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資料2 脳・心臓疾患の労災認定の基準に関する専門検討会報告書 (51 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_19809.html
出典情報 「脳・心臓疾患の労災認定の基準に関する専門検討会」の報告書を公表します(7/16)《厚生労働省》
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疲労の蓄積をもたらす最も重要な要因と考えられる労働時間に着目すると、
その時間が長いほど、業務の過重性が増すところであり、具体的には、発
症日を起点とした1か月単位の連続した期間をみて、


発症前1か月間ないし6か月間にわたって、1か月当たりおおむね 45
時間を超える時間外労働が認められない場合は、業務と発症との関連性
が弱いが、おおむね 45 時間を超えて時間外労働時間が長くなるほど、業
務と発症との関連性が徐々に強まると評価できること



発症前1か月間におおむね 100 時間又は発症前2か月間ないし6か月
間にわたって、1か月当たりおおむね 80 時間を超える時間外労働が認め
られる場合は、業務と発症との関連性が強いと評価できること

を踏まえて判断すること。
これは、平成 13 年検討会において、長期間にわたる長時間労働やそれ
による睡眠不足に由来する疲労の蓄積が血圧の上昇などを生じさせ、そ
の結果、血管病変等をその自然経過を超えて著しく増悪させる可能性が
あり、長時間労働に着目してみた場合、現在までの研究によって示され
ている1日4~6時間程度の睡眠が確保できない状態が、継続していた
かどうかという視点で検討することが妥当と整理したことによる。
なお、1か月当たりの時間外労働時間おおむね 100 時間は、1日の生活
の中で時間外労働に当てることができる時間数(24 時間から生活を営む
上で必要な睡眠(5時間)・食事等・仕事を引いた時間数)に1か月の平
均勤務日数 21.7 日を乗じた概数であり、1か月当たりの時間外労働時間
おおむね 80 時間は、前記の睡眠を6時間とした概数とされている。
(イ) 睡眠時間と脳・心臓疾患の発症等に関する主要な疫学調査の状況
睡眠時間と脳・心臓疾患の発症等との関係についての疫学調査は多数
あり、様々なコホート研究が行われ、また、それら複数の疫学調査の結
果を統計的に統合したメタアナリシスが実施されている状況にある。
現行認定基準策定後、現時点までの医学的知見をみると、資料2の1
(110 頁)のとおり、睡眠時間と脳・心臓疾患の発症又は死亡との関係に
ついて、多くの文献で6時間未満(又は以下)の睡眠との有意な関連が
みられている。一方で、有意な関連を認めなかった文献、5時間未満
(又は以下)の睡眠とのみ有意な関連を認めた文献も複数ある。全体と
してみると、1日の睡眠時間7時間ないし7~8時間の群を対照群とし
て、それよりも睡眠が短い群も長い群も脳・心臓疾患のリスクが高くな
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