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提案書15(2801頁~2999頁) (156 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000190899_00011.html
出典情報 中央社会保険医療協議会 診療報酬調査専門組織・医療技術評価分科会(令和5年度第1回 11/20)《厚生労働省》
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医療技術評価提案書(保険未収載技術用)
整理番号

※事務処理用

提案される医療技術名
申請団体名

410101
重度歯周病発症リスク判定細菌検査
一般社団法人

主たる診療科(1つ)
提案される医療
技術が関係する
診療科

日本口腔衛生学会
37歯科・歯科口腔外科
00なし

関連する診療科(2つまで)
00なし

提案される医療技術又は提案される医療技術に類似した医
療技術の提案実績の有無
過去に提案した年度
(複数回提案した場合は、直近の年
度)
「実績あり」の
場合、右欄も記 提案当時の医療技術名
載する

リストから選択

追加のエビデンスの有無

有無をリストから選択

提案される医療技術の概要
(200字以内)

対象疾患名
保険収載が必要な理由
(300字以内)
文字数: 200



歯肉炎患者(G病名)を対象に、最も歯周病原性の高い4菌種【レッドコンプレックス(P. gingivalis , T. denticola , T.
forsythia )、typeII P. gingivalis 】のPCR細菌検査を行う。4菌種全てが検出された場合には、重度歯周炎に移行する蓋
然性が高いバイオフィルムであると判定し、歯周病の重症化予防処置として歯周基本治療と定期歯周疾患管理を行う。
口腔バイオフィルム感染症
過去50年にわたる国内外の研究において同定された4種の歯周病細菌は、歯周炎を発症させるオッズ比が13.3から44.4と非
常に高い(文献1-3)。歯肉炎から歯周炎への移行は歯周基本治療により防ぐことができる(文献4)。歯周炎と全身疾患・
フレイル・健康寿命には因果関係あるいは相関関係がある。本医療技術により歯周病の重症化を防ぐことによりQOLの向
上、健康寿命の延伸、そして医科医療費の抑制が期待できる。

【評価項目】
①提案される医療技術の対象
・疾患、病態、症状、年齢等

20歳以上40歳未満の歯肉炎患者。

②提案される医療技術の内容
・方法、実施頻度、期間等
(具体的に記載する)

歯周組織検査により歯肉炎と診断された患者の歯肉縁下プラーク試料をキュレットにより採取し、採取試料をマイクロ
チューブに移し検査会社に郵送し、結果は1週間後に返送される。オーバートリートメントを避けるため、4菌種全て陽性の
者のみを対象として歯科特定疾患療養管理料を算定し、歯周基本治療と定期歯周疾患管理の継続により歯周炎への重症化を
予防する。

③対象疾患に対
して現在行われ
ている医療技術
(当該医療技術
が検査等であっ
て、複数ある場
合は全て列挙す
ること)

区分



番号
医療技術名

2
歯周病検査

既存の治療法・検査法等の内容

歯周病の診断に必要な歯周ポケット測定、プロービング時の出血の有無、歯の動揺度の検査、プラークの付着状況の検査及
び歯肉の炎症状態の検査

④有効性・効率性
・新規性、効果等について③との比較
・長期予後等のアウトカム

研究結果

歯肉炎は歯周炎発症の前段階であり、歯肉炎の治療により歯周炎への移行を防ぐことができる(文献4)。高病原性の歯周
病細菌は、歯周病を重症化させる蓋然性が高い(文献1-3)。歯周炎発症リスクが低い患者へのオーバートリートメントを
防ぐため、4菌種全て陽性の歯肉炎患者を継続的な医療管理下に置き、患者の人生を通して歯周病発症を防止することを目
的とする。歯周炎と全身疾患・フレイル・健康寿命には因果関係または相関関係がある。本医療技術により歯周病の重症化
を防ぐことによりQOLの向上、健康寿命の延伸、そして歯科・医科医療費の抑制が期待できる。

P. gingivalis, T. denticola, T. forsythia の共存在は、重度歯周病の発症と有意に相関する(文献1-3)。さらに歯周病
発症リスクがオッズ比44.4(文献3)であるtypeII P. gingivalis は、メタアナリシスによって歯周病発症の主たるリスク
因子であると報告されている(Wang H et al The prevalence of fimA genotypes of Porphyromonas gingivalis in
patients with chronic periodontitis: A meta-analysis.PLos One,15:e0240251,2020)

⑤ ④の根拠と
なる研究結果等

1a
ガイドライン等での位置づけ

⑥普及性

年間対象患者数(人)
国内年間実施回数(回)

※患者数及び実施回数の推定根拠等

ガイドライン等での記載あり(右欄に詳細を記載す
る。)

・歯周治療のガイドライン2022(日本歯周病学会:28ページ)
・歯周病患者における抗菌薬適正使用のガイドライン2020
(日本歯周病学会:16ページ 表16)

10.7 万人
53,750回
令和2年の患者調査より、歯肉炎の患者数は20~24歳で800人、25~29歳で1,000人、30~34歳で800人 、35~39歳で400人と
なっている。また、平成28年歯科疾患実態調査で歯肉出血を有する者の割合は20~24歳で42.9%、25~29歳で37.2%、30~34
歳で41.7% 、35~39歳で43.2%となっている。これらを乗じると歯肉炎の患者は1,222名/日と推計されている。これを実日
数3.0日、月間22日診療を12ヶ月とした年間推計すると107,501の患者が対象と考えられる。本検査は外部委託する手間がか
かるため、全ての歯科医院では採用されず半数の割合で採用されると推測した。

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