資料2 脳・心臓疾患の労災認定の基準に関する専門検討会報告書 (135 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_19809.html |
出典情報 | 「脳・心臓疾患の労災認定の基準に関する専門検討会」の報告書を公表します(7/16)《厚生労働省》 |
ページ画像
プレーンテキスト
資料テキストはコンピュータによる自動処理で生成されており、完全に資料と一致しない場合があります。
テキストをコピーしてご利用いただく際は資料と付け合わせてご確認ください。
調査期間
(発病前)
時間
観察期間
疾病
調査対象
調査方法
東ネパールの20-59歳の男
性労働者を対象に抽出され
た20-55歳の労働者494人 横断研究
(平均33.56±8.75歳)(対象
の40.7%が20-29歳)
調整因子
結果
有意性
著者名
9
10
週あたりの労働時間
45、50、55、60、65、70、 10年間
75時間
11
週あたり40時間以下、
41-45時間、46時間以上
12
発症前7日間及び発症
3か月前から 8日前の平
均的な勤務時間をそれ
ぞれハザード期、コント
ロール期とした
13
報告された残業、毎日
の労働時間(長時間労
働の定義のカットポイン
トが10時間以上または
11時間以上の範囲)、ま たは毎週の労働時間
(長時間のカットポイント
は、>40時間から>65時
間の範囲)
1966年から2011年
1月19日まで
14
長時間労働のカットオフ
ポイントは、週に40時間 以上
2000年から2002年
狭心症の症状の有 フィンランドのヘルシンキ市
横断研究
無
の40-60歳の女性7,093人
年齢、社会経済的状態、健康行 長時間労働あり(OR 1.414、95%CI: 1.059-1.888)、仕事
Lallukka
動(喫煙、暴飲、肥満度指数)及 の管理の低さ(「高い」OR 0.933、「低い」OR1.496、「非 長時間労働あり
T, et al
び閉経
常に低い」OR 2.036)が狭心症症状に関連していた。
15
40時間を超えている文
献と、1週間あたりの平
均労働時間に1標準偏 差(SD)を加えた時間が
40時間以上の文献
1996年1月から
2001年7月まで
-
-
16
長時間労働は各文献の
基準
MEDLINE検索2011
年1月、Web of
Science検索2011
年3月
17
①ベースラインでの週あ
たりの労働日数(3日、5
日、7日)、②ベースライ
ンでの 1日あたりの労
ベースライン
働時間、③ベースライン
時の週当たり 11年追跡
での週あたりの労働時
労働日数
間、④フォローアップ中
の雇用強度、⑤フォロー
アップ期間中の1年間
の平均労働時間
心血管疾患
心血管疾患(狭心
症、冠状動脈性心
1986年から2011年
疾患、うっ血性心不
まで
全、心臓発作、高
血圧)
追跡は30年間
発症前7日間
(発症前3か月
2009年
から8日前の
平均と比較)
-
1986年に登録された、ベー
スライン時に18歳以上だっ
後ろ向きコホー 年齢、性別、教育、人種/民族、
た対象者のうち、1,926人
ト研究
及び給与状況
(平均年齢32.8±0.3歳、男
性52.4%)
虚血性心疾患によ 40-59歳の男性のうち、
る死亡
5,249人
前向きコホート
研究
12件の研究が選択された(7
システマティック
件の症例対照、4件の前向
レビュー、メタア きコホート研究及び 1件の
ナリシス
横断的研究)
レビュー
Dose-response relation between
J Occup Environ
work hours and cardiovascular
Med . 2016; 58:
disease risk: Findings from the
221-226
panel study of income dynamics
Long work hours and physical
fitness: 30-year risk ofichaemic
Heart. 2010; 96:
heart disease and all-cause
1638–1644
mortality among middle-aged
Caucasian men
コントロール期と比較して、10時間の労働時間増加と、 長時間労働(週
Shin KS,
脳血管-心血管疾患発症リスクとの間に有意な関連が 当たり10時間の
et al
見られた(OR 1.45、95%CI: 1.22-1.72)。
増加)あり
The effect of longworking hours
on cerebrovascular and
Am J Ind Med.
cardiovascular disease; acase- 2017; 60: 753–761
crossover study
長時間労働に対する冠動脈性心疾患の最小調整相対
リスクは1.80(95%CI: 1.42-2.29)で、多変量調整分析で
は相対リスクは1.59(95%CI: 1.23-2.07)であった。4つの
Virtanen
長時間労働あり
前向き研究のメタ分析では、相対リスク1.39(95%CI:
M, et al
1.12-1.72)が得られた。7つの症例研究のメタ分析で
は、相対リスクは2.43(95%CI: 1.81-3.26)であった。
Long working hours and
coronary heart disease a
systematic review and metaanalysis
Am J Epidemiol.
2012; 176: 586596
Associations between working
conditions and angina pectoris
symptoms among employed
women
Psychosom Med.
2006; 68: 348-354
抽出された文献から、死亡率、心血管疾患、糖尿病、
Bannai A The association between long
障害による退職、自己申告による身体的健康状態、疲
&
working hours and health: a
長時間労働あり
労状態を指標とした健康状態の悪さと、長時間労働と
Tamakos systematic review of
の関連が確認された。
hi A
epidemiological evidence
1958年から 2010年に発表
された合計 22,518人の参加 システマティック
者を含む文献 12報(症例対 レビュー、メタア 照研究 7、前向きコホート ナリシス
4、横断研究 1)
621人のフィンランド人男性 前向きコホート
頸動脈内膜中膜厚
労働者
研究
ポアソン回帰分析の解析の結果、週平均労働時間と心
血管疾患発症との間に用量反応関係が観察され、少
Conway
なくとも10年間の平均週労働時間が46時間以上である 46時間以上あり
SH, et al
と、心血管疾患のリスクが増加した(RR 1.01、95%CI:
1.00-1.02)。
週あたりの労働時間が45時間以上の群で、最大酸素
BMI、血圧、糖尿病の治療有
摂取量が低い群では、有意に虚血性心疾患による死 週45時間以上 Holterma
無、高血圧の治療有無、飲酒、
亡のリスク増加が見られたが(HR 2.28、95%CI: 1.10で最大酸素摂 nn A, et
喫煙週間、職業関連身体活動
4.73)、最大酸素摂取量が中程度、高度の群では有意 取量低あり
al
の要求度、社会階級
な関連は見られなかった。
脳血管疾患(脳梗
塞、脳出血及びくも
2009年に労災補償を申請し
膜下出血)、心血管
症例クロスオー 年齢、性別、喫煙習慣、高血
た労働者で、心血管疾患を
疾患(心筋梗塞及
バー研究
圧、糖尿病、脂質異常症
発症した1,042人
び大動脈瘤解離)
の発症
-
書誌情報
A study of occupational
カイ二乗検定とフィッシャーの直接確率法を用いて心血
characteristics and their
Kathmandu Univ
管疾患の発症のオッズ比を評価した結果、1週間あたり
Pyakurel
50時間以上あり
association with cardiovascular Med J (KUMJ).
の労働時間が50時間以上の場合、50時間未満を対照
P, et al
disease among Industrial
2017; 15: 230-234
としたオッズ比が1.98(95%CI: 1.02-3.83)であった。
workers in Eastern Nepal
1週間あたり40-50時
間、50-60時間、60-70
時間、70-80時間、8090時間
2012年7月から
平均労働時間
2013年7月まで
タイトル
長時間労働と冠動脈性疾患のリスクについて、12の研
究(計22,518人の対象者)に関して調整が最小限の相
Virtanen
対危険度は、1.80(95%CI: 1.42-2.29)であった。最大限 長時間労働あり
M, et al
に多変量で調整された相対危険度は、1.59(95%CI:
1.23-2.07)であった。
血糖値、血漿フィブリノーゲン
値、LDLコレステロール値、HDL
コレステロール値、収縮期血圧、
脂質低下薬の服薬期間、降圧
剤の服薬期間、BMI、喫煙習
慣、アルコール摂取量、収入、
ジョブストレスなど
125
全体に対して行われた解析では、ベースライン時の週
あたりの労働日数は頸動脈内膜中膜厚の増加と有意
労働日数あり
に関連していた(RCR 1.14、95%CI: 1.04-1.24)。そのほ
労働時間なし
かの労働時間の指標とは有意な関連が見られなかっ
た。
Scand J Work
Environ Health.
2014; 40: 5–18
Long working hours and alcohol
use: Systematic review and
BMJ. 2015; 350:
meta-analysis of published
g7772
studies and unpublished
individual participant data
Work time and 11-year
Krause N, progression of carotid
et al
atherosclerosis in middle-aged
Finnish men
Prev Chronic Dis.
2009; 6: A13