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提案書15(2801頁~2999頁) (188 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000190899_00011.html
出典情報 中央社会保険医療協議会 診療報酬調査専門組織・医療技術評価分科会(令和5年度第1回 11/20)《厚生労働省》
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本邦における蘇原性角化嚢胞の再発率は既報告により14~58%とされている。また、5年累積再発率は38%、10年累積再発率は62%であったとの報告
治癒率、死亡率やQOLの改善等の長期予 もある。本疾患は無痛性に顎骨内に広がりるため、大きく再発した場合には手術侵襲が大きくなり、治癒経過期間が長期化する。歯科特定疾患に
後等のアウトカム
追加されることによって再発が早期発見されることを期待する。
③再評価の根
拠・有効性
ガイドライン等での位置づけ

④普及性の変化
※下記のように推定した根拠

歯科特定疾患療の粘膜疾患に本疾患が追加されたとしても、歯科特定疾患療養管理料の算定の普及性は従来までと大きな変化はないと考える。そ
の理由は、B000-4に掲げる歯科疾患管理料、B000-6に掲げる周術期等口腔機能管理料(Ⅰ)、B000-7に掲げる周術期等口腔機能管理料(Ⅱ)、
B000-8に掲げる周術期等口腔機能管理料(Ⅲ)、C001-3に掲げる歯科在宅療養管理料、C001-5に掲げる在宅患者訪問口腔リハビリテーション指導
管理料又はC001-6に掲げる小児在宅患者訪問口腔リハビリテーション指導管理料を算定している患者に対して行った歯科特定疾患療養管理料は、
別に算定できないからである。
伊東歯科口腔病院のデータであるが、2020年の 顎骨腫瘍摘出術および顎骨嚢胞開窓術が162例あり、その内の歯原性角化嚢胞であったのは2例で
あった。2021年は161例中5例、2022年は184例中6例であった。3年間の累計では、顎骨腫瘍あるいは顎骨嚢胞は507症例であり、そのうち歯原性角
化嚢胞は13症例で、年間平均4.3症例、約2.6%であった。令和3年社会医療診療行為別統計では89件であった。

年間対象者数の
変化
見直し後の症例数(人)

89×12×0026=28人

見直し前の回数(回)

28×4=112回

見直し後の回数(回)

3か月から6か月毎に外来経過観察を行うとすると、症例数の2~4倍の回数を診察すると考える。
当院の規模で考えると、約8~17回/年で、歯科特定疾患療養管理料(170点)を算定(total:1,360点~2,890点/年)することになる。しかし、
その内の多くの患者において、B000-4に掲げる歯科疾患管理料を算定している場合が多いため、歯科特定疾患療養管理料を別に算定することはで
きないからである。、

年間実施回数の
変化等

⑤医療技術の成熟度
・学会等における位置づけ
・難易度(専門性等)

・施設基準
(技術の専門性
等を踏まえ、必
要と考えられる
要件を、項目毎
に記載するこ
と)

ガイドライン等での記載あり(右欄に詳細を記載す
る。)

既に口腔白板症や扁平苔癬などの口腔粘膜疾患や、顎骨に同じように発生する疾患であるエナメル上皮腫に対する診療は行われており、それらに
対する口腔内診察技術と同様であるため、粘膜疾患、顎骨病変に習熟した歯科医師においては必ずしも困難ではなく成熟した技術である。

施設の要件
歯科口腔外科を標榜し、全身麻酔あるいは静脈内鎮静法や局所麻酔下で顎骨腫瘍摘出術や顎骨嚢胞開窓術が可能である施設であることを条件とす
(標榜科、手術件数、検査や手術の体 る。
制等)
人的配置の要件
日本口腔外科学会の専門医又は指導医1名以上が常勤歯科医師として施設に勤務していること、外部委託など何らかの方法で病理組織診断が可能
(医師、看護師等の職種や人数、専門 である施設で算定できる。
性や経験年数等)
その他
(遵守すべきガイドライン等その他の
要件)

⑥安全性
・副作用等のリスクの内容と頻度

口腔内の診察や厳重な経過観察が必要であるため、従来以上に慎重かつ丁寧に十分な時間をかけて診療および指導が行われることとなる。特別な
機器や侵襲を伴う外科手技を伴わないため、極めて安全性が高いと考えられる。

⑦倫理性・社会的妥当性
(問題点があれば必ず記載)

倫理性に問題はない。歯原性角化嚢胞の再発を見逃してしまったことによる患者のQOL低下(顎骨切除による顎堤および歯牙の喪失が生じること
による構音障害、咀嚼・嚥下能の低下、口腔機能低下症の発生のきっかけになってしまう)への影響は計り知れなく大きいことを考えると、歯科
医師による口腔内診察によって歯原性角化嚢胞の再発を早期発見することの社会的な要望、期待度は高いと考えられる。

⑧点数等見直し
の場合
⑨関連して減点
や削除が可能と
考えられる医療
技術(当該医療
技術を含む)

見直し前
見直し後
その根拠
区分

区分をリストから選択

番号
技術名
具体的な内容
増(+)

プラスマイナス

⑩予想影響額

予想影響額(円)

190400円

その根拠

170点×112回(上述)=19040

備考

現在の施設基準と変更する必要はありません。また、他の指導料や管理料との重複算定が不可能であるため国の予算にとってそれほど負担はな
い、と考えます。

⑪算定要件の見直し等によって、新たに使用される医薬
品、医療機器又は体外診断薬

なし

⑫その他

なし

⑬当該申請団体以外の関係学会、代表的研究者等
1)名称

翼口蓋窩に進展した再発歯原性角化嚢胞の一例

2)著者

清川

3)雑誌名、年、月、号、ページ

口腔咽頭科、2018年、31巻、第1号、137~141ページ

4)概要

48歳時に初回手術を施行し、22年後の70歳時に再発した歯原性角化嚢胞の症例報告。再発した病変は多発性に上顎骨から翼口蓋窩に進展してお
り、開口障害が生じていた。病変が大きく進展していたため、上顎全摘出術となった。悪性ではないが、再発・顎骨内進展程度によっては侵襲の
大きな手術になることを報告している。

1)名称

角化嚢胞性歯原性腫瘍再発に関する臨床的検討

2)著者

田口

佑介、野村

文敬、朝蔭 孝宏

⑭参考文献1

貴英、森田

圭一、島田 泰如、小村



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