資料2 脳・心臓疾患の労災認定の基準に関する専門検討会報告書 (116 ページ)
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公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_19809.html |
出典情報 | 「脳・心臓疾患の労災認定の基準に関する専門検討会」の報告書を公表します(7/16)《厚生労働省》 |
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ホート研究でも冠動脈疾患発症に、内臟脂肪蓄積、高血圧、高血糖が危
険因子として重要であることが示されている。
Met S のような危険因子の集積が、動脈硬化性疾患のリスクを高める
ことは、海外の疫学研究やメタ解析、CIRCS 研究、端野・壮瞥町研究や
久山町研究において示されている。
(ク) 慢性腎臓病117
慢性腎臓病(CKD)は末期腎不全のみならず動脈硬化性疾患の高リスク
病態でもあり、これらの複合アウトカムのリスクは、原疾患(Cause)、
糸球体濾過量(GFR)及び蛋白尿(アルブミン尿:Albuminuria)により
大きく異なるため、これらの3要因を用いて CKD 重症度分類(OGA 分類)
が行われている。わが国の成人の約 13%が CKD を有すると推定され、CKD
のスクリーニングは動脈硬化性疾患の包括的リスク管理においても重要
である。
(ケ) 冠動脈疾患の既往118
冠動脈疾患患者の心血管イベント発症率が一次予防患者よりも高いこ
とは、欧米の疫学研究、介入試験などから明らかである。
わが国でも、スタチンを用いた一次予防試験である MEGA Study におけ
る食事療法群の心血管イベント発症率が 2.1/1,000 人年、J-LIT における
一次予防患者の心血管イベント発症率が 0.9/1,000 人年に対して、J-LIT
の 冠 動 脈 疾 患 患 者 で は 4.5/1,000 人 年 、 JELIS の 一 次 予 防 患 者 が
1.6/1,000 人年に対して冠動脈疾患患者は 6.8/1,000 人年である。
また、冠動脈疾患患者の登録研究である JCAD や CREDO-Kyoto Study に
おける心血管イベント発症率は 15/1,000 人年以上である。
(コ) 高尿酸血症119
「高尿酸血症・痛風の治療ガイドライン(第3版)」によれば、高尿酸
血症は、ほかの心血管リスクと独立して冠動脈疾患の罹患率及び死亡率
増加と関連し、血清尿酸値と冠動脈疾患患者における死亡率とは正の相
関関係を認め、この傾向は女性で強く、男性で小さかった。一方、血清
尿酸値低値の集団において、冠動脈疾患患者における死亡率が高かった
117
日本動脈硬化学会. 動脈硬化性疾患予防ガイドライン 2017 年版. 2017; 32
118
日本動脈硬化学会. 動脈硬化性疾患予防ガイドライン 2017 年版. 2017; 35
119
日本痛風・尿酸核酸学会. 高尿酸血症・痛風の治療ガイドライン第3版(2019 年改訂). 診断と治
療社. 2018; 86-88
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