008; 196:
media thickness in a general
727-732
population sample
調整モデルは、性別、年齢、人種、婚姻
歴、学歴、自己申告による健康状態、喫
Full modelによる解析の結果、心血管疾患による死亡
煙状況、喫煙量、禁煙後の年月(0を含
5時間未満あり Xiao Q,
率のHRは5時間未満の群で1.25(95%CI: 1.13-1.38)、9
む)、アルコール摂取(Full modelは身体
9時間以上なし et al
時間以上の群で1.07(95%CI: 0.97-1.17)であった。
活動(MVPA)、テレビの視聴、BMIをそ
れぞれ追加)
4
冠動脈性心疾患及
86,329人(50-79歳)
び心血管疾患
5時間以下、6時間、7時 過去1年間の 1993年-2006年ま
間、8時間、9時間以上 平均睡眠時間 で
年齢、性別
多変量調整モデル:年齢、性別に加え
1993-1998年にコホートに
て、方言グループ(広東語、福建語)、学
登録されたシンガポールの
歴、リクルート年、BMI、喫煙習慣、アル
冠動脈性心疾患に 中国人成人のうち、冠状動 前向きコホート コール摂取量、中程度の身体活動の頻
よる死亡
脈性心疾患の既往のない 研究
度、総エネルギー摂取量、果物、野菜、
45-74歳の58,044人(女性
食物繊維、総脂肪及びコレステロール
58.95%)
の摂取量、ビタミン/ミネラルサプリメント
の使用有無、閉経状態及び閉経後ホル
モン補充療法の使用経験
7
短時間睡眠(5-6時間未
満)
長時間睡眠(8-9時間以
上)
書誌情報
Overtime work, insufficient
sleep, and risk of non-fatal
acute myocardial infarction in
Japanese men
過去10年間の 1995年-1996年か
心血管疾患、がん、呼吸器
心血管疾患及びが
通常の睡眠時 ら2011年末まで(平
疾患を有さない米国の51- コホート研究
んによる死亡
間
均14年間)
72歳の男女239,896人
毎日の睡眠時
追跡期間は10年
間
タイトル
過去1年間における勤務日の睡眠時間5時間以下の
群、及び睡眠時間5時間未満が週2日以上の群におい
て、それぞれOR2.5、95%CI: 1.1-5.3;OR2.1、95%CI:
Liu Y &
0.9-4.6。
5時間以下あり
Tanaka H
過去1か月間については、睡眠時間5時間未満の日が
2日以上の群のオッズ比(OR3.6、95%CI: 1.9-6.9)が有
意に高かった。
過去4週間の
5時間以下、6、7-8、9、
平均追跡期間は
典型的な睡眠
10時間以上
10.3年
時間
5時間未満、6、7、8時
間、9時間以上
著者名
解析モデル:高血圧、糖尿病、高脂血
症、過体重、喫煙、アルコール摂取、両
親の既往歴(狭心症及び心筋梗塞)、職
種(ホワイトカラーまたはブルーカ
ラー)、労働の運動量
5時間未満、5-6時間、
7-8時間、9時間以上
6
有意性
1996-1998年の間に急性
急性心筋梗塞の発 心筋梗塞を発症して入院し
症例対照研究
症
た男性労働者(40-79歳)
260人
3
5
結果
米国のNurses’ Health
冠動脈性心疾患発
Studyに登録された45-65
症
歳の女性71,617人
冠動脈性心疾患
追跡期間6.9年-25 (CHD)、脳卒中、
年
全心血管疾患
(CVD)
短時間(5時間以下)及び長時間(10時間以上)の睡眠
年齢、人種、教育、収入、喫煙、BMI、身 時間は、年齢調整、人種調整モデルで冠動脈性心疾
前向きコホート
体活動、アルコール摂取、うつ病、糖尿 患及び心血管疾患発症率の増加が見られたが、完全
研究
病、高血圧、高脂血症、併存疾患
調整モデルでは有意ではなかった。6時間睡眠、9時間
睡眠では有意な関連はみられなかった。
年齢、シフト勤務の有無、高コレステ
ロール血症、BMI、身体活動レベル、ア
前向きコホート
ルコール摂取、うつ、アスピリンの使用、
研究
閉経後のホルモン使用、心筋梗塞の家
族歴
15の研究(日本、アメリカ、
ヨーロッパ等の24のコホー
システマティック
ト)の474,684人の男女。発
レビュー、メタア 症例16,067人(冠動脈性心
ナリシス
疾患4,169人、脳卒中3,478
人、心血管疾患8,420人)
114
Sleep duration and total and
cause-specific mortality in a
large us cohort:
interrelationships with
physicalactivity, sedentary
behavior, and body mass index
5時間以下、10
Sleep duration, insomnia, and
時間以上あり Sandscoronary heart disease among
(年齢調整及び Lincoln M
postmenopausal women in the
人種調整モデ ,et al
women's health initiative
ル)
多変量調整モデルによる解析の結果、対照群と比較し
て、短い睡眠時間(5時間以下)と長い睡眠時間(9時間
以上)の両方が、冠状動脈性心疾患による死亡率と関 5時間以下あり Shankar
連していた(それぞれHR1.57、95%CI: 1.32-1.88、
9時間以上あり A, et al
HR1.79、95%CI: 1.48-2.17)。性別とBMIによるサブグ
ループ解析においても、同様の結果が得られた。
Occup Environ
Med. 2002; 59:
447-451
Am J Epidemiol.
2014; 180: 9971006
J Womens
Health
(Larchant).
2013; 22: 477486
Sleep duration and coronary
Am J Epidemiol.
heart disease mortality among
2008; 168:
chinese adults in singapore: A
1367-1373
population-based cohort study
短い睡眠時間(5時間未満)は冠動脈性心疾患発症の
リスク増加と関連していた(HR1.45、95%CI: 1.101.92)。糖尿と高血圧を調整するとHR1.39(1.05-1.84)
A prospective study of sleep
5時間未満あり Ayas NT,
だが、6時間睡眠、7時間睡眠では有意ではなかった。
duration and coronary heart
9時間以上あり et al
9時間以上の睡眠でも有意な関連が見られた
disease in women
(HR1.38、95%CI: 1.03-1.86)。糖尿と高血圧調整後は
HR1.37(1.02-1.85)であった。
Arch Intern
Med. 2003; 163:
205-209
短時間睡眠(5-6時間以下)はCHD(相対危険度1.48、
95%CI: 1.22-1.80)及び脳卒中(相対危険度1.15、
95%CI: 1.00-1.31)の発症又は死亡と有意な関連が見
られたが、CVDとは関連が見られなかった(相対危険
度1.03、95%CI: 0.93-1.15)。
長時間睡眠(8-9時間超)は、CHD(相対危険度1.38、
95%CI: 1.15-1.66)、脳卒中(相対危険度1.65、95%CI:
4.45-4.87)、CVD(相対危険度1.41、95%CI: 1.19-1.68)
全てのリスクを有意に増加させた。
Eur Heart J.
2011; 32: 14841492
文献22
短時間睡眠(5Sleep duration predicts
6時間以下)あ Cappucci cardiovascular outcomes : A
り(CHD)
o FP, et systematic review and meta長時間睡眠あり al
analysis of prospective cohort
(CHD、CVD)
studies